荒唐無稽だが、アメリカの夢でもある:P.ロス「素晴らしいアメリカ野球」(中野好夫・常盤新平 訳)
大学時代以来の再読で、今回は「村上柴田翻訳堂」シリーズ(村上春樹と柴田元幸がセレクトした海外文学を、新訳・復刊する新潮文庫のシリーズ)の文庫で読んだ。注釈(パロディや言葉遊びが多いこの作品を読むに当たって、この注釈に大いに助けられた)、井上ひさしによる解説、村上・柴田両氏による対談も収録されている。
結論から書いてしまうが、あまりの荒唐無稽かつスケール壮大さに、立ち尽くしてしまうような感覚になった。学生時代より少しは海外文学への見識も増したはずだが、前回とほぼ同じ感想で