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読書2021

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2021年に読んだ読書感想文。
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記事一覧

投資家みたいに生きろ/藤野 英人

ひふみ投信の藤野氏による投資思考の指南書。
投資に対する偏見を払拭するための入門書として最適。
専門的な言葉は使わず、端的で判りやすく、腑に落ちる言葉が多い。
習慣の改善、思考の柔軟性、アウトプットこそが日常の投資。
運や謙虚さを大切にしているなど、気づきも多かった。

◎MEMO
リスクがゼロになるのを待つのではなく、リスクを下げる努力をしつつ、よきタイミングで挑戦をする。
根本的に投資家は「淡

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メモの魔力/前田 裕二

メモの重要性、取り組み方を具体的に示し、さらに人生目標にまで発展。
著者の人生に向き合う熱量を、学者とは違ったリアルな言葉で語られている。
クイズのように解いていく楽しさもあり、ベストセラーになる理由も納得。
人生を小籠包にたとえる連想ゲームが大喜利のようで面白い。
新しい年に向け、お気に入りのメモ帳を買いに行こう。

◎MEMO
メモによって得られる5つのスキル
1. 知的生産性が増す
2. 情

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論語/金谷 治 訳注

高校時代、古文・漢文が大嫌いだった。
授業は退屈すぎて寝てるか、無視して小説を読んだ。
そんな私が歳を重ね論語を手にしたが、正直ほとんど意味はわからない。
しかし真理だからこそ、古代から消えずに伝わっていることは理解できる。
耳にしたことのある古人の哲学と言葉のリズムが心地よい。

◎MEMO
学びて思わざれば則ち罔(くら)し。 思うて学ばざれば則ち殆(あやう)し。
利に放(よ)りて行えば、怨み多

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ユダヤの商法/藤田 田

1972年刊行とは思えない現代に通じる教え、読み物としても面白い。
儒教的な経営学は目にしたことあるが、こちらはユダヤの教え。
きれい事ではなく金儲けに徹する考えが、今の日本に必要な気がする。
世界中に散らばるユダヤ人の影響力や法則、為替の話など興味深い。
レイ・クロックのマクドナルドに目を付け、日本で展開したのは必然か。

◎MEMO
金持ちから儲けさせてもらう
きれいな金、きたない金はない

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スタンフォードの自分を変える教室/ケリー・マクゴニガル

率直な印象は、10年ほど前から流行っているアメリカ発の啓発本。
実験の実例を交え、自己変革へのポイントを探っていく。
若干の読みづらさと、少し面白みに欠けているようにも感じたが。
知らないことも多く、スマートな現代人が目指す思考を垣間みた気がした。
瞑想、運動については、他の書籍でもよく目にするので必須なのだろう。

◎MEMO
呼吸を遅らせれば自制心を発揮できる。
運動をすれば脳が大きくなる。

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学びを結果に変えるアウトプット大全/樺沢紫苑

無駄なく端的に要約されていて、あっという間に読み終えた。
インプットよりアウトプットが重要だと認識するだけでも学びがある。
1. アウトプットする(読書・映画・投資・仕事など)
2. 人の悪口、ネガティブな言葉を吐かない
3. ポジティブな言葉を増やし、目標を実現する
4. 怒りをコントロールする
5. 失敗を恐れず、トライ&エラーで自己成長を目指す
この辺りを心に留め、実践し継続していきたい。

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敗者のゲーム/チャールズ・エリス

インデックス投資家にとって、バイブルのような書。
マーケットに大きく勝つのではなく、負けないこと、市場平均の重要性を知る。
アクティブ運用の問題点とオススメできない理由の解説が腑に落ちる。
長期運用に専念するための基本方針について、具体的なアドバイスが明快。
さらに学びとしては、生涯、投資を続けることを目標にすることができた。

◎MEMO
プロは得点を勝ち取るのに対して、アマはミスによって得点を

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世界のエリート投資家は何を考えているのか/アンソニー・ロビンズ

金融業界の巨人たちの言葉と、筆者の自己啓発的語りがミックスされ理解しやすい。
特に5種類の「経済的な夢」は、実際に計画し実現したいと思う。
米国と日本では、システムやサラリーなど異なる部分も多いが、概ね納得できる。
ただ債権を含むPFについては、この低金利時代にマッチするかは疑問が残った。
その点は巻末の山崎元さんの解説がわかりやすく、今は米国株中心にならざる得ないのでは。と個人的に感じている。

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アルジャーノンに花束を/ダニエル・キイス

読み進めるほどに没頭。訳もよく、画が浮かぶ。
最後に至るまで、いい意味で裏切りがなくて余韻が残る。
登場人物にも理不尽さがなく、愛情と誤解と矛盾が交差する。
IQや知識と引き換えに失ったものは、生き方を考えさせられる。
50年も前に書かれた作品とは思えない、時代を超える名作。

◎MEMO
金や物を与える人間は大勢いるが、時間と愛情を与える人間は少ない。
人間的な愛情の裏打ちのない知能や教育なんて

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日本人はなぜ英語ができないか/鈴木孝夫

歴史・文化的な背景を交え、日本における英語教育を語る。
教育者向けというか、私には少々理屈くさく、読みづらさを感じた。
自己表現や日本式を大切にするなど、気づきもあったが。
書かれた時代より現代は、アプリや遠隔での教育も発展している。
今後どのように英語教育や重要度が変わっていくのか、注目していきたい。

◎MEMO
語学が少しできると、なにかそれだけ他人より偉いと思うような錯覚がある。くだらない

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ZERO to ONE/ピーター・ティール

世界の起業家、現代の投資家の思考が垣間見える名著。
テクノロジーや金融を素人に理解できるように説明していて読みやすい。
知性や専門的知識だけでなく、起業家として成功してきた理由が想像できる。
もし今後、将来性を見込んだ投資先が現れたら、この本に書かれていることが指標になるだろう。
本書の発売当初に読んで、テスラに投資していたら。と思ったが、きっとホールドできなかったに違いない。

◎MEMO
浅は

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知ることより考えること/池田晶子

著者は46歳という若さで亡くなっている。
死に関する考えが散見されるが、自信の病と対峙しながら書かれたのだろうか。
生前の姿が気になりYouTube動画を観てみたが、美しくチャーミングな方だった。
欲まみれの私としては、全ての考えに賛同はできないが、反論もない。
もっと考えよう。まずは、本を読もう。シンプルに思った。

◎MEMO
なぜ人は、自分の人生について考えようとしないのか、逆に私には不思議

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筋トレが最強のソリューションである/Testosterone

眺め読みしているだけで、筋トレをしたくなる不思議な本。
小難しいことは抜きにして、ユーモアのある短いセンテンスがいい。
押し付けがましくないポジティブ感があり、人生訓にもつながる。
確かに筋トレをしている人には、優秀な人が多いイメージがある。
タイトルに偽りなし。筋トレは最強なのだろう。

◎MEMO
死にてぇ、と思ったら3カ月間だけ筋トレしてみる。
酒と筋トレを入れ替えよう。
人生も筋トレも辛い

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一切なりゆき/樹木希林

独特な視点と経験の中から出てくる言葉は、明快で腑に落ちる。
不動産を持っていたので、芝居にゆとりが生まれたという考え方は興味深い。
才能だけでなく、摂生だけなく、なりゆきで面白がるという生き方。
理想的だけど、その境地へ辿り着くのは難しい。しかし、そうありたいと見習うべき。
夫の裕也さん、娘の也哉子さんの存在、関係性も大きかったのだろう。

◎MEMO
求めすぎない。欲なんてきりなくある。
しっか

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