木村元彦

【本】木村元彦「オシムの言葉」感想・レビュー・解説

【本】木村元彦「オシムの言葉」感想・レビュー・解説

僕は、人の上に立つような人間にはなりたくないが、それでも、そういう立ち位置にならざるを得なくなったら、こうなりたいという理想はある。そして、イビツァ・オシムというサッカー監督は、僕のあらゆる理想を体現している人物だと感じる。 『監督に、最後の佐藤のシュートが残念でしたね、と聞いたんだよ。そうしたら、「シュートは外れる時もある。それよりもあの時間帯に、ボランチがあそこまで走っていたことをなぜ褒めてあげないのか」と言われたよ』 『2004年の仙台戦で勇人が2ゴールを決めた時、

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オシムの言葉 (木村 元彦)

オシムの言葉 (木村 元彦)

 私は小学校のころはサッカー小僧でした。今でもサッカーを見るのは大好きです。  フォーメーションやシステムをあれこれ話題にする最近の戦術議論の中、「走る」というシンプルではありますがサッカーにおいて最も基本的な教えを厳しく実践するイビツァ・オシム氏は、以前から非常に気になる存在でした。  これまでベストセラー系の本は、特にそれが旬の時には手を出さなかったのですが、この本は是非とも読んでみたいと思っていました。  まずは、タイトルであるオシム氏の「言葉」について、初代スロ

13坪の本屋の奇跡「闘い、そしてつながる」隆祥館書店の70年 木村元彦

13坪の本屋の奇跡「闘い、そしてつながる」隆祥館書店の70年 木村元彦

商店街にある生家の隣に、田舎には似つかわしくないりっぱな書店がありました。二階建てのその書店は天井まで3メートルはある棚に本が隙間なく詰められていました。私は小学生の時から漫画を立ち読みし、高校生になると文学書や思想書を買い求めました。足を踏み入れる度にワクワクしました。 出版不況が叫ばれ、電子書籍やネット通販の普及で町の本屋さんの廃業が相次いでいます。そんな苦境にあって、書籍別による売り上げで大型書店を抜いて日本一にもなった本屋さんが大阪市内にあります。谷六の隆祥館書店で

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読書感想文 「オシム 終わりなき闘い」

読書感想文 「オシム 終わりなき闘い」

本日読んだ本。 「オシム 終わりなき闘い」 著: 木村元彦 あらすじ・内容祖国融和のため立ち上がった男の闘いの記録。 《オシムについてはもう書籍にする気持ちはなかった。  しかし。彼が身を挺して守った祖国がワールドカップに出場しようとしている。(中略)オシムはベンチに入っての現場指揮こそ執っていないが、人生をまだ休んではいない。帰国後も現役として毅然とサッカーの敵と戦い、祖国をサポートしている。》(プロローグより)  ユーゴスラビア紛争終結後20年近く経つ今も、民族対立

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困難を乗り越える勇気がもらえる一冊。ちゃんへん./木村元彦『ぼくは挑戦人』8月26日(水)発売

困難を乗り越える勇気がもらえる一冊。ちゃんへん./木村元彦『ぼくは挑戦人』8月26日(水)発売

この本について中学2年でジャグリングに出会い、やがて海外へ。プロパフォーマーとして世界を回る中で見えてきた、自らのアイデンティティとは? 世界的ジャグリングパフォーマー・ちゃんへん.氏の、笑いあり涙あり、型破りの半生を綴った初の著書が8月26日(水)に刊行されました。ちゃんへん.さんは在日コリアンが集住する京都ウトロ地区出身。根強い民族差別を背景に、小学校時代は苛烈ないじめに遭います。中学2年の時にジャグリングに出会い、各種大会で優勝。ビートたけし氏からの助言を受けた翌

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【試し読み】いじめの首謀者も校長先生も黙らせた、おかんの一言|『ぼくは挑戦人』

【試し読み】いじめの首謀者も校長先生も黙らせた、おかんの一言|『ぼくは挑戦人』

2020年8月26日(水)にホーム社単行本『ぼくは挑戦人』(ちゃんへん.著 木村元彦 構成)が刊行されました。世界的ジャグリングパフォーマーとして活躍するちゃんへん.さんが、子ども時代の体験、人生を変えたジャグリングとの出会い、プロパフォーマーとして世界を回って考えたことなどを綴った、リアルで勇気がもらえる半生記です。第1章より抜粋してご紹介します。 【ここまでのお話】在日コリアンが集住する京都・ウトロ地区に生まれ、母と父方の祖父母と暮らす僕(キム・チャンヘン=金昌幸、日本

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『暴走社長の天国と地獄 大分トリニータv.s.溝畑宏』

『暴走社長の天国と地獄 大分トリニータv.s.溝畑宏』

虚と実、光と影、本音と建前の交錯する男である。欠点の多い男であり、隙の多い男である。人なつっこく出たがりで、その分、脇の甘い男である。 本書では溝畑宏はこのように表現されている。 おそらく30代以上の大分県民はこの顔を見たらピンとくるはずだ。選手の中心でぎこちなく舞う、どこか親しみやすい風体の男が溝畑宏その人である。 彼は、グラウンドもクラブハウスもない、選手もいないところからチームを立ち上げ、キャリア官僚の職を辞し社長に就任。15年でナビスコ杯優勝を達成し「地方か

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【新刊・8月26日(水)発売】世界で活躍するジャグリングパフォーマー・ちゃんへん.さんの『ぼくは挑戦人』を刊行します。

【新刊・8月26日(水)発売】世界で活躍するジャグリングパフォーマー・ちゃんへん.さんの『ぼくは挑戦人』を刊行します。

この本について ジャグリングって御存じですか? 道具を空中に投げ、自在にキャッチして操るなどの、手に汗握るパフォーマンスです。従来サーカスや大道芸などで親しまれてきましたが、近年は技術が高度化し、より新しいエンターテインメントとして進化。愛好者も多く、世界中で競技大会が開かれています。 1985年、京都府宇治市生まれのちゃんへん.さんは、世界で活躍するジャグリングのプロパフォーマー。中学生のときに米国のパフォーマンスコンテストで優勝したのを皮切りに、数々の大会を制覇。その

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【本】木村元彦「爆走社長の天国と地獄 大分トリニータVS溝畑宏」感想・レビュー・解説

【本】木村元彦「爆走社長の天国と地獄 大分トリニータVS溝畑宏」感想・レビュー・解説

溝畑宏とは何者か? 『溝畑宏が行ったのはビルド・アンド・スクラップであった。グラウンドもクラブハウスも選手もいないところからチームを立ち上げ、高級官僚の座を投げ捨て、社長に就任。15年で日本一(2008年ナビスコカップ優勝)に導いた。』 凄い男である。 しかしそんな溝畑宏は、世間からこんな風に見られているのだという。 『自らの放漫経営で、チームが6億円もの借金(公式試合安定開催基金)をJリーグから借り受ける事態に追い込み、Jリーグ全体に多大なる迷惑をかけ、某サッカー誌に

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サブカル大蔵経84木村元彦『蹴る群れ』(集英社文庫)

サブカル大蔵経84木村元彦『蹴る群れ』(集英社文庫)

サッカーで世界を変えることは難しいかもしれない。しかしサッカーを見ることで世界を知ることができる。p.11  昔ヨーロッパに行った時、新聞もテレビも観光地の屋台も、みんなサッカーだった。中欧、中東、アフリカ、南米。サッカーが盛んなところは西欧と因縁深い地域。日本だけがアメリカを向いている。今の日本人がヨーロッパを知るのはサッカーを通してだけかもしれない。ヨーロッパ人が日本と出会うのもサッカー選手だけかもしれない。テレビに映らないサッカーの風景。 ドーハでのバス同乗で氷解し

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