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Flying Solo (帰路)
バンクーバーに戻る日がやって来た。あちこち好きなように出かけ、好きな人に会って、やりたいことをやって満足してるはずなのに、強欲な私にはまだまだ足りない。
家族や地元の友達にはあまり時間を割けなかったし、親族に至ってはほとんど会っていない。2週間半という限られた時間の中では、当然不義理をするところが出てくる。
成田エクスプレスで空港に向かうことにしていたので、実家からタクシーで新宿に行きそこから
Flying Solo (六本木編)
東京でもうひとりどうしても会いたい人がいた。
もっと早く、渋谷での集まりの時にでも会いたかったのだが、海外出張中で来られなかったので、彼女の職場がある六本木でランチの時間を取ってもらった。バンクーバーに戻る前日のことだ。
久しぶりの六本木。ガラスの十代の頃よく遊びに来た街。街の様子を見ながら行きたかったので、地下鉄ではなく、渋谷からバスで向かった。
何年ぶりだろう。父が広尾の病院に入院してい
Flying Solo (新大阪編)
最終日は大阪でランチしてから東京に帰ることにしていた。会うのは女性4人。年齢も経歴もバラバラ。共通するのは、全員同じClubhouseの英語の部屋で知り合ったということだけだ。
京都での大学時代、友達と飲みに行くのはだいたい大阪だった。みんなあちこちから通っていたから、大阪が一番便利だったのだ。
だから名古屋、広島、博多と比べると圧倒的にホーム感が強い。何ならエセ関西弁もいけまっせーと腕まくり
Flying Solo (博多編)
二泊目の夜は広島港の方に宿を取った。そろそろ海が恋しくなってきたのだ。海の見える窓際に座って静かに心を落ち着ける。今日一日見たこと、聞いたこと、話したことに情緒が追いつかない。頭の中が忙しい。
大浴場があるホテルで、QRコードを読み込むと、混雑状況が分かる。便利な世の中だ。空いている時を狙って行ったら、しばらく露天風呂を独り占めできた。
翌日はまた新幹線に乗り込み、次は博多へ向かう。博多で待っ
Flying Solo (広島編)
広島に着いたのは夜8時過ぎで、駅からは路面電車でホテルへ向かった。
チェックイン時にもらったコインが使えると言う最上階にあるラウンジに行ってみる。飲めない私は、瀬戸内の柑橘類を使ったスカッシュを頼んだらこれが超絶美味しい。
テラスに出て、夜風にあたって、夜景を眺めて、初めてひとり旅の実感が湧いてきた。風がまだ冷たいねと言う相手がいないちょっとの寂しさと、たくさんの自由。
翌日はお昼にClub
Flying Solo (前橋編)
母の実家はお寺で、群馬県前橋市にある。
子供の頃は忙しいお彼岸やお盆などの時には必ず行って、お線香や供花を売る手伝いをしていたし、大人になってからも、毎年年末年始には除夜の鐘をつきに集まる人たちの対応をしていた。
私たちの結婚式もここで叔父と従弟に挙げてもらった。色んなことが普通にできない家族なので、てんやわんやの大騒ぎだったけれど、境内の桜が風に舞って、まるで亡くなった祖父母も叔父も、紙吹雪
Flying Solo (柏編)
柏に行くのは初めてだった。
携帯でちょっと調べれば、簡単に行き方も所要時間も料金さえ一瞬でわかる。便利な世の中である。
新宿で山手線に乗る。混んではいるけど整然としている。この素晴らしさは、日本を出て初めてわかることだ。
日暮里のホームで常磐線を待っていると、隣にいたおじさんがいきなりものすごい勢いで屈伸を始めた。
面食らって思わず妹にLINEする。
「日暮里あたりにはいろんな人がいるの
Flying Solo (横浜編)
前回書いた通り、Clubhouseで知り合った人たちに会うというのが今回の旅の目的のひとつだったのだが、「会いに行く」というところにも実は重点を置いていた。
なぜかと聞かれてもよくわからないのだけれど、能動的に会いに行くということが私にとっては重要だったのだ。
こちらが会いたいと言ってるのだから、こちらから訪ねるのが筋だと思ってる、という気もするけど、そんなしおらしい理由でもない気もする。
Flying Solo (渋谷 後編)
(前編の続き)
その後も帰国している間、何度か渋谷に行くことがあったが、何度行っても新しい渋谷に慣れることはなかった。
それにしても渋谷という街には大きな本屋がない。いや、あるんだろうけど、以前あったところはことごとくなくなっている。
あてもなく本屋を覗いて、今はどんな本が売れてるんだろうとぶらぶら見て回るのが、私はこの上なく好きなのだが、これはオットと一緒の時にはできない。
もちろん文句
Flying Solo (渋谷 前編)
ClubhouseというSNSで知り合った人たちに会う、というのが今回の旅の目的のひとつだった。
地元の友達に何それ?出会い系?と聞かれ、まあ近からずも遠からずかと笑ったが、いざ説明するとなると難しい。
世界中の人たちが話し合える場。音声でのSNS。テーマがあったりなかったり、話し合う内容はそれぞれだし、ただ聞いているだけでもいい。
大概いつも行く場所 = 部屋は決まってくる。テーマに興味が
Flying Solo (帰郷)
仕事を辞め二週間半ほど日本に帰った。オットがどうしても仕事を休めず、今回は私ひとりでの帰国。久しぶりのひとり旅だ。
誰かと思い出を共有する旅も、もちろんいい。
オットにとっては何度行っても何もかもが目新しく新鮮な日本。もし私があてもなくあちこちをぶらぶらしたとしても、文句も言わずに付き合ってくれるだろう。そしてその間にも、おそらく何か彼の好奇心をくすぐるものを見つけるに違いない。
そんなオッ
#19 転んでもただでは起きません
結局何で私は自分の経験について書いているのか、というお話。脳出血で倒れた後のあれやこれやを書いていて、今回がこのシリーズの最終回です。初めから読んでみようかな、という方はこちらからどうぞ。
パラリーガルのコース修了証をもらうのには、法律事務所や企業の法務部などで、弁護士の指導の下、6週間ほど実習を行わなければならない。
私は学校に通うにあたり、社内の法務部に掛け合って、会社で実習をさせてもらう