ドリアン長野

1961年生まれ。高校生の時にセックス.ピストルズを知って衝撃を受け、怠惰な生活から足…

ドリアン長野

1961年生まれ。高校生の時にセックス.ピストルズを知って衝撃を受け、怠惰な生活から足を洗う。50歳で父親になったパンクと読書と極真空手を偏愛する元リーマンパッカー。

最近の記事

「ユーは何しに羽田空港へ?」と東京モノレールの中で叫ぶ

小六の娘は大の空港好き。いや、かくいう私も空港が大好きだ。 先日東京に行くことになったが娘の強い希望で関空から羽田まで飛行機で行くことになった。 年に一回か二回は東京に行く機会があるのだが、娘があと一か月で大人料金になる前なので新幹線の料金と比較しても大して違いはない。 自宅から関空まで1時間。前のめりで昼飯どきに関空に着いた空港大好きなわれわれは(飛行機は15時発)フードコートもマクドもすき家もインバウンドに占領されているのでコンビニで食料を買い込み、ベンチで食べる。空

    • 父とファミリーヒストリー

      2023年10月29日、教会での聖餐会のお話しです。 皆さん、おはようございます。長野兄弟です。今日のテーマは神殿ですが、神殿と家族歴史は不可分ですので、今日のお話は神殿でもあり、家族歴史でもあります。 以前平野ワードがありました。この阿倍野ワードと教会を共有していて、平野ワードには姉妹の妹が集っていました。彼女は阿倍野ワードの西兄弟と結婚したので、私は西兄弟の義理の兄になりました。ご存じの方もおられると思いますが、彼は頭脳明晰、誠実、努力家、信仰に篤く、しかもイケメンとい

      • 『52ヘルツのクジラたち』

        格闘技では劣勢になると笑う人がいる。全然効いてないと余裕を見せる。 いじめられている者はヘラヘラと笑う。 自分が苦しんでいることを他人に知られたくない。悲鳴さえあげられない。 「52ヘルツのクジラ」とは、他のクジラが聞き取れないほど高い周波数で鳴く、世界で1頭だけの孤独なクジラのこと。 この物語は虐待、ヤングケアラー、性的マイノリティーといった様々な問題を内包する。 母親から虐待を受けていた三島貴瑚は同じように母親から虐待されて声の出ない13歳の少年と出会う。 アンと

        • 沖縄テゲテゲとタコスとサトウキビ畑とTHE BOOMと

          旅の記憶は現地で食べた物と分かち難く結びついています。 沖縄発祥のタコスといえばコザの中央パークアベニューにある「チャーリー多幸寿」。チャーリーは創業者の勝田さんに米兵がつけたニックネームです。創業は1956年ですから70年近くです。店内はアメリカンな雰囲気で壁に所狭しと有名人や一般人の色紙が飾られています。山形から食べに来ました、という色紙もありました。 時間がないのでチキン、ツナ、ビーフのタコスをテイクアウトし、車中で食べました。 U型の皮は柔らかくもっちりとして,具

        「ユーは何しに羽田空港へ?」と東京モノレールの中で叫ぶ

          ウソツキで誠実な男の約束『メガバンク銀行員ぐだぐだ日記』

          本書の中に「『罪と罰』ウソツキで誠実な男の約束」という章がある。 東日本大地震でATMとインターネットバンキングを停止、緊急処置として10万円まで窓口で預金を引き出せることになった。 50代の現場作業員風の男性Kさんが窓口にやって来て10万円を引き出したが、後に彼の口座にはほとんど預金がなかったことが判明する。 Kさんは簡易宿泊所に寝泊まりし、都内の現場を転々としていた。しかも携帯電話を持っていないので連絡を取る方法がない。 そのまま逃げてしまえばそれで終わりだ。しか

          ウソツキで誠実な男の約束『メガバンク銀行員ぐだぐだ日記』

          2022年 三年ぶりの神戸であったマッキーのコンサートについて

          三年ぶりのコンサートである。会場の神戸国際会館は約二千人のキャパに立ち見も出た。オープニングは「introduction~東京の蕾~」。何曲か歌った後、MCで槇原が言う。 「皆さんに申し訳なく思っているのは私のファンだということで皆さんが肩身の狭い想いをしているんじゃないかって、本当にすみませんでした」 と言って、深々と頭を下げる。すかさず近くにいた年配女性から「そんなことないよ!」と声が飛ぶ。そして会場から万雷の拍手。 「肩身の狭い想い」というのは覚醒剤所持に関する報道

          2022年 三年ぶりの神戸であったマッキーのコンサートについて

          太鼓の達人とYouTubeとダンス

          小三の娘は太鼓の達人にはまっている。週に一度、娘を自転車に乗せて水泳教室に送り迎えをするのだが、帰りはイオンに寄って太鼓の達人をするのが決まりになっている。いや、決まりではないのだが右折するとイオンに行くという交差点の手前にあるかっぱ寿司の駐車場の前で「イオン行く?」と聞くと、必ず「行く」と答える。もう見事に100パー「行く」と答える。一度くらい「今日はやめとく」と言ってもいいとは思うが、それはそれで心配だ。 内視鏡検査後にレントゲン写真を見ていた医者が「これは…」と言って、

          太鼓の達人とYouTubeとダンス

          森鴎外と斎藤茂吉と川島芳子の父

          家族歴史を調べていると、「よく私を見つけてくれた」という祖先の声が聞こえた気がするのは一度や二度ではない。 そしてまた、歴史の尻尾の先っちょを掴んだと感じることもある。 この書は義母の家にあり、処分しようかと案じていたもの。 義母の母方の祖父、斎藤秀雄は東大医科大学の学生の時分、森鴎外の自宅の観潮楼を訪ねて「小児科をやりたいんです」と相談している。秀雄は島根県益田市生まれ、鴎外の生家は近かった。 秀雄が長崎医科大学に赴任した時、精神科医で歌人の斎藤茂吉もそこで働いている。

          森鴎外と斎藤茂吉と川島芳子の父

          アインシュタインの言葉

          子どもの中学受験の合格発表は一週間後の日曜日。日曜日は家族そろって教会に行く。結果は10時からスマホでわかる。聖餐会が始まる時間だ。 聖餐会後、妻と娘がどこかに行って戻ってきた。 「どうだった?」 「パパには言わないで、って」 そうか。それで全てを了解。 落ち込むかと思ったが、そうでもなかった。 11月にあった塾の最後の保護者面談の時に「もし志望校に落ちても地元の中学校のクラスでは上位にさせてあげたいです」 と言うのを聞いて不合格だな、と思った。 さすがプロだ。 先日

          アインシュタインの言葉

          おーちゃんとまさ子さんのケトル

          友人の紹介で一宮市に住むおーちゃんと初めてお会いした時、あなたはニコニコしていましたよね。僕は驚きました。なぜならおーちゃんの奥さんと三人の子どもの二人を癌で亡くしたと聞いていたからです。 僕は驚きと同時にすごい人だなと思いました。 おーちゃんの奥さんは自分から好きだと告白したそうですね。わかります。おーちゃんは怒ったり、人の悪口を言ったことがありません。  奥さんを亡くしてから奥さんのお母さんのまさ子さんと暮らしていたことがありましたね。 おーちゃんが義母を邪険に扱ったり

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          『同じ星の下に』 虐待を受けていた女子中学生が誘拐された

          女子中学生の沙耶は両親から虐待を受けていました。 殺害の危機を感じた彼女は児相に電話をかけるのですが、やって来た渡辺を名乗る男は誘拐犯でした。彼女を自宅に軟禁し、二千万円を要求します。 しかし、この誘拐犯はクリスチャンで毎朝聖書を読み、お祈りをかかしません。誘拐犯がクリスチャン?何を祈っているのか? 彼女は人間は不平等だと自分の境遇を呪っています。 「アンネの祈りは神様には通じなかった。神様は沈黙する。だから、わたしは神様には頼らないし、祈らない」 しかしエピローグで彼

          『同じ星の下に』 虐待を受けていた女子中学生が誘拐された

          故郷からの便り、相撲と理容室

          先日、山陰の地方紙「日本海新聞」から掲載の御礼にと図書カードが届いた。 以前二回投稿したので、どちらが掲載されたのだろう。12月24日掲載分、とあるので図書館でバックナンバーを読んだ。ああ、この投稿かと思い、新聞社が付記した末尾の言葉に心臓が止まるかと思うほど驚いた。以下は掲載記事である。 「小学生の時のことだ。新聞を読んでいたら、米子市内で理容店を経営しているという20代の人の投稿文をを見つけた。田舎の町の名前が全国版に掲載されるというのは子ども心にも誇らしかった。それか

          故郷からの便り、相撲と理容室

          入試と『ゴールデンカムイ』

          昨日子どもの中学入試があった。保護者控室は学校内のライブラリーで案内されて入ると保護者が20人ほど。 受験者は400人ほどなのだが、入試問題漏洩防止のためスマホ使用禁止と外出禁止が敬遠されたのだろう。 軟禁状態(笑)で5時間、持参した3冊の本を読み終わり、ライブラリーにあった漫画『ゴールデンカムイ』を読む。日露戦争の激闘から始まるこの漫画、隠された金塊を探し求める主人公と彼を助けるアイヌの少女が主軸となる。この少女がいい。生死を伴う危機に遭っても平然と知識と技術で切り抜けてい

          入試と『ゴールデンカムイ』

          巨人の肩に乗る

          ある日、娘が小五の時に言った。 「私立の中学に行きたい」 理由を聞いてみるとクラスメートにやんちゃな男女が一人づついて様々な問題行動を起こし、担任の先生を困らせている、だから中学になってまた同じクラスになりたくない、からだそうだ。自分で調べて、ある中高一貫校に行きたいと言う。 妻が問う。 校区内の公立中学校に行けば歩いていける、その学校に進学したら電車通学になるから定期代もかかるし、朝早く起きないといけない。中学受験するなら塾に通わないといけないけど、最悪このマンション

          巨人の肩に乗る

          12歳の試練『二月の勝者 中学受験生に伝えたい勉強よりも大切な100の言葉』

          学校教育法では「満6歳に達した日の翌日以後における最初の学年の初めから、満15歳に達した日の属する学年の終わりまでにある子」に対して保護者が就学させる義務がある。だから小学生は浪人はできない。一発勝負なので、そういう意味では大学入試より厳しいといえる。 『二月の勝者』という中学受験を題材にした漫画が話題になっている。吉祥寺の中堅塾に黒木という新しい校長が赴任してくることから物語は始まるのだが、前任が都内御三家(男子校では麻布、開成、武蔵)に一人も合格者を出せなかったために飛

          12歳の試練『二月の勝者 中学受験生に伝えたい勉強よりも大切な100の言葉』

          55歳 初マラソンどん亀記

          福知山マラソン 2016 11 27 ランニングを始めてから1年と3か月、やっと念願のフルマラソンに出られることになった。11月23日勤労感謝の日の福知山マラソン、なんやかんやで慌ただしく決まったのが二週間前、初フルということで妻と子ども、神戸に住んでいる義母も応援に来てくれることになった。レンタカーを借り、神戸の妻の実家に前泊する。 なんだか大事になってきた。 昨夜は緊張もせずにゆっくり眠れた。 当日は早目に起床、風が強く小雨も降り、かなり寒い。寒さ対策のために体にワセ

          55歳 初マラソンどん亀記