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人事・人材開発というキャリア

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『人事(企画・組織開発・労務・採用等)』、『人材開発』にかかわるしごとに携わっている方、携わっていた方のnote記事を中心にシェアしています。
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記事一覧

人事における挑戦と革新ー「これまで思考」から「これから思考」への移行

人事における挑戦と革新ー「これまで思考」から「これから思考」への移行

 「これまで思考」と「これから思考」の概念は、人事領域においても非常に重要であり、組織の持続的な成長と適応力を支える基盤となります。私がこれまで、長年にわたり様々な人事業務を経験してきた観点から、「これまで思考」に固執してしまうことのリスクと、「これから思考」を重視することの必要性をより深く掘り下げ、具体的なアプローチを考察したいと思います。

参考記事:

これまで思考

 「これまで思考」とは

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人的資本の各種KPIの適正値を探るアプローチ【まずは他部門との比較、過去との比較から着手。ベンチマーク比較は日本だともう少し掛かる】

人的資本の各種KPIの適正値を探るアプローチ【まずは他部門との比較、過去との比較から着手。ベンチマーク比較は日本だともう少し掛かる】

1. はじめに人的資本経営が注目されている現在、KPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)を適正に評価することが重要視されています。

しかし、日本における人的資本のKPI適正値を導き出すのは、まだまだ発展途上の分野です。

そのため、ベンチマークデータを用いることができない現状において、まずは社内の他部門との比較や過去との比較からスタートするのが現実的です。

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人的資本経営ができていない人事部が、社内の経営会議で他部門から思われていること

人的資本経営ができていない人事部が、社内の経営会議で他部門から思われていること


1. はじめに

本日は、人的資本経営ができていない人事部が、社内の経営会議で他部門から下に見られていて悔しいというお話を書かせてください。

企業には様々な部門がありますが、一つ一つがなくてはならない存在だと考えています。

しかし、各部門のKPIが異なることにより、社内で漠然とした優劣があると日々感じています。

その中でも、人事部は人的資本経営ができているかどうかにより、同等み見られるか、

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人事部で働き続けることをネガティブに考えてみる

人事部で働き続けることをネガティブに考えてみる

こんにちは、「データ分析やりたくて人事部に入ったわけじゃないのに」です。
今日は、普段とは違って超絶ネガティブに、私のキャリアについて考えてみたいと思います。
人事部で働くことに対して、私が感じる不安や、周りからの言葉によって生まれる疑念を20個のポイントに分けて書いてみました。

1. 会社の人を育てることに注力するよりも、自分自身の育成に力を割いた方がいいのではないか

周りから言われているこ

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プロティアンキャリアと計画的偶発性理論に関する基礎理解

プロティアンキャリアと計画的偶発性理論に関する基礎理解

プロティアンキャリア (Protean Career)

定義と特徴:

プロティアンキャリアは、個人が自己主導でキャリアを管理し、柔軟に変化することを重視します。名前はギリシャ神話の変幻自在な海神プロテウスに由来します。

自己主導: 個人が自分の価値観、目標、ライフスタイルに基づいてキャリアを設計し、管理します。

柔軟性: 変化に対応できる柔軟な姿勢を持ち、環境の変化に応じてキャリアを調整し

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理論的進化:"Will, Must, Can"からプロティアンキャリアへ

理論的進化:"Will, Must, Can"からプロティアンキャリアへ

"Will, Must, Can"の概要

"Will, Must, Can"は、個人のキャリア選択と開発を理解するためのフレームワークです。このモデルは以下の3つの要素で構成されています:

Will(意欲): 個人が何をしたいか、どのような仕事に情熱を持っているかを示します。これには個人の目標や夢、モチベーションが含まれます。

Must(義務): 社会や組織から期待されること、すなわち個人が

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人的資本経営は投資家から信頼を得るための戦略であり、単なる人事改革ではない

人的資本経営は投資家から信頼を得るための戦略であり、単なる人事改革ではない

はじめに

こんにちは、「データ分析やりたくて人事部に入ったわけじゃないのに」です。
人的資本経営は「単なる人事改革の一環だ」と考えていましたが、私の考えは誤っていたようです。
勉強していくうちに、人的資本経営は「投資家に株を買ってもらうための重要な戦略」だと分かりました。
今回は、その理由についてお話ししたいと思います。

1. 人的資本経営とは?

まず、人的資本経営とは何かについて、イメージ

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社内の人事データ分析で明らかになった思い込みの誤り:ハイパフォーマーと離職傾向の新たな発見

社内の人事データ分析で明らかになった思い込みの誤り:ハイパフォーマーと離職傾向の新たな発見

こんにちは、「データ分析やりたくて人事部に入ったわけじゃないのに」です。
今回は、社内の人事データ分析を通じて、これまでの常識や思い込みが実は誤っていたという事例をいくつかご紹介します。
データドリブンのアプローチを取り入れることで、新たな視点から従業員のパフォーマンスや離職傾向を理解することができました。
その中でも特に興味深かったのは、「ハイパフォーマーになる要因」と「離職する要因」に関する発

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経済産業省は必ず人的資本の開示項目をアメリカと同等に増やす(今は準備期間なだけ)

経済産業省は必ず人的資本の開示項目をアメリカと同等に増やす(今は準備期間なだけ)

こんにちは、「データ分析やりたくて人事部に入ったわけじゃないのに」です。
近年、企業の人的資本開示が注目されていますが、日本では経済産業省が義務化する項目を最低限に留めています。
一方、アメリカでは多くの項目が義務化されています。
今回は、なぜ日本が人的資本開示の義務化項目を最低限に留めているのか、その理由を経済産業省の視点から考察してみたいと思います。

1. 経済産業省が人的資本開示を最小限に

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副業をどこまで解禁すべきか、人的資本経営の観点で考えてみる

副業をどこまで解禁すべきか、人的資本経営の観点で考えてみる

はじめに

こんにちは、「データ分析やりたくて人事部に入ったわけじゃないのに」です。
副業の解禁は、近年の働き方改革やリモートワークの普及に伴い、多くの企業で議論されています。
特に、人的資本経営の観点から副業の解禁はどのような影響を及ぼすのか、またどこまで許容すべきかについて考えることは非常に重要です。
今回は、副業を解禁することによるメリットとリスクを検討し、企業がどのような方針を採用すべきか

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【人事ノウハウ】意外と知らない、採用を科学するKPIメソッド

【人事ノウハウ】意外と知らない、採用を科学するKPIメソッド

こんにちは、こんばんは、ごきげんよう!(ごきげんよう馴染んだかな)
フリーランス人事の清水奈央(しみず なお)です。

独立してから2か月が経ちました。
フリーランスとしての1日の動きが健康的にルーティン化されてきていて、

7:00~9:00 タスクの確認、作業系の仕事
~一度身支度~
10:00~13:00 仕事
~お昼休憩~
14:00~17:00 仕事
~念入りな散歩、夕飯準備~
20:0

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HRリーダーたちと考える10年後の採用の未来とは (前編 環境変化共有)

HRリーダーたちと考える10年後の採用の未来とは (前編 環境変化共有)

こんにちは。リデザインワークの林です。

先週金曜日は、2/2(人事の日)とのことで、日本の人事部「HRカンファレンスのリーダーズミーティング」にて、企業の人事トップの皆さんたちとのラウンドテーブルにてファシリテーションしてきました。

僕は採用領域で、ビジネスリサーチラボの伊達さんと一緒に、「会社と個人の関係が大きく変わる時代に採用戦略をグランドデザインし直す 人事 TOP の観点とは」というテ

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HRリーダーたちと考える10年後の採用の未来とは (後編 議論まとめ)

HRリーダーたちと考える10年後の採用の未来とは (後編 議論まとめ)

こんにちは。リデザインワークの林です。

先週金曜日は、2/2(人事の日)とのことで、日本の人事部「HRカンファレンスのリーダーズミーティング」にて、企業の人事トップの皆さんたちとのラウンドテーブルにてファシリテーションしてきました。

僕は採用領域で、ビジネスリサーチラボの伊達さんと一緒に、「会社と個人の関係が大きく変わる時代に採用戦略をグランドデザインし直す 人事 TOP の観点とは」というテ

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【論文レビュー】リアリティ・ショックと組織適応とキャリアの関係性:津木・城戸 (2022)

【論文レビュー】リアリティ・ショックと組織適応とキャリアの関係性:津木・城戸 (2022)

新入社員は、どのようなプロセスを経て、リアリティ・ショックを経験し、それを乗り越えようと職務行動をとり、どのようなキャリア意識や行動を経ることで組織適応へと至るのでしょうか。時系列で追うことは難しいイシューについて、インタビュー調査を用いて著者たちは明らかにしています。

本論文のポイント本論文では、新規学卒者の入社前の行動から入社後数年にわたる組織適応プロセスをインタビューから明らかにしている質

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