KALATH

今日も活字とトラックにノる。 元へなちょこ記者。行き先不明。

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  • 『燃え上がる輪』

  • Reccomendation.

    活字と煙は、高く昇るとか。

  • 連載『欲の涙』

    欲望の渦巻くネオン街。欲は何を、誰に語るのか。欲のささやきと声に溺れる人たち。その中間に位置する人たちーーどこへと向かうのか。

  • 『走れ田口三部作』

    *高校時代。淡い青春の思い出を書き綴っています。  他のフィクションと異なり、こちらは私体験に基づく話です。  その経験を脚色し、想像を加えよりリアリティを持たせる、  実験作です。  私小説寄りです。淡さや青さを盛り込みました。

  • エッセイ、その他

記事一覧

『紅葉の巡礼』

"REGULATORS" Regulators, We regulate any stealings of his property We're damn good too. But you can't beat any geek off the street, Gotta be handy with the stee…

KALATH
9日前
5

『紫煙の記憶』

 これはあくまで僕が「ハメられた」話だ。  軸足がここに置かれていることだけ念頭に置いてほしい。一杯食わされた過去に「さようなら」を告げたくて、書いている次第だ…

KALATH
2週間前
6

『どうしたものか』

【レペゼン非モテ】  日本非モテ協会理事長を務めるくらい、ぼくは非モテなメンズの鑑的な存在だ。「俺の背中を見て非モテになろうぜ!」との気概があるから、座に就くの…

KALATH
3週間前
9

『水槽の恋』

 最初に断っておく。  これは、男女両方から「女心がわからない」男に認定された、ぼくの恋愛(失敗)テクニックだ。つまり、読めば読むほど、非モテくんになる可能性が…

KALATH
3週間前
8

『インドと夢と命』

【あの日】  アイツが死んでからもう少しで8年目を迎える。命日が近づくと否応なしに、苦い過去を思い返してしまうもの。  アイツがインドで「死んだ」--この報を受…

KALATH
3週間前
17

主流SNSでつぶやくと面倒になりそうなので、こちらで。
平本のドーピングの暴露がまぜ試合前じゃなかったのかが気になる。憶測だけど、リークする側はタイミングを選ぶ。
選手生命を終わらせるには、試合後より前のほうが壊滅的な打撃力があるのに。

KALATH
1か月前
3

『破れたカルテ』

【カルテとの遭遇】  記憶の隅に一枚の古びたカルテの残像が眠っている。  床に放置されたままだったのだろうか、そのカルテはしわだらけの状態で、破れてもいた。風 …

KALATH
1か月前
10

『川と怪奇ダム』

【本題に入る前に】  さきに断りたい--。  僕は自分に霊感があると思っていないこと、それと、神秘的な現象などには懐疑的ということ。その上で、「霊的な力」を感じ…

KALATH
1か月前
11

『「飛鳥クリニックは今日も雨」が描く悪』

 桜の代紋は歌舞伎町を浄化できるのだろうか--。『飛鳥クリニックは今日も雨』(上)(中)(下)(以下、飛鳥トリロジー)の3冊を読み終え、自問した。悪の自浄作用と…

KALATH
1か月前
4

『生き延びる叫びよ』

【悪いのは】  ロバータ・フラックの"Killing Me Softly"が頭のなかでこだまする。曲のトーンに陰うつさは感じられない。ただ、自分の行いを省みると、この曲が頭でルー…

KALATH
2か月前
7

『生き延びる叫びよ』(下)⑤

【吹けよ風】 春風の吹く方へ--。春風に吹かれ、僕は車を運転していた。ひたすら、脇目もふらず。風に任せ走っていった。  質屋で店主を殺してから、急いで車に乗った…

KALATH
2か月前
9

『生き延びる叫びよ』(下)④

【渇き】  最悪な危機を脱した気になっていた。現金強奪犯たちに追われているのかもしれない。だが、それでも都内で生き残り車を借りて、逃げおおせている。これだけで十…

KALATH
2か月前
5

『奇妙頂礼地方都市秘話』(2)

【おサボり】  そういえば、だ。  俺の地元について、端折りすぎた気がする。ここで補足するかな。  そういえば、だ。  俺自身のことも書いていないや。興味抱く人が…

KALATH
2か月前
7

『奇妙頂礼地方都市秘話』(1)

【冷や汗】  「世にも奇妙な話」みたいに出来すぎた、気味の悪い話--。その手の話を耳にすることは、人生で一度か二度くらいあると思う。人によってはそれ以上だと思う…

KALATH
3か月前
8

『悪気はないけれど』

【風】  気分転換にエッセイ的なものを書きたい--。そんな衝動に駆られて、タイプしているところ。  ひとつのシリーズモノを書いていると、行き詰まるときがあって、…

KALATH
3か月前
8

『生き延びる叫びよ』(下)③

【逃げよ】  一刻もはやくここから、東京から、関東から、逃れたい--。その一心だった、僕を突き動かしていたのは。レンタルしたのはフォルクスワーゲンの小型車で軽と…

KALATH
3か月前
7
『紅葉の巡礼』

『紅葉の巡礼』

"REGULATORS"
Regulators,
We regulate any stealings of his property
We're damn good too.
But you can't beat any geek off the street,
Gotta be handy with the steel
If you know what I mean.
Earn your kee

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『紫煙の記憶』

『紫煙の記憶』

 これはあくまで僕が「ハメられた」話だ。

 軸足がここに置かれていることだけ念頭に置いてほしい。一杯食わされた過去に「さようなら」を告げたくて、書いている次第だ。

【あれは】

 僕の地元には、少し洒落たオンボロな喫茶店兼バー(のような店)がある。穴場スポット的な所。主に置いてあるのは、レコード。

 現代社会の見捨てたアナログな世界が一極に集中している。そんな寂れたレトロな店。

 どのよう

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『どうしたものか』

『どうしたものか』

【レペゼン非モテ】

 日本非モテ協会理事長を務めるくらい、ぼくは非モテなメンズの鑑的な存在だ。「俺の背中を見て非モテになろうぜ!」との気概があるから、座に就くのは当たり前だ(協会なんて今勝手につくったものだから、実在するわけがないと添える)。

 ところが。

 モテはしたのかもしれない。過去の栄光のようで小恥ずかしいが、なにせぼくは非モテ。

 たまには、過去の自慢をさせてほしい。

 【突然

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『水槽の恋』

『水槽の恋』

 最初に断っておく。

 これは、男女両方から「女心がわからない」男に認定された、ぼくの恋愛(失敗)テクニックだ。つまり、読めば読むほど、非モテくんになる可能性が高い

 モテたいのなら「モテモテテクニック伝授⤴︎」といった類の情報商材を買うことを勧める。中身はスカスカだとしても、「目指せモテ男☆」と道筋が明るければ、モチベーションは上がるだろう。

 裏を返せば、こちらはモチベーションサゲサゲの

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『インドと夢と命』

『インドと夢と命』

【あの日】

 アイツが死んでからもう少しで8年目を迎える。命日が近づくと否応なしに、苦い過去を思い返してしまうもの。

 アイツがインドで「死んだ」--この報を受けた時、当時のぼくは固まってしまった。知人や友人、親族を失った方ならお分かりになるだろう--。衝撃に抗(あらが)うかたちで、現実を非現実化してしまう、あの一瞬の反応は。

 あくまで一瞬にしかすぎないのだが。

 あまりにも信じられない

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主流SNSでつぶやくと面倒になりそうなので、こちらで。
平本のドーピングの暴露がまぜ試合前じゃなかったのかが気になる。憶測だけど、リークする側はタイミングを選ぶ。
選手生命を終わらせるには、試合後より前のほうが壊滅的な打撃力があるのに。

『破れたカルテ』

『破れたカルテ』

【カルテとの遭遇】

 記憶の隅に一枚の古びたカルテの残像が眠っている。

 床に放置されたままだったのだろうか、そのカルテはしわだらけの状態で、破れてもいた。風 記憶の隅に一枚の古びたカルテの残像が眠っている。

 床に放置されたままだったのだろうか、そのカルテはしわだらけの状態で、破れてもいた。風化したカルテには手書きで病名や既往歴、住所、連絡先が記されていた記憶がある。
         *

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『川と怪奇ダム』

『川と怪奇ダム』

【本題に入る前に】

 さきに断りたい--。

 僕は自分に霊感があると思っていないこと、それと、神秘的な現象などには懐疑的ということ。その上で、「霊的な力」を感じた、体験を綴りたい。

               ***

 中学1年生の梅雨ごろだっただろうか、林間学校で宿泊施設にバスで向かって泊まったのは。行く途中のバス内は活気に溢れ、同級生が色んな話題で盛り上がっている。自分もその輪の中に

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『「飛鳥クリニックは今日も雨」が描く悪』

『「飛鳥クリニックは今日も雨」が描く悪』

 桜の代紋は歌舞伎町を浄化できるのだろうか--。『飛鳥クリニックは今日も雨』(上)(中)(下)(以下、飛鳥トリロジー)の3冊を読み終え、自問した。悪の自浄作用というとややオーバーかもしれないが、悪を倒せるのは悪なのかもしれないというのが感想だ。

 読んだ書籍に対しての解釈は十人十色。それを前提に、僕の書く内容はそのうちの一つに過ぎないと、肩の荷を軽くして読んでもらえると望外である。

 奥深くに

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『生き延びる叫びよ』

『生き延びる叫びよ』


【悪いのは】

 ロバータ・フラックの"Killing Me Softly"が頭のなかでこだまする。曲のトーンに陰うつさは感じられない。ただ、自分の行いを省みると、この曲が頭でループするたびに、叫び出したくなるほどの苦しみを覚える。

 「逃げて」--。かのじょの最後のひと言だった。どこに逃げるべきなのか分からないまま、僕は右に行き、左に行き、前に進む。後ろに戻れない。涙は流れない、不思議と。

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『生き延びる叫びよ』(下)⑤

『生き延びる叫びよ』(下)⑤

【吹けよ風】

春風の吹く方へ--。春風に吹かれ、僕は車を運転していた。ひたすら、脇目もふらず。風に任せ走っていった。

 質屋で店主を殺してから、急いで車に乗った。大量とは言えずとも服に--自分のだか、返り血なのだかわからないが--、血が付いていたものだから、那須高原のパーキングエリアで、みえ子に新品の洋服を買うように伝えた。

 Tシャツ程度のものでいい、半袖で十分だと。

 肌寒い春の夜に、

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『生き延びる叫びよ』(下)④

『生き延びる叫びよ』(下)④

【渇き】

 最悪な危機を脱した気になっていた。現金強奪犯たちに追われているのかもしれない。だが、それでも都内で生き残り車を借りて、逃げおおせている。これだけで十分だ。もう災厄に見舞われるわけがないと、高を括ってしいた。脇が甘くなっていたのだろうか。

 車を走らせながらみえ子と話し合う。

 みえ子と僕とで、手分けをしてブランド品を川越市内の質屋に出すことになった。逃げている身である手前、昼に堂

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『奇妙頂礼地方都市秘話』(2)

『奇妙頂礼地方都市秘話』(2)

【おサボり】

 そういえば、だ。
 俺の地元について、端折りすぎた気がする。ここで補足するかな。
 そういえば、だ。
 俺自身のことも書いていないや。興味抱く人があまりいないと思っていたし。

 自分の経験した出来ごとは、なるたけ忠実に。

 ただ、「アレ?なんだったっけなあ……」って話になると、脚色してしまうかもしれない。

 怒られない範囲内での誇張の方が面白いでしょう?

 加えて、という

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『奇妙頂礼地方都市秘話』(1)

『奇妙頂礼地方都市秘話』(1)

【冷や汗】

 「世にも奇妙な話」みたいに出来すぎた、気味の悪い話--。その手の話を耳にすることは、人生で一度か二度くらいあると思う。人によってはそれ以上だと思う。

 三度以上あるヤツってどんな人なのか、想像には難しくないハズ。

 又聞きだったりするから、尾ひれもついて脚色される。それでもって自分も盛っているかもしれない。事実誤認があったりする。それもご容赦してもらえれば。

 というか俺自身

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『悪気はないけれど』

『悪気はないけれど』

【風】

 気分転換にエッセイ的なものを書きたい--。そんな衝動に駆られて、タイプしているところ。

 ひとつのシリーズモノを書いていると、行き詰まるときがあって、(多分乗り越えられる)壁に行き当たると、日常のことでも書こうって風がときおり吹く。その風に揺られている次第。

【そういえば、さ】

 本題に入ろう。

 僕はnote上には活字を書く。同時に、絵も描く。ふたつの「かく」を継続してきたし

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『生き延びる叫びよ』(下)③

『生き延びる叫びよ』(下)③

【逃げよ】

 一刻もはやくここから、東京から、関東から、逃れたい--。その一心だった、僕を突き動かしていたのは。レンタルしたのはフォルクスワーゲンの小型車で軽とも呼べるような、微妙なサイズ。

 みえ子が車を借りる時「外車はないのかしら?」と店員に詰め寄り、嫌いやな表情で、ワーゲンをその場で渡してくれた。悠長なものだ。切迫し、一刻をも争う場面で、外車がいいだなんて。

 車内で僕は黙り込んでいた

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