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みやまるレビュー集

37
みやまるが書いた「スポーツ関係の作品以外」のレビュー集になります
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記事一覧

2023年 読んで面白かった本

⚠️ネタバレ注意⚠️ こちらは昨年の記事です。 📖小説G.オーウェル「一九八四年」  エ…

みやまる
4か月前
4

29歳の夏に『風の歌を聴け』(村上春樹)を読む

※注意 この文章を読む際はネタバレ等、核心部分への言及があります。個別に判断したうえで、…

みやまる
8か月前
12

その映画、やっぱり凶暴につき:新文芸坐に『その男、凶暴につき』を観にいく

※注意 この文章を読む際はネタバレ等、核心部分への言及があります。個別に判断したうえで、…

みやまる
10か月前
5

柴野惣(シバノソウ)初監督作品、『世界が終わったら』を観にいく

※注意 このnoteを読む際は、作品のネタバレに注意してください。ラストシーンや核心に触れる…

みやまる
1年前
5

「爆笑問題のコント テレビの話」の話:爆笑問題の新しい「ホームゲーム」

不安と期待の、「ホームゲーム」 昨年9月9日に爆笑問題が、オフィシャルYouTubeチャンネル「…

みやまる
1年前

2022年 読んで面白かった本

(以下ネタバレ注意)  昨年書いて、結構手ごたえがあったので今年もやろうと思います。でき…

みやまる
1年前
6

ファーストワンとオンリーワンの演芸マンガにあるもの:『ひらばのひと』と『あかね噺』

(※ネタバレ注意) ひらばのひと 2020年から連載が(それも講談社から)始まった講談師のマンガ、『ひらばのひと』であるが、おそらく講談師が主人公のマンガというのは史上初なのではないだろうか。  確認できた限りでは、講談が主題のマンガはこれだけかつ、マンガ以外にもフィクション作品となると、1963年の直木賞を獲得したで安藤鶴夫『巷談 本牧亭』くらいしか確認出来なかった(『巷談 本牧亭』は、一部実話をモデルにしているが)。  「修羅場(しゅらば、とも)調子」とは講談独特の

「さらけ出す」という文学のありかた:『苦役列車』の思い出

 2010年下半期の芥川賞は、『苦役列車』で受賞した西村賢太の「風俗に行こうと思ってた」とい…

みやまる
2年前
4

2021年読んで面白かった本

2021年読んで面白かった本の感想をまとめました。 ビートたけし「『さみしさ』の研究」 …

みやまる
2年前
3

絵も語り口も水のように柔らかく:安西水丸『東京エレジー』全話再読

(⚠️注意⚠️ 文章の性質上ネタバレ等を含みます。未読の方はご注意ください)  安座水丸が…

みやまる
2年前
2

もし村上春樹がノーベル賞を受賞したら起こりうる変化と、文学の価値について

 村上春樹の本が好きだ。多分30冊くらい読んだし、それも『1973年のピンボール』は1冊だけで7…

みやまる
2年前
8

平成の2つの伝説による奇跡の「クロスプレー」:『古畑任三郎ファイナル フェアな殺人…

 5月18日、俳優の田村正和が4月に亡くなっていたことが明かされた。日本人ならハリウッドザコ…

みやまる
2年前
1

「こっちにだってくらしがあるんだっ!!」と叫びたい登場人物に「これだ」と思う静か…

(※作品のネタバレを含みます。未読の方は注意してください)  謎の作家が推薦する黄色い帯を…

みやまる
3年前
2

遠藤周作『沈黙』を読んで、初めて文学の意義に近付けたと感じた

 読むスピードは早くないにせよ、小学校高学年から途切れることなく読書をしてきたし、大学も曲がりなりにも文学部を出ている。今の職業も校正なので、比較的言葉や文学について考える機会が多い人生だったと思う。  そうは言っても世の中には大量にまだ読んでない本があり、文学は15年ちょっと慣れ親しんだ程度ではその真髄に迫れるようなものではない。むしろ簡単ではないからこそ、面白みがある、学ぶ意義があるのだと考えている。  ところが先日ついにというか、初めて自分なりに「文学が存在する意味」や