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約60社落ちた私による「就活体験記」⑤ /ポートフォリオ

前回の話はこちら▼

⑤ポートフォリオについて

今回は、「ポートフォリオ」について説明していこうと思う。



ポートフォリオとは、いわゆる「作品集」のようなもので、自分の過去の活動や制作物、スキル等をアピールするための冊子である。
私は美術系の大学で、デザイン職や制作職等も受けていたため、そういった職種ではポートフォリオの提出が必要になる場合があった。


私は、大学在学中はAdobeのツールを無料で使うことができたため、基本的にAdobeのIllustratorというツールを使用し、ポートフォリオを制作していった。
ページものだと、AdobeのInDesignがおすすめという話を耳にすることもあったが、自分が普段使い慣れているツールの方が楽だと感じ、私はIllustratorで制作してしまった。


ポートフォリオのサイズとしては、見開きで、A3サイズの横長になるように制作した。
提出する企業によって、ネット上でPDFとしてアップロードする場合と、印刷して郵送する場合の2パターンがあったので、ほぼ同じ内容のまま、アップロード用と印刷用の2パターン作っていった。

アップロード用は、パソコンの横長の画面でそのまま見れるように、A3見開きの状態。
印刷用は、それを中央で分割し、A4の縦長2枚に分けていった。



ポートフォリオの全体的な構成としては、
最初の見開きで自己紹介目次のページを作り、
その次のページから、テーマごとに章タイトルをつけ、これまでに行ってきた活動や制作物などを載せ、
最後に一言添えて終わらせる、といった形だ。

また、作品を載せる順番としては、最もアピールしたい作品を1番最初のページに載せ、そこからアピールしたい順に載せていく。(最後の方は補足程度の個人制作の作品など)といった形だ。



私は大学時代、
・100名が参加する展示会の企画・運営
(展示会には作家としても参加)
・学園祭執行部でのオブジェの制作
・新店舗のバーの壁画の制作
などの活動を行ってきたため、それらをアピールするために、主に写真と文章でまとめていった。

また、
・授業のグループワークで制作した作品
授業課題で制作した冊子のデザイン
サークルの新歓のビラ
・友人と行ったグループ展に出した作品
・趣味で描いているイラスト
・受験期に予備校で描いたデッサン色彩構成
なども載せていった。



ポートフォリオを1から作るのは、ものすごく大変だったし、ただ作品を載せるだけではなく、自分の作品の「見せ方」などを考えていかないといけないという点でかなり苦戦はしたが、その分、企業への“アピールポイント”が増えると考えると、お得な感じもした。

ESや面接だけだと、文字数が決められている「文章」と、実際の自分の「言葉」のみでアピールをしなければならないので、自分の良さをなかなか相手に伝えることができない。
しかし、ポートフォリオでは、文字数やページ数、形態等も決まっていない場合が多いので、自分の好きなように、最大限に、自分をアピールすることができる。

私にとっては、この「ポートフォリオ」の存在が、ものすごくありがたく感じた。



また、会社によっては、ポートフォリオの提出はないが、A4サイズの用紙が一枚配布され、「自分のことをPRしてください(写真やイラストなど何を使ってもOK)」といった課題が出された会社もあった。
そういう課題は基本的に、楽しみながら作っていった。




ポートフォリオで、作品ページに載せる項目としては、
・その活動や作品の概要詳細
(・課題の内容)※授業課題の場合
(・作品タイトル)※あれば
・作品の意図コンセプト
制作期間
使用した素材ツールなど
作品のサイズ
(・モチーフにしたもの)※あれば
(・制作過程)※過程が複雑な場合
(・結果実績)※あれば
大体こんな感じだ。



ESで書いていたような、
・なぜそれをやろうと思ったかの“きっかけ”
・どこでつまずいてそれをどう乗り越えたかの“挫折ポイント”
・その経験によって学んだことの“学び”
・そこで活かせた“自分の長所”
このあたりは、必ずしもポートフォリオに載せる必要はないが、面接で深掘りされた際に答えられるようにしておくことが大切だと思う。
(面接では、事前に出したESやポートフォリオの事実確認深掘りをされるイメージ。)



ポートフォリオのデザインにおいて、私が個人的にこだわっていたポイントとしては、

・背景に、透過させた作品の画像を置く。
 その上から、一回り小さな白い四角形を重ね、その四角形の中に文章を書く。
スポイトツール作品の一部の色をとり、そのページの文字はすべて、その色を使用して書く。

こんな感じだ。




実際に制作したポートフォリオ(一部抜粋)▼



就活イベントの「ポートフォリオ講座」というものでは、過去の例を元に、ポートフォリオ作りのコツについて解説を受けることができた。
また、私は個人的に、ポートフォリオを大学のキャリアカウンセラーさんに見せ、アドバイスをもらったりもしていった。



その中でわかったこととしては、

・授業で作ったものでも課外活動でもどちらでも良いが、グループ制作のものを1つは入れると良い。
(チームワークやコミュニケーションが大切になってくる会社なら尚更)

・グループ制作の場合は、自分がどの部分を担当したのかを書くと良い。

・受けている会社によって、作品の並べる順番を変えると良い。
1番アピールしたいものは1番最初のページに持ってくるので、
グラフィックデザイン系の会社にはグラフィックデザイン系の作品、出版系の会社には冊子のデザイン、企画系の会社には企画系の活動、など、その会社の毛色に合わせて並べる順番を変えると良いらしい。
(私自身は、企業によって順番はほとんど変えないまま使い回してしまった。)

・作品の完成写真だけではなく、制作過程の写真も載せると良い。
(私は、たまたま制作過程を撮っていた作品があったので、それは過程も載せていった。)
私は自分の作品写真を頻繁に撮る方だったが、人によってはほとんど撮らない人もいると思う。
ポートフォリオ作りを通して、普段から作品写真を撮っておくことの大切さを痛感した。

・1ページに、1枚の写真を見開きで大きく見せる方が良い。
(私は色々とアピールしたいものが多く、1つのページに沢山の写真を載せすぎてしまい、ぱっと見で伝わりづらいポートフォリオになってしまった。)



こんな感じだ。




また、途中で悩んだことについても書いていきたい。

私は大学時代、課外活動や展示会の企画などに力を入れており、大学の授業課題の方は少し疎かになってしまっていた。

周りには、授業課題の作品をメインにポートフォリオを作っている人も多かったが、
私自身、ポートフォリオに乗せられるようなまともな作品がほとんどなく、「デザイン面」でのアピールがほとんどできなかった。

作品の色遣いも、普段自分の好きな色ばっかり使って制作してきたので偏っており、作品を通して「色々なデザインに対応できます!」と言うこともできなかった。

また、これは面接の際に聞かれたことだが、
「あなたのデザインの強みは?」「みんなからどんなデザインだと言われる?」みたいな質問をされることがあり、このあたりの質問にほとんど答えることができなかった。

それから、私はこれまで、本当に色々なことに興味を持ち、色々と挑戦してはきたが、「これなら誰にも負けない!」も胸を張って言えるような、自分ならではの強みや特化している分野があまりなかった。

これらのことに、就職活動やポートフォリオ作りを通して初めて気がつき、その度に病んでいた。

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