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記事一覧
マイクロノベル集 307「昭和の日って何の日?」
No.1681
むかしむかし、昭和時代のことじゃ。コンパクトデジカメはシンプルになりすぎた反動で多機能化された。それはまるで一眼レフのように。「それって平成ですよね?」カンのいい令和生まれは嫌いだよ。「いいえ、平成生まれです」どっちでも似たようなもんだよ。
No.1682
太陽はぼくの一番弟子なんだ。意外と物覚えが悪かったな。すぐ熱くなるし、二番弟子の北風とつるんで悪ふざけをしたりね。いつも後始
マイクロノベル集 306「Vは我らの頭上にあり、世はなべて事もなし」
No.1676
気をつけろ、俺たちの会話は推しに監視されている。礼儀正しくやろう。相手は機械だから気を遣う必要はない? 馬鹿ッ。今までのバーチャルアイドルが倒れた原因を思い出せ。「みんな~! 人間が好きそうなゴシップを集めたよ~」ああ、手遅れだったか……。
No.1677
「ふええ、お歌がうまく歌えないよぉ」お母さんと一緒に練習しよう。「踊りもできないの」お父さんが教えてあげる。甘やかしすぎでは
マイクロノベル集 303「だって悪魔なんだもん」
No.1661
悪魔の取り分、なんて言葉があってね。木の樽に染み込んで減ってしまった蒸留酒、その飲めない酒を言うんだけど。「これは店長の取り分です」天使似のアルバイトさん、お客さんに出すカフェオレからちょっとずつ集めて、ぼくのまかないに出すのはやめてね。
No.1662
俺は悪魔の中でも接続魔と呼ばれるものだ。なんでも繋いでやろう。「スマホがインターネットに繋がらないの」お安いご用だ。アンテナを
マイクロノベル集 302「果たして本当にそうかな?」
No.1656
よくある失敗。ヘッドホンで聴いてるつもりが、つながってなくて周りに全部聞こえてた、ってヤツ。その人のスマホからは心臓の鼓動が聞こえててさ。ドク、ドク、ドク……。よーく聞くと、それは人の声だった。「生きてて恥ずかしくないの?」あ、しゃべった。
No.1657
ストロー越しに奇跡を感じられる季節になりましたね。暑い日の冷たいカフェオレは配分が命。珈琲、ミルク、お砂糖、氷……あら、ちょ