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真夜中の深呼吸。

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私のままで生きるために、深呼吸をするように綴った文章たち。
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#日記

あなたと一緒に、仕事がしたい。"働く理由" はそれしかなかった。

「みなさんに、退職のご報告があります。」

部長の口からその言葉が飛び出したとき、辞めるのは彼ではないと知っていたはずなのに、大きく心臓が波打った。

実際は、部下の退職報告を代わりにしたというだけの話だ。けれどわたしはそのとき、不意をつかれて思わず息を呑んだ。

そして、考えた。

もし、彼が今、本当に会社を辞めてしまったら。
わたしは一体、どうするのだろう?

しばらくの間、放心状態になってし

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義母の実家を訪ねたら、家族が20人増えました。

義母の実家を訪ねたら、家族が20人増えました。

お義母さんの実家がある山梨へ、彼の家族と一緒に挨拶に行った。

山梨の大家族の話は彼からもたびたび聞いていたのだけど、想像以上、というより「話を聞いて知識として知っているのと、実際に体験するのはまったく違う」ということを、強く実感した2日間だった。

3人の叔父さんや9人の従兄弟とまるで親友のような距離の近さ、親族がみんな半径1km圏内で暮らしていること、ほぼ同い年で働きながら5児の母をしている人

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私が見ている世界は、あなたが見ている世界じゃなかった

私が見ている世界は、あなたが見ている世界じゃなかった

「どうしてそんなに、相手のことを考えられるの?」

「人に対して、共感性が高いよね」

今まで周りの人からそう言われるたびに、わたしはいつも「人のことが好きだから」とか、「人に興味があるから」と、答えてきた。

自分自身、そう信じて疑わなかったから。

だけど先日、気づいてしまった。

わたしは相手のことなんて全然考えられていなかったし、興味を持っているつもりで、本当は何もわかっていなかったという

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もう「自分が好きな人生を選ばない言い訳」を、やめる。

もう「自分が好きな人生を選ばない言い訳」を、やめる。

先日、自分の好きな人生を選ぶために、すべてを捨てて、新しい人生に飛び込んだ友人に会った。

帰り道、その日芽生えた揺れ動く想いを忘れたくなくて、この気持ちを文章に残しておこう、と思った。

後から振り返ったら恥ずかしくなってしまいそうだったけれど、ここに書いたことが叶った時、「あの時、書いておいてよかった」と思えるように、言葉にしておこうと思う。ふわふわとした意識の中で、たしかに芽生えた、強い想い

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自分の価値を知りたくて、殻をやぶって飛び出した

自分の価値を知りたくて、殻をやぶって飛び出した

人に自分のことを話すのが苦手。
文章では伝えられることも、話すとなると、途端に自信がなくなってしまう。

そんなわたしが、まさか人生で「ラジオの生配信」に挑戦する日がくるなんて。

***

阿部広太郎さん主催のオンライン講座「企画でメシを食っていく」の第7回目。講師は、Radiotalkの井上佳央里さん。

課題が発表されたとき、「生配信なんて、わたしには無理だ……」と、頭を抱えた。

だけど、

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365日の日記から拾い集めた言葉で、2021年を振り返る

365日の日記から拾い集めた言葉で、2021年を振り返る

万年3日坊主だったわたしは、ついに今年、そんな自分を卒業した。

毎日の日記と、月次での振り返りを習慣にした2021年。

せっかくなので、この1年間、自分がしたためてきた素の言葉たちを見返しながら、この1年を振り返ってみることにした。

いつも使っているお気に入りの手帳や、続ける上で大事だなと感じたポイントも少しだけ紹介しようと思うので、

「2022年こそ、日記や振り返りの習慣を身に付けたい…

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それでも書き続けるのは、たぶん生きていたいから。

それでも書き続けるのは、たぶん生きていたいから。

半年前に恋人ができてから、文章を書く機会がぐんと減った。

これには色々理由があるのだけど、いちばんは「書く必要がなくなった」というのが大きい。

昔、noteを始めたばかりの頃にも書いたことがあるのだけれど、わたしにとって「文章を書くこと」とは、呼吸のようなものだ。

自分の中に生まれた感情や、小さな心の動き。日々を過ごす中で抱いた、もやもやした感情、まだ形にはならない思考のかけら。

親身に話

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きっと小さな欲望が、 "生きる" を選ぶ理由になってる

きっと小さな欲望が、 "生きる" を選ぶ理由になってる

「あなたはよく、"生きててよかった"とか、"生きてみたいと思えた"って表現を使うよね。それは、実際にそう思っているの?それとも、相手に強い印象を与える表現だから使っているの?」

先日、ある人に突然そんなことを聞かれて戸惑った。

自分が普段、そんなに「生きる」という言葉を頻繁に使っていたという事実も、「相手にとって強い印象が残る表現だから、あえてその言葉を選んでいるのかもしれない」と思われていた

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「お裾分け」は、愛しいあなたの生への祈り

「お裾分け」は、愛しいあなたの生への祈り

昔から、好きな人にやたらと食べ物をお裾分けする習性がある。

以前付き合っていた恋人には、親戚の家からさくらんぼが届く度に「お裾分け」と言って、わざわざ家まで取りに来てもらった。

好きだった会社の先輩には、わたしが愛してやまない食パンを一枚、お裾分けしたいからという理由でお昼休みに会いに行った。

いま考えてみると、たいして仲良くもない別の部署の後輩から突然「食パンをお裾分けしたいんで…」と呼び

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憧れ続けた、あの場所に。〜企画メシ2021に向けて〜

憧れ続けた、あの場所に。〜企画メシ2021に向けて〜

まさか、自分が「あの憧れの場所」に立つことができるなんて、一ヶ月前までは全く想像もしていなかった。

コピーライターの阿部広太郎さん主催の連続講座、「企画でメシを食っていく2021」。この度の選考を経て、わたしは晴れて企画生になった。

初回の課題を出し終えた今、この数週間を振り返ってみて、「ああ、飛び込んでしまったんだなあ…」と、ようやく実感が沸いてきている。

どうして今、わたしはここにいるの

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明日を生きてみたいと思えるように、自分のために書く文章

明日を生きてみたいと思えるように、自分のために書く文章

つい先日、noteを読んでくれている友人に「いつか、幸せな文章も読んでみたい」と言われた。

そのときは「幸せだったら、文章なんて書かないよ」と冗談半分で返したのだけど、心の中では「たしかになあ」と納得していた。

自分でも薄々気づいてはいたけれど、わたしには、幸せなとき「文章を書きたい」という衝動に駆られることが、あまりない。

理由は、「現在進行形で幸せを感じていたら、文章にする必要なんてない

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4月の振り返り|捨てて、出会って、自分を見つけた。

4月の振り返り|捨てて、出会って、自分を見つけた。

自分はもっと、自由に生きている人間だと思っていた。
自分のことを、わりと肯定して生きているほうだと思っていた。

だけど、どうやらわたしは自分が認識している以上に、「義務感」に捉われて、そこから生まれてくる「罪悪感」に苦しめられて、生きていたようだ。

そんな、心臓にずどんと大きな石が落ちてくるみたいな事実に、気づいてしまった4月後半。

5月に入って1週間が経った今、ようやく事態が飲み込めてきた

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きっと、どこかの誰かの世界には存在しているから。

一週間ぶりにInstagramを開いたら、フォロワーが4人減っていた。

減ったフォロワーの数が正確にわかるなんて、なんだかとても器の小さい人みたいで悔しいし、少しだけ惨めな気持ちにもなる。

だけど、数週間前までは毎日見ていた数字だったから、自然に頭に残っていたのだと思う。

この一週間で、離れていってしまった4人は一体どんな人たちだったのだろう、なんて考えながら、しばらく自分の手元に残った数字

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2020年、わたしの心を救った5冊

2020年、わたしの心を救った5冊

2020年は、ひたすら自分と向き合った1年だったなあと思う。

向き合う時間が増えたから、自分の課題や改善点をたくさん見つけて、落ち込んだり悩んだりすることも多い年だった。

そんな毎日を過ごす中で、その時々のわたしを救ってくれたのは、本の中で出会った、煌く言葉たちだ。

偶然開いたあるページの一文で心が軽くなったり、物語の登場人物の生き方に勇気をもらったり。

今でも心に残っている、言葉や物語た

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