田中研之輔 プロティアン【大学教授・企業顧問36社・UCBerkeley元客員研究員 著書35冊】

専門:キャリア論  博士号: 社会学  UCBerkeley元客員研究員/日本学術振興…

田中研之輔 プロティアン【大学教授・企業顧問36社・UCBerkeley元客員研究員 著書35冊】

専門:キャリア論  博士号: 社会学  UCBerkeley元客員研究員/日本学術振興会特別研究員SPD:東京大学/著書35冊/社外顧問36社歴任/一橋・慶應・早稲田元兼任/日経ビジネス・日経U22・他多数連載/新作『ビジトレ』書籍→ http://ur0.work/JYXz

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プロティアンキャリアの源流 渋沢栄一

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        • プロティアンキャリア論に至るまでの理論的系譜

          はじめにキャリア論の理論的系譜は、時代とともに多様な視点やアプローチが登場し、発展してきました。プロティアンキャリア論に至るまでの主要なキャリア理論とその発展の流れを詳細に探ることで、現代のキャリア論の基盤を理解することができます。以下では、各理論の概要とその貢献について詳述し、最後にプロティアンキャリア論について説明します。 1. 初期のキャリア論1.1. フランク・パーソンズの「職業適性理論」 キャリア論の発展は、20世紀初頭のフランク・パーソンズ(Frank Par

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          プロティアンキャリアの更なる理論的進化:カレイドスコープ理論との融合

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          プロティアンとキャリアオーナーシップの親和性

          プロティアンキャリアとキャリアオーナーシップは、現代のキャリア形成における重要な概念であり、個人が自分のキャリアを主体的に管理し、変化する環境に対応する能力を強調します。以下に、これらの概念の理論的共鳴性について詳述します。 プロティアンキャリアの概要 プロティアンキャリア理論は、ダグラス・ホールによって提唱され、自己指向性と適応性という二つの主要な特徴を持っています。 自己指向性 (Self-Direction): 個人が自分のキャリアを主体的に計画し、管理する能力

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          プロティアンキャリア理論に近い理論を10つ挙げ、それぞれの説明をします。 キャリアアンカー理論(エドガー・シャイン): 説明: キャリアアンカー理論は、個人がキャリアを選択する際に最も重要視する価値観や動機(アンカー)を特定します。プロティアンキャリアと同様に、自己理解と自己決定を重視します。 自己決定理論(デシとライアン): 説明: この理論は、内的動機づけと外的動機づけのバランスが個人の行動や満足度に影響を与えると考えます。プロティアンキャリアの自己指向性と関連し

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          ニューキャリアスタディーズ(New Career Studies)とは?

          ニューキャリアスタディーズ(New Career Studies)は、現代のキャリア理論やキャリア形成に関する研究分野のことを指します。この分野は、伝統的なキャリア観から脱却し、個人のキャリア発展や職業選択における新しい視点を提供します。以下に、その主要な特徴や概念を説明します。 特徴と概念 個人中心のアプローチ: ニューキャリアスタディーズは、個人の価値観、興味、スキル、ライフスタイルを重視します。これにより、個人が自己のキャリアを主体的に設計し、管理することが奨励さ

          1分で理解するプロティアン・キャリア論(上級編)

          境界のないキャリア時代の到来 21世紀に境界のないキャリア時代が到来したことで、キャリアコーチングはキャリアガイダンスやキャリア教育からキャリアカウンセリングへと変化しました。キャリア構築理論はキャリアカウンセリングで広く使用されており、その応用価値は非常に高いです。キャリア構築理論の評価ツールと介入戦略を紹介することは必要かつ有意義です。このミニレビューでは、キャリア構築理論の質的評価ツールと介入方法が紹介され、分析されます。質的評価ツールには、キャリア構築インタビューと

          1分で理解するプロティアン・キャリア論(入門編)

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          最先端のプロティアン・キャリア概念

          プロティアン・キャリア概念:キャリア成功の鍵 M. A. アッカス* ラミヤ・ラフマン 現在の動的で予測不能な労働世界において、伝統的な一社との長期的な関係は衰退しています。何百万もの仕事が失われ、新しい技術が多くの新しい職種を生み出しており、それには新しいスキルが必要です。雇用主は雇用を保証しない。焦点は、雇用の安定よりも雇用可能性により置かれています。従業員のキャリアは大きく変化し、これは従業員だけでなく組織にも影響を与えています(Hall、1987年;Arthu