宴は終わったが

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袴田巌さんの無罪確定に想うこと

捏造を認めない検察 2024年10月9日、検察は9月26日に静岡地裁で出された袴田巌さんへの無罪判決に対し、控訴を断念することを発表しました。(※1)最高検察庁の畝本直美検事総長は、10月8日の検事総長談話において、「改めて関係証拠を精査した結果、被告人が犯人であることの立証は可能」であるとし、静岡地裁で捏造が指摘されたいわゆる「5点の衣類」について次のように反論しています。 その上で、袴田巌さんの法的地位が不安定になることが問題であるとの判断から控訴をするのは適当ではな

    • 第50回(2024年)衆議院選挙主要政党政策集に関する考察(後編)

       10月27日に行われる衆議院選挙(10月15日公示)に関する主要政党の政策集について、生活面を中心に政策比較をしています。前回は、社会保障のうち年金、子育て・教育について比較しました。後編の今回は農業、物価政策・賃金上昇について考察して参ります。 2.農業 農業において消費者の観点から考えた際、注目するところは、食料自給率をはじめとした食料の安定確保、後継者問題などで将来的に農業に従事する層が減少する中、どのような農業のあり方を提示しているかというところにあろう。農業政策

      • 第50回(2024年)衆議院選挙主要政党政策集に関する考察(前編)

         10月27日に行われる衆議院選挙(10月15日公示)に関する主要政党の政策集について、生活面を中心に政策比較をしたいと思います。前編の今回は社会保障の年金、育児・教育をについて考察して参ります。 1.社会保障1-1.年金  年金については、少子高齢化の問題から将来的な年金制度の維持についての在り方が問われているが、維新、共産、れいわ以外は2004年の年金財政検証(※1)で導入された2017年までの保険料引き上げ(後固定化)、マクロ経済スライドの現行制度を変える意志は示し

        • 政治に対する雑感10-自民党総裁選・立憲民主党代表選に想うこと(後編)

           9月23日の立憲民主党(以下「立民党」)代表選、9月27日の自民党総裁選に関する雑感です。後編の今回は立民党代表選に関する考察になります。 立憲民主党代表選挙選挙を意識した党首の選出  前回の記事でも触れたが、立民党が元首相の野田佳彦を代表に選出したのは自民党同様に無党派層の動向、党員の支持傾向を踏まえて総合的に判断したものであると考える。立民党も自民党同様1回目での選出ではなく、決選投票で野田が元代表の枝野幸男を破って選出された。ただ、野田の場合は、ほぼ想定の範囲内で

        袴田巌さんの無罪確定に想うこと

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          政治に対する雑感10-自民党総裁選・立憲民主党代表選に想うこと(前編)

           9月23日に行われた立憲民主党代表選、9月27日自民党総裁選に関する雑感です。前編の今回は自民党総裁選に関する考察になります。 選挙を意識した党首の選出 自民党総裁選が9月27日、立憲民主党(以下「立民党」)代表選が9月23日にそれぞれ行われた。自民党は新総裁に石破茂を、立民党は新代表に野田佳彦を選出した。自民党、立民党とも無党派層からの支持を得るためにはどうしたらいいのか、また党員がどのような支持傾向なのかということを総合的に判断した上で、党の顔を選んだと言えよう。

          政治に対する雑感10-自民党総裁選・立憲民主党代表選に想うこと(前編)

          Travel is trouble?-旅にまつわる雑感-

          はじめに 読者の皆さんは旅行についてどのようなイメージをお持ちでしょうか。旅行には、旅行会社が作成した日程表に基づく観光を楽しむパッケージツアー、宿、交通手段、観光地などを自分で設定する自由旅行、長期にわたってバックパック一つで世界を駆け巡るバックパッキングと、様々な形態の旅行があります。また、国内旅行か海外旅行かという違い、国内旅行でも近場を日帰りで行くのと、宿泊を伴う遠出の旅行では趣きが異なります。  私の場合、自分の自由に旅行をしたいと思う性格なので、現地発着のツア

          Travel is trouble?-旅にまつわる雑感-

          日々の雑感⑤-ある芸能ニュースを見て感じたこと(後編)-

           不破遙香(芸名「フワちゃん」)の安井かのん(芸名「やす子」)のツイッター返信投稿についての記事を、3回に渡って書いています。前編では、ツイッターの返信投稿の内容の是非、中編では後編では不破の普段からの姿勢を容認することの問題点について述べました。後編では、不破の問題行動を発達障害と結びつけることに対する批判的考察を述べたいと思います。 非常識を発達障害と結びつける差別、偏見不破は発達障害なのか?  不破遙香(芸名「フワちゃん」)の安井かのん(芸名「かの子」)の「生きてい

          日々の雑感⑤-ある芸能ニュースを見て感じたこと(後編)-

          日々の雑感⑤-ある芸能ニュースを見て感じたこと(中編)-

           不破遙香(芸名「フワちゃん」)の安井かのん(芸名「やす子」)のツイッター返信投稿についての記事を、前後編に渡って書いています。前編では、ツイッターの返信投稿の内容の是非を中心に述べてきました。中編の今回は不破の普段からの非常識な言動を、バラエティ番組で利用することの問題点に対する批判的考察を述べたいと思います。(注:前回、不破の問題行動を、発達障害と結びつける行為についての批判的考察についても今回言及すると述べましたが、都合により次回、後編に回させていただきます。よろしくお

          日々の雑感⑤-ある芸能ニュースを見て感じたこと(中編)-

          日々の雑感⑤-ある芸能ニュースを見て感じたこと(前編)-

           不破遙香(芸名「フワちゃん」)の安井かのん(芸名「やす子」)のツイッター返信投稿について2回に渡って考察します。前編では、ツイッターの返信投稿の内容について述べたいと思います。 はじめに 安井のツイッター投稿に対する不破の返信投稿が、世間の反発を招いた結果、不破は出演したgoogleのCM中止、ニッポン放送の番組降板、活動休止に至った(※1)。不破に関する記事には、遅刻癖、飛行機内での迷惑行為(※2)、空港スタッフ、マネージャーへの傲慢無礼な態度など自分に甘く、他者への配

          日々の雑感⑤-ある芸能ニュースを見て感じたこと(前編)-

          「「死刑執行」から死刑を考えるシンポジウム」(2024年1月13日東京弁護士会開催)への感想

          概要 今年の1月13日、東京弁護士会が主宰する「「死刑執行」から死刑を考えるシンポジウム」(※1)に行った。内容は3部構成であり、第1部は監督門井肇による主人公である刑務官が死刑囚の死刑執行に携わるまでの様子、死刑執行後に取得した休暇における言動を描いた「休暇」(原作:吉村昭「休暇」)の上映、第2部は死刑執行された後の遺体の引き取りに携わった弁護士によるパネルディスカッション、第3部は某死刑囚が死刑執行を告げられてから死刑執行に至るまでの2日間の状況を、当時の大阪拘置所元所

          「「死刑執行」から死刑を考えるシンポジウム」(2024年1月13日東京弁護士会開催)への感想

          国家の不条理に抗う精神(番外編)-長谷川テル遺児暁子(暁嵐)・劉星の人生(後編)

           前編では、長谷川テル・劉仁夫妻の遺児暁子さん、劉星さんの青少年期の状況についての概略をご紹介しました。中編では、文革期に揺れる暁子さん、劉星さんの体験について紹介しました。後編の今回はその後の暁子さん、劉星さん,、暁子さん、劉星さんの日本へのスタンスを中心に、前回、前々回同様暁子さんの著書「二つの祖国の狭間に生きる」よりご紹介します。 暁子さん、劉星さんと日本幼少年期  暁子さんと日本との接点ですが、暁子さんの幼少期の日本に対する印象は、保育園の頃に周りから日本人の子、

          国家の不条理に抗う精神(番外編)-長谷川テル遺児暁子(暁嵐)・劉星の人生(後編)

          国家の不条理に抗う精神(番外編)-長谷川テル遺児暁子(暁嵐)・劉星の人生(中編)

           前回の前編では、長谷川テル・劉仁夫妻の遺児暁子さん、劉星さんの少年期の状況についての概略をご紹介しました。中編の今回は文革期を中心に劉星さん、暁子さんがどのように向き合ったのかについて、前回同様暁子さんの著書「二つの祖国の狭間に生きる-長谷川テルの遺児長谷川暁子の半生-」(同時代社)よりご紹介をしたいと思います。 文化大革命に揺れる劉星さん、暁子さん 文化大革命が始まる当初、暁子さんは唐山学院大学の2年生で、教養科目の時間に、大学の図書館からロシア文学、フランス文学、イ

          国家の不条理に抗う精神(番外編)-長谷川テル遺児暁子(暁嵐)・劉星の人生(中編)

          国家の不条理に抗う精神(番外編)-長谷川テル遺児暁子(暁嵐)・劉星の人生(前編)

           昨年、国家の不条理に抗う精神として、長谷川テルが日中戦争のさなか、中国に侵略を行う日本兵に対して、戦争を止め投降を呼びかける放送を行い続けたことを記事にしました。(※1)今回から、3回に渡って番外編として、長谷川テル・劉仁夫妻の遺児である長谷川暁子さん、劉星さんの人生について、暁子さんの著書「二つの祖国の狭間に生きる-長谷川テルの遺児長谷川暁子の半生-」(同時代社)よりご紹介をしたいと思います。 幸せな幼少期を過ごした暁子さん 長谷川暁子さん、劉星さんは日中戦争、国共内

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          日々の雑感④-「引きこもり」は本人の甘えか-

          引きこもり当事者に対する差別・偏見 「引きこもり」という言葉の中にある世間のイメージは、親や家族の犠牲によって、働きもせず、好き勝手に生きている人たちというものである。また、引きこもり当事者の家族が将来を心配しあるいは家庭が崩壊することを指摘ないし、それを態度が出たことを察すると、家族に向かって横暴な態度を取ったり、暴れるという傍若無人な存在というのが実際の私たちの中にある「引きこもり」観であろう。  実際には以上の見解は、一面的な物の見方でしかない。引きこもり当事者自身

          日々の雑感④-「引きこもり」は本人の甘えか-

          日々の雑感③-お金にまつわること-

          お金を得ること 私も含め、お金はいらないという人はほとんどいないと思います。現に、私は、金貨が天井からどんどん降ってこないかなとよく思ったりします。私たちは、お金を介して、自身の生活に必要な物資、サービスはもちろん、自身の趣味、娯楽に伴う物資、サービスを受けています。日本円に対する価値の下落が指摘されてはいるものの、少なくとも現状では、日本円を使うことを通じて日々の生活が成り立っているわけです。である以上、資産家や地主といった不労所得を得ることができる人を除けば、基本的には

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          「こども未来戦略方針案」に関する考察-少子化にどう向き合うか⑥-

           少子化に対する考察に関する記事です。6回目の今回は、昨年の6月13日に政府が発表した「こども未来戦略方針」について考察して参ります。 「こども未来戦略方針案」(概略)施策面  政府は2023年6月13日に少子化対策における「こども未来戦略方針」(以下「戦略方針」)を閣議決定した。(※1)すでに、2023年3月31日には少子化担当相による「こども・子育て政策の強化について(試案)」(以下「2023年3月31日少子化相試案」)を発表しているが、基本的には「戦略方針」は「20

          「こども未来戦略方針案」に関する考察-少子化にどう向き合うか⑥-