SPACE SHIP PEQUOD CREW

想像してみよう。遠くの世界のことを。🌌NASA勤務の小野雅裕さん読者コミュニティPEQ…

SPACE SHIP PEQUOD CREW

想像してみよう。遠くの世界のことを。🌌NASA勤務の小野雅裕さん読者コミュニティPEQUODの有志で立ち上げた宇宙メルマガTHE VOYAGEの編集部が運営するnote📒配信された記事のバックナンバーと、2024年からはnoteでタイムリーに記事を公開中!フォローお願いします☆

マガジン

  • THE VOYAGE 2024・掲載記事

    宇宙メルマガTHE VOYAGE 2024掲載記事

  • 太陽の空より

    河村聡人(あきと)さんによる連載。 専門は太陽・太陽圏物理学。現在は人工衛星による地球観測データの解析にも従事している河村さんが、自分の体験や思い出を交えながら、宇宙についてカジュアルに分かりやすくお届けする連載がスタート。

  • エイハブの六分儀

    コスモプラネタリウム渋谷の現役解説員 西香織さんがお届けする星空案内のコーナー☆宇宙メルマガTHE VOYAGE創刊当初からメルマガでのみお届けしてきた人気のコーナーでしたが、これからはnoteでもお楽しみ頂けることとなりました!! ぜひ、夜空を見上げて宇宙に想いを馳せる時間のおともにしてみてください☆

  • ギャラリー・ピークオッド 〜切り絵〜

    ミツマチヨシコさんによる切り絵のコーナー。宇宙船PEQUOD号の船内を彩る作品を、宇宙メルマガTHE VOYAGEにて毎号公開頂いています。 細かな切り絵作品の中に、壮大な宇宙を想像することができるミツマチさんの感性に触れてみてください。 ミツマチヨシコ 2002年から活動中の切り絵作家。水彩、漫画、動画なども作る。 作風はノスタルジック。ファンタジーとバンプオブチキンをこよなく愛している。 内なる宇宙をこの世界に持ち出し、未知なる外宇宙に思いをはせる日々。

  • 宇宙とは何か

    宇宙論の研究者、松原隆彦教授がユーモアあふれる語り口でお送りする講義シリーズ。科学者もなかなか答えられない「そもそも宇宙とは何なのか」をいろいろな切り口から検討していきます。 ※先生の著書『宇宙とは何か』(SB新書)を元にしています。 松原隆彦 1966年、長野県生まれ。高エネルギー加速器研究機構 素粒子原子核研究所(KEK素核研)教授。博士(理学)。京都大学理学部卒業。広島大学大学院博士課程修了。東京大学、ジョンズホプキンス大学、名古屋大学などを経て現職。専門は宇宙論。日本天文学会第17回林忠四郎賞受賞。著書多数。

最近の記事

太陽の空より vol.10 河村聡人

タイトルの「太陽の空」を追いかけるシリーズも残り今回と次回の予定です。前回は太陽風の仕組みについて、マニアックなお話となりました。 今回はその太陽風の行き着く先のお話です。 太陽から吹き出した風は外へ外へと広がっていきますが、その勢いは弱まり、やがて恒星の間を埋める物質(星間物質)の流れと釣り合います。 このスケールにおいては星間物質は均質に一方向から流れているとします。その上流方向に向かう方向において、太陽風は星間物質と正面衝突し、横へと流れます。全体的な形としては下の

    • エイハブの六分儀

      【今月の星空案内】 外の酷暑と電車内や建物の中のクーラーの寒さ、この温度差についていけず疲労が続いていませんか?この夏、いかがお過ごしでしょうか。 8月7日(水)には二十四節気の立秋を迎えて暦の上では秋ですが、まだまだ暑さは続きそうです。どうぞご自愛ください。 頭の真上近くには、お馴染みの夏の大三角がのぼってきていますね。こと座のベガとわし座のアルタイル、はくちょう座のデネブが大きな長細い三角を形づくっています。ベガとアルタイルが、七夕の織り姫星と彦星です。 8月10

      • アルマ電波望遠鏡-ミツマチヨシコ

        昨年、稼働開始から10年を迎えたアルマ電波望遠鏡。 様々な成果を上げている南米チリにあるこの望遠鏡は、いつか一度見に行って見たいと思っています。 星景写真と合わせて写されているアンテナ群は空を見上げて思索している哲学者のように思われ、どの望遠鏡も趣深いなと思いながら眺めてしまうのです。 ましてや、アルマ電波望遠鏡は、星や惑星の誕生の過程を映し出したり、ブラックホール撮影に大きく貢献したりと非常に高性能で様々な宇宙の姿、それまで知られていなかったことを私たちに教えてくれて。

        • 太陽の空より vol.9 河村聡人

          タイトルの「太陽の空」について考えている当連載ですが、今回は太陽風について踏み込んだ解説に挑戦します。かなりマニアックです。 太陽には磁場がある、つまり磁石が埋まっているようなものなのですが、その磁石を動かすとどうなるか少し考えてみましょう。 磁石を手に持ってみてそれを振ってみてください。その磁力線は磁石の位置に従って刻一刻と変わるはずですが、少し遠くで磁力線を測るとほんの少しずれて方向が変わるはずです。 我々の身の回りの空間ではその速度はほぼ光速なので、目でそのズレを認知

        太陽の空より vol.10 河村聡人

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        • THE VOYAGE 2024・掲載記事
          41本
        • 太陽の空より
          10本
        • エイハブの六分儀
          19本
        • ギャラリー・ピークオッド 〜切り絵〜
          70本
        • 宇宙とは何か
          11本
        • スターバックの本棚
          62本

        記事

          太陽の空より vol.8 河村聡人

          太陽活動に振り回された3回にわたる寄り道から、タイトルの「太陽の空」についての個人的な考えの話に戻ります。 vol.4にて、太陽表面でおきる突発的な増光現象(フレア)や太陽の表面から見上げた磁場の話をしていました。見上げた磁場が太陽の空かとも思えますが、僕の考えは少し違います。 今回から3回ほどはその磁場からさらに上空の、そして太陽の空の範囲の話です。 vol.3にて、太陽はその表面が光球と呼ばれ、そこから上空に彩層、そしてコロナと呼ばれる大気が広がっていると紹介しました。

          太陽の空より vol.8 河村聡人

          エイハブの六分儀-西香織

          【今月の星空案内】 すっかり真夏の暑さになってきましたね。体調は崩していませんか? 7月21日(日)の満月は、ネイティブアメリカン発祥の「バックムーン」。バックというのが牡鹿、生え変わった牡鹿の角が成長する時期の満月という意味だそうです。 冬に比べると南の空の低めの位置を通過していきます。 7月31日(水)未明に、月は火星と木星ならびます。細い月と木星が最接近しますので、明け方が楽しみです。 そろそろ、うしかい座とおとめ座が西へ傾いてきました。うしかい座のアルクトゥ

          エイハブの六分儀-西香織

          金星探査機ダヴィンチ-ミツマチヨシコ

          まだ打ちあがっていないNASAの金星探査機ダヴィンチ。先月の記事で書いた通り、気になっていたので(今月も遅くなりましたが)今回はこちらを取り上げてみました。 金星は、表面が500度近い温度で、何でも溶けてしまうような硫酸の厚い雲に覆われ、そこから雨が降っており、気圧も100気圧(地上は1気圧ですから、その百倍です)というすさまじい条件の為、これまで表面を探ろうという探査機は非常に寿命が短く、あまりいろいろなことが分かっていない星です。 そこで、雲の様子を探る日本の金星探査

          金星探査機ダヴィンチ-ミツマチヨシコ

          太陽の空より vol.7 河村聡人

          太陽の空より vol.7 太陽活動に振り回されての寄り道も今回までになります。前回は低緯度オーロラの記録は史料に残っており、その例として1770年のオーロラの絵を紹介しました。今回はより具体的な記述を精査してい きたいと思います。 今回は2016年に書いた論文の紹介になります。 Aurora candidates from the chronicle of Qíng dynasty in several degrees of relevance(清朝の年代記に登場するオーロ

          太陽の空より vol.7 河村聡人

          太陽の空より vol.6 河村聡人

          連載タイトルを追いかける道半ば、太陽活動に振り回されての寄り道の中編です。本記事が公開される時には1か月前の話になりますが、今回の太陽フレアとそれにともなう低緯度オーロラの観測がどれほど珍しいことなのでしょうか?昔の記録を少しひも解いてみます。 低緯度オーロラは赤く、それは地平線越しにオーロラの上部分だけを見ているというお話を前回しました。 その理屈で云うと北の空が赤く光る現象の記録を探そうと思えるのですが、ことはそれほど簡単ではありません。そもそもとして、めったに起こらな

          太陽の空より vol.6 河村聡人

          エイハブの六分儀-西香織

          【今月の星空案内】 すいぶん日がのびて、夏至も間もなくですね。今年は、6月21日(金)に夏至を迎えます。太陽がずいぶん北よりから昇り、北よりに沈んでいく様子から、毎年新鮮に季節による空の変化を実感します。雨も増えてジメジメするこの時期に咲く紫陽花が、ぱっと日々に明るさを添えてくれます。 梅雨入りはやはりちょっと気が滅入りますが、この時期の雨は稲作をはじめとする農業にも欠かせません。秋に美味しい新米や野菜や果物を収穫するために、必要不可欠なプロセスです。こうなったら、雨を思

          エイハブの六分儀-西香織

          宇宙望遠鏡ユークリッド

          5月はバタバタと過ぎていき、うっかり遅くなってしまいました。 5月は久々に新しく探査機の切り絵を作ろうと思って、まだ打ちあがっていない金星探査機ダヴィンチ+を取り上げようか…と準備していたら、昨年打ちあがったのを見逃していたESAの近赤外線宇宙望遠鏡ユークリッドの記事を見つけて、急に切り替えたら間に合わなくなってしまったのでした。 という言い訳は置いときまして。 ユークリッドは、可視光の撮影もできるので、美しい写真を色々撮っているようで、間近に行って見ているような馬頭星雲や

          宇宙望遠鏡ユークリッド

          踏み出す一歩がここで見つかる。「星や宇宙を仕事に!」イベントレポート(後編)イワシロアヤカ/risa

          「星や宇宙を仕事にする。」宇宙好きなら、一度は夢見ることかもしれない。 10年ほど前まで、その実現の方法は研究職や関連企業への就職が主なルートだった。でも今はもっと選択肢がある。宇宙を扱う業界も増えたし、Youtuberや星空ガイドとして個人起業する道もある。 しかし一方で、仕事にすることへの不安を抱える人が多いのも事実。そんな人のために、ビジネスとして成り立たせる方法を探り、仲間同士の交流を図ることでその不安を解消しようというイベント「星や宇宙を仕事に!~つかめ、未来!~」

          踏み出す一歩がここで見つかる。「星や宇宙を仕事に!」イベントレポート(後編)イワシロアヤカ/risa

          太陽の空より vol.5 河村聡人

          連載タイトルの「太陽の空」を追いながら地球から太陽へ、そして太陽黒点から磁力線を見上げたの が前回でした。 本来の予定では、ここから太陽風の話へ進むはずだったのですが、太陽の機嫌が良く(悪く?)、急遽路線変更です。 前回の記事の頃から太陽で大きなフレアが頻発し、日本でもオーロラが見られたというニュースが駆け巡りました。僕の研究分野のひとつに太陽活動についての考古天文があります。 オーロラのニュー スに直に関係する分野ですので、今回と次回はこのお話にしたいと思います。 まず

          太陽の空より vol.5 河村聡人

          エイハブの六分儀-西香織

          【今月の星空案内】 星空が、のんびりとした印象になってきたでしょうか。5月5日には立夏を過ぎて、新緑が眩しい季節になりましたね。爽やかな風を浴びながら深い呼吸を心がけてみると、寒い間、固まっていた心も身体もほどけていくようではありませんか? 宵時に見える惑星もなく、明るい星が少ない中いちだんと目立っているのが、うしかい座のアルクトゥールスです。空の高い位置に見える暖色の明るい星、迷うことはないかと思います。その南よりに対照的な純白の輝きを見せるのがおとめ座のスピカ。農業の

          エイハブの六分儀-西香織

          太陽の空より vol.4 河村聡人

          連載タイトルの「太陽の空」を迫ってきて、太陽の大気までたどり着きました。 太陽から見上げたら、そして太陽表面にある黒点から見上げたら、その空はどの様なものなのか?というのが今回への宿題でした。 この写真は今から約10年前、僕が京都に移ってきて最初に真面目に解析した黒点12192のコロナを写しています。 ちょうどフレア(増光現象、一般向けには太陽爆発とも)を起こしているタイミングで、明るく光っています。 光っているのは何か塊というよりは線のようなものです。まるでネオンサインの

          太陽の空より vol.4 河村聡人

          6年で宇宙探査はどれだけ進んだか?③火星編

          火星はかつて水の惑星だった。では、そこに生命はいたのか。その謎を解くべく、2021年に火星に着陸し探査を続けているのが、NASAの新ローバー・パーサヴィアランスである。発売されたばかりの『新版・宇宙に命はあるのか』からの抜粋に一部手を加え、その最新情報をお届けする。 火星時間勤務 2021年の着陸後から現在に至るまで、僕はローバーのオペレーターとして日々の走行の解析とプランニングに携わっている。最初の頃はコロナ禍の真っ只中で、コントロール・ルームでは、全員がN95マスクを

          6年で宇宙探査はどれだけ進んだか?③火星編