トカチェフ

どこかにあるというユートピア 読書リハビリ中、文芸誌を分解してスキャニングすることを趣…

トカチェフ

どこかにあるというユートピア 読書リハビリ中、文芸誌を分解してスキャニングすることを趣味として見出しました。

マガジン

  • 読書リハビリ

    読書習慣を取り戻すための様々な行動や経過、そして結果をまとめます。 主に文學界を中心とした読書履歴など。

  • 音楽と雑感

    月毎に聴いた音楽、時々ラジオ、稀に落語そして雑感。

  • From the garage of the world

    60年代のガレージバンドについてのnoteをまとめました。

  • Psychedelic States

    Psychedelic Statesにまつわるお話。 Psychedelic Statesとは・・・。 アメリカには50の州があるという・・・。 前世紀、二つ目の世界大戦が終わった後、アメリカではイカすバンド天国の時代が到来し、 各州、街、家のガレージでみなが楽器を持ち演奏する狂乱の時代となったのだ。 そして産み落とされた数多の音楽たち。 そのほとんどが忘れ去られて久しくなった21世紀。 忽然と編纂されたのがPsychedelic Statesと冠されたコンピレーションアルバム。 それは州ごとに編纂され、数多くのローカルバンドたちの知られざる音源が収録された まっこと歴史的に意義のあるアルバムとなっているという・・・。

  • 子育て関連

    子どもとの生活で気づいたこと、考えた遊びなど。

最近の記事

読書リハビリ:魔法をさがして

すっかりご無沙汰でしたが、それなりに読書は続いています。 文芸誌を毎月チェックしては購入して読んだり、また新たな文芸誌に手を出してみたり。 時々、これはと思うものもありますが、それ単体で何か記事にするところまでは至らなかったという状態。 ずっと魔法を探している、そんな気分でした。 スピン 7 日常に「読書」の「栞」を という文芸雑誌、スピンの7号を購入しました。 この前の6号に掲載された小原晩の短編「けだるいわあ」を目的に購入したのがきっかけで、せっかくなので定期購読して

    • 2024年2月の音楽と雑感

      主に今月聴いた音楽、時々ラジオ、稀に落語そして雑感。 2月はあっという間、仕事が忙しかったりしたこともあってか、振り返ってみるとあまり新しい音楽との出会いもなかった。 Helsinki Lambda Club ふと目に止まったYOUTUBE Helsinki Lambda Clubのライブ映像だった。そういえば新しいアルバムを聴いていなかったことを思い出す。 この動画を観たあと、アルバム「ヘルシンキラムダクラブへようこそ」も聴いたのだ。 なんとも表現しにくいのだけど、

      • 2024年1月の音楽と雑感

        主に今月聴いた音楽、時々ラジオ、稀に落語そして雑感。 以前はブログに記載していたけれど、今後はこちらでまとめていこうと思う。 下書きをしたのが1月、すっかり忘れて3月になってしまったのだけど、ひとまず1月分をまとめた。 Love for Sale / Talking Heads YOUTUBEでふと目にしたTalking Headsの話。 初期の音がとても好きで、若い頃にサイコキラーはカバーしたりした。 しかしながらアルバムを経ていくごとに好みからは外れてしまって感覚

        • 読書リハビリ:お口に合いませんでした

          珍しく連載物も読み始めてしまった。 定期購読している文學界の連載は正直なところあまりちゃんと読んでいない。 月に一度だと、前回どうなっていたっけと記憶が朧げになってしまうことがあり、以前に文學界に掲載されていた西村賢太の連載はなんとか乗り切れたものの、他は途中で挫折してしまったのだ。 「どうなっていたっけ」で前回を読み返すには気力が持たないのだ。 そんな中、このオルタナ旧市街の連載は読み続けられている。 なぜだろうと、思い返すと単純に面白いからなのだろうけど、特に今回の第6

        読書リハビリ:魔法をさがして

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        • 読書リハビリ
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        記事

          読書リハビリ:揚げ物ブラザーズ

          文學界がリニューアルして、表紙やら、構成が少し変わった。 以前は「Author's Eye」と銘打っていた1ページのエッセイも「窓辺より」に変わっていた。 この1ページのエッセイ、非常にコンパクトにまとめる必要がある上、何かを読者に残すという難題をクリアしなければならず、書き手の技量が大いに問われると思う。 それでも、いや1ページだからこそ、何度も読んでしまうものに出会うことも多く毎回楽しみなのだ。 先日、高校時代の友人と会うことになった。 なんとなくいく前は気持ちが乗らな

          読書リハビリ:揚げ物ブラザーズ

          雑記:たのしいりもーとわーく

          リモートワークあるある上司と日本人の平均年収なんかの話をした。 「年齢とか正規・非正規とか業種とかいろいろあるからあんまり参考にならないよね。」なんて言う上司、そう言いつつも平均を超えていなかったらそんなことは言えないよねとも思う。 コロナ以降、ずっとリモートワークで自宅にいる。 なんだぼくの仕事は自宅でも完遂できるではないかと当初は感動もあったが、慣れてくるとそんなことも感じなくなる。 突然入れられるミーティングには苛立つし、そんなときはプライベートな時間を侵されたような感

          雑記:たのしいりもーとわーく

          読書リハビリ:ここで唐揚げ弁当を食べないでください

          以前、文學界で読んだエッセイが良かったので、小原晩のエッセイ集を購入してみた。 ネットで確認すると、2冊の作品集が出ているようだったが、 まずは先に出ていた「ここで唐揚げ弁当を食べないでください」を購入してみた。 これはとても良いタイトルだ。 ここで唐揚げ弁当を食べないでください:小原晩表題にもなっているこれで幕をあけるエッセイ集。 筆者の体験に基づくエッセイが中心ではあるが、そこここに良い表現があり、短いものが多いもののとても楽しめた。 東京での生活を綴ったものが特に

          読書リハビリ:ここで唐揚げ弁当を食べないでください

          雑記:墓から墓へ

          高齢な母から墓を引き継ぐことになった。 これは主に事務的な意味での引継ぎとその所感。 1 母が墓の使用者になったのは父が他界した際に、祖母に押し付けられたかららしい。 祖母からすると、最も早く亡くなった自身の子供の家庭にという意味もあっただろうし、父は次男だったが、長男は既に地方へ出てしまっており、「長男」とカウントされていなかったためでもあったのだろう。 そして必然的に墓はぼくの元へやってくる。 この墓に入るべき人はもうそう多くはない。 希望する人は入ればいいのだろう

          雑記:墓から墓へ

          読書リハビリ:一般

          昨年、東京で行われた文学フリマへ初めて行った。 前日に急遽行こうと思い立って、ざっと出展を確認して購入したいものをリスト化した。 当日は朝早くから参加したこともあってか、リストに入れたいくつかはまだ出展していなかった。 あと、男性2名が腕を組んで並びで座っていたところは、気後れして購入できなかった。 男たちの目線は一定で、前を強く意識しており、ただ正面を向いていた。何か話す風でもなく、ただ並んで座っていた。 そしてテーブルには1種類のZineがうず高く積まれているのみだった

          読書リハビリ:一般

          読書リハビリ:急につめたくなるもの

          文學界2023年12月号に掲載されていたエッセー。 これはグッときた。 急につめたくなるもの:小原晩文學界のAuthor's Eyeという1ページのエッセイ。 短いながらも、いや短いからこそ、グッとくるものがあるので見逃せない。 そしてこういう短いエッセイこそ、どこに収録されることもなく彷徨っているのではないかと思う。 さて、この「急につめたくなるもの」は、著者の父親の死にまつわる話だ。 これは好物だ。 前田隆弘の「死なれちゃった後で」を読んで以来、「これ好きなやつだ」

          読書リハビリ:急につめたくなるもの

          読書リハビリ:激ヤバ

          随分と空いてしまった。 読書をしていなかったわけではなく、心に引っ掛かるものがなかったのかもしれない。 少しだけ読書から遠ざかったときにはこれを読んでもう一度立ち位置を確認している。 そして年末。 妻の実家に幽閉されるタイミングで、大量にエッセイやら短編を読んだ。 その中でも一番引っかかったのが「激ヤバ」だった。 もう少し何かなかったのかとも思うが、そうだったのだからしょうがない。 激ヤバ:伊藤幸司ランジャタイのおとなしい方、伊藤幸司のエッセイ集。 年末の軽い読み物という

          読書リハビリ:激ヤバ

          読書リハビリ:めしとまち 30 平民金子

          よきエッセーは、想像を掻き立てる。 めしとまちを読むと、よく自分のケースを考えて思索に耽ることがある。 読んで楽しめて、考えて楽しめて、そしてもう一度読む、そんなエッセーに出会った時が嬉しい。 文學界の連載、めしとまち、10月号のものは読み終えたつもりになっていたが、読んでいなくて、後から気づいてこうして興奮している。 めしとまち「肉するめ」そう、これはまさに。であった。 簡単にいえばUFOの存在とか、ネッシーとか、サンタクロースとかでもいい。 それを信じている間は存在し

          読書リハビリ:めしとまち 30 平民金子

          読書リハビリ:文集バイト

          文學界9月号の特集、エッセイが読みたいで、高瀬隼子が紹介していた文学フリマで購入したエッセイ集が気になったので購入してみた。 紹介されていたバイトの話はこんなところ。 これ、思い当たるところがあって、その原因というか現象について、もう少し考えてみたいと思ったのが購入の決め手でした。 掲載されていた10のエッセイはどれも印象深かったのだけど、 特に響いたのは3つありました。 人間の着ぐるみを着るバイトだよ:とりあえずビール まずはこれ。購入の端緒となったエッセイだ。

          読書リハビリ:文集バイト

          多摩川にはゆとりがあった話

          多摩川競艇場に行ってみた。 ぼくの住んでいる府中市には東京競馬場の他に多摩川競艇場がある。 競艇場の方が家からは近いし、高速道路を降りるとすぐのところにあって、 なんだか生活に食い込んできそうな距離にあると感じていた。 府中はラグビーシティ、なんて言っているけど、その前にギャンブルシティだよね。 ちなみに調布の競輪場も割と近いので、このトライアングルに支えられて生きていける人が少なからず近所にいるのかもしれない。 この日は時間を潰すという目的があり、競艇場に入ったこともなか

          多摩川にはゆとりがあった話

          読書リハビリ:死なれちゃった後で

          文學界9月号の特集「エッセイが読みたい」で能町みね子が紹介していた、前田隆弘「死なれちゃった後で」を購入した。 ライター・編集者の前田隆弘が、自身が遭遇した死にまつわるエッセイをまとめたもので、とにかく読みやすい文章で、内容がスッと入ってくる非常に良い読み物だった。 何となく、その無骨なエピソードから、落語家の林家彦いち、または三遊亭白鳥、またはその両方を思い浮かべて読んでいた。 死なれちゃった後で:前田隆弘 これはいくつかの象徴的な死と、たまたま遭遇した死の話が綴ら

          読書リハビリ:死なれちゃった後で

          読書リハビリ:エッセイが読みたい 追補編

          文學界9月号の特集、エッセイが読みたいの追加分。 その後、エッセイについての論考と、文学フリマでエッセイを買うを読んだら面白かったので追加分を書いてみました。 エッセイについての論考定義を拒み、内部に聞け:宮崎智之 エッセイの成り立ち、歴史、海外での扱いなどについて。 こちらでも、能町みね子が取り上げていた酒井順子の「日本エッセイ小史」にあたったりしており、これもいずれ読んでみたいと思った。 それによると、映画監督の伊丹十三が書いた「ヨーロッパ退屈日記」が随筆をエッセイに

          読書リハビリ:エッセイが読みたい 追補編