ミルトス

東京都足立区にある出版社ミルトスです。イスラエル、ユダヤ、中東、聖書、ヘブライ語などに…

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東京都足立区にある出版社ミルトスです。イスラエル、ユダヤ、中東、聖書、ヘブライ語などに関連する書籍を出版しています。 https://myrtos.co.jp/

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    イスラエル・ユダヤ・中東がわかる隔月刊雑誌「みるとす」です。 https://myrtos.co.jp/?tid=7&mode=f2

記事一覧

「みるとす」ガザ・イスラエル戦争特集

 終わりの見えないガザ・イスラエル戦争。隔月刊誌「みるとす」12月号は、連載中の各筆者がこの度の戦争について、それぞれの専門分野から分析・検証する記事を投稿され…

ミルトス
4か月前
30

パレスチナ支援に繋がらないBDS運動

 BDSという運動をご存知だろうか。イスラエルに対するボイコット・投資引き上げ・制裁(Boycott Divestment Sanctions)の頭文字を取った運動のことで、「イスラエルに国…

ミルトス
5か月前
25

「パレスチナ社会の良心」ダジャーニ教授が語るパレスチナの未来

 2019年に発刊された『わが親愛なるパレスチナ隣人へ――イスラエルのユダヤ人からの手紙』(ヨッシー・クライン・ハレヴィ著、ミルトス刊)には、エピローグとして読者か…

ミルトス
6か月前
41

佐藤優:パレスチナのテロ組織に関する公安調査庁の報告書

 隔月刊誌「みるとす」に寄稿いただいている佐藤優氏の記事の中から、現在のイスラエル情勢を理解するのに有益と思われる記事を抜粋して紹介する。  2021年12月号の記事…

ミルトス
6か月前
18

パレスチナ人映画監督が見たイスラエル

 今から4年前、日本でもロードショーされ話題となった『テルアビブ・オン・ファイア』という映画があった。監督はナザレ近郊育ちのパレスチナ人で、難しいパレスチナ問題…

ミルトス
6か月前
10

ハマスというテロ組織

 2023年10月7日早朝、ガザから数千発のロケット弾を撃ち込み、数百人の戦闘員がイスラエル領内になだれ込み、1000人以上の一般市民を残虐な方法で殺傷・拉致した。一連の…

ミルトス
6か月前
74

情報戦を見極める目

 10月7日、イスラエルの景色は一変してしまった。ガザからロケット弾が数千発打ち込まれ、国境を越えて数百人とも言われるテロリストがイスラエルに侵入し、一般市民の居…

ミルトス
6か月前
30

The Case for Israel――いま観ておきたいドキュメンタリー

 10年以上前に制作されたドキュメンタリー作品がある。アラン・ダーショウィッツというアメリカの法律家による「The Case for Israel」である。同氏による同名の書籍は201…

ミルトス
6か月前
16

パレスチナ問題は「暴力の応酬」なのか

 ガザを実効支配するハマスがイスラエルを奇襲攻撃してから2週間が経とうとしている。日本のメディアでも連日報道されているが、その際に「暴力の応酬」という言葉がよく…

ミルトス
6か月前
26

「パレスチナ問題」を考える際に押さえておきたいポイント

 2023年10月7日、仮庵の祭りの最終日、シムハット・トーラーという喜びの日の早朝6時半、ガザのハマスは突如としてイスラエルに奇襲攻撃を仕掛けてきた。数千発のロケット…

ミルトス
6か月前
162

最終的にガザの運命は誰に託されるのか

 ガザ地区での地上戦がカウントダウンの段階に入った10月17日、イスラエル政府の閣僚会議では、「戦争目的が達成された後に、ガザの運命がどうなるかという問題について、…

ミルトス
6か月前
24

聖書ヘブライ語リモート講座『創世記』

創世記から始めよう!『創世記』を原文で味わう講座を始めます。天地創造から始まり、アダムとエバの物語、ノアの洪水、バベルの塔、アブラハム・イサク・ヤコブの族長物…

ミルトス
8か月前
5

聖書ヘブライ語リモート講座 5月13日開校!【応募を締め切りました】

聖書を原文で味わってみませんか旧約聖書はヘブライ語で書かれています。「ヘブライ語」と聞くと、ハードルが高く感じてしまうかも知れませんが、そんなことはありません。…

ミルトス
1年前
13

東京オリンピック開会式を振り返る

 年の瀬も迫り、ニュース番組では改めて今年の総括が行なわれている。コロナ禍において様々な行事があった中、日本にとって今年一番のイベントはやはり東京オリンピックだ…

ミルトス
2年前
7

聖書の人物紹介〈カインとアベル〉

 アダムとエバの間に、最初に生まれたのがカインでした。母エバは「私は得た〈קניתי カニーティ〉男子を」と言い、その長子はカインと名付けられます。その後に生ま…

ミルトス
2年前
10

聖書の人物紹介〈アダム〉

 聖書の中で最初に創造された人間は、アダムと呼ばれました。創世記には次のように記されています。  主なる神は、人〈אדם アダム〉を土〈אדמה アダマー〉の塵か…

ミルトス
2年前
17
「みるとす」ガザ・イスラエル戦争特集

「みるとす」ガザ・イスラエル戦争特集

 終わりの見えないガザ・イスラエル戦争。隔月刊誌「みるとす」12月号は、連載中の各筆者がこの度の戦争について、それぞれの専門分野から分析・検証する記事を投稿された。ここに各記事の抜粋を紹介する。

▼雑誌「みるとす」について

▼ミルトスHPの販売ページ(試し読み可能)

▼「富士山マガジンサービス」(試し読み可能、デジタル版もあり)

https://www.fujisan.co.jp/prod

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パレスチナ支援に繋がらないBDS運動

パレスチナ支援に繋がらないBDS運動

 BDSという運動をご存知だろうか。イスラエルに対するボイコット・投資引き上げ・制裁(Boycott Divestment Sanctions)の頭文字を取った運動のことで、「イスラエルに国際法を遵守させるまで、様々な種類のボイコットを行なうこと」を目標に掲げている。政治的・経済的圧力の形成と増強を目的としたグローバルなキャンペーンである。

 これにより実際どのような影響があるのか。隔月刊誌「み

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「パレスチナ社会の良心」ダジャーニ教授が語るパレスチナの未来

「パレスチナ社会の良心」ダジャーニ教授が語るパレスチナの未来

 2019年に発刊された『わが親愛なるパレスチナ隣人へ――イスラエルのユダヤ人からの手紙』(ヨッシー・クライン・ハレヴィ著、ミルトス刊)には、エピローグとして読者からの反応が掲載されている。その感想を書いた1人ダジャーニ教授へ、同書訳者の神藤誉武氏がインタビューしたその要約を紹介しよう。
 ダジャーニ教授は、アメリカで政治学と政治経済学の分野でそれぞれ博士号を修め、パレスチナ自治政府にも勤めていた

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佐藤優:パレスチナのテロ組織に関する公安調査庁の報告書

佐藤優:パレスチナのテロ組織に関する公安調査庁の報告書

 隔月刊誌「みるとす」に寄稿いただいている佐藤優氏の記事の中から、現在のイスラエル情勢を理解するのに有益と思われる記事を抜粋して紹介する。
 2021年12月号の記事で、「ハマス」「ヒズボラ」といったパレスチナのテロ組織について、日本の公安調査庁がどのように分析しているかを解説されており、日本の取るべき立場が明確に示されている。

イスラエルがパレスチナNGOをテロ組織に指定 日本のマスメディアは

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パレスチナ人映画監督が見たイスラエル

パレスチナ人映画監督が見たイスラエル

 今から4年前、日本でもロードショーされ話題となった『テルアビブ・オン・ファイア』という映画があった。監督はナザレ近郊育ちのパレスチナ人で、難しいパレスチナ問題というテーマをコメディで味付けした稀有な作品だ(今はあらゆるネットサービスやDVDで視聴可、下記のリンク参照)。

 2019年にサメフ・ゾアビ監督が来日した際にインタビューを行ない、隔月刊誌「みるとす」2019年10月号に掲載した。少し前

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ハマスというテロ組織

ハマスというテロ組織

 2023年10月7日早朝、ガザから数千発のロケット弾を撃ち込み、数百人の戦闘員がイスラエル領内になだれ込み、1000人以上の一般市民を残虐な方法で殺傷・拉致した。一連の事件の中心となったのがハマスというグループである。

 イスラム原理主義、民族主義、武装組織などと表記されるが、今も200人以上の人質を拉致しているハマスの実態は、テロ集団である。彼らは決してガザの「一般市民」ではない。ここを混同

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情報戦を見極める目

情報戦を見極める目

 10月7日、イスラエルの景色は一変してしまった。ガザからロケット弾が数千発打ち込まれ、国境を越えて数百人とも言われるテロリストがイスラエルに侵入し、一般市民の居住区で殺戮・陵辱・略奪を繰り返し、女子供や老人を人質として連れ去った。これはイスラエルの建国史上、経験したことのない蛮行だった。かつてユダヤ人がヨーロッパで体験したホロコーストを想起させるほど凄惨なものだった。

ヨムキプール戦争が再び 

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The Case for Israel――いま観ておきたいドキュメンタリー

The Case for Israel――いま観ておきたいドキュメンタリー

 10年以上前に制作されたドキュメンタリー作品がある。アラン・ダーショウィッツというアメリカの法律家による「The Case for Israel」である。同氏による同名の書籍は2010年、邦訳版が発刊されている。

 英語の「case for~」という表現は、「証拠を挙げて論証する」といったニュアンスの裁判用語である。なぜイスラエルばかりが国際社会から非難されるのか。様々な疑問を32のケースに分

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パレスチナ問題は「暴力の応酬」なのか

パレスチナ問題は「暴力の応酬」なのか

 ガザを実効支配するハマスがイスラエルを奇襲攻撃してから2週間が経とうとしている。日本のメディアでも連日報道されているが、その際に「暴力の応酬」という言葉がよく使われる。しかしながら、イスラエルという民主国家vsハマスという武装テロ組織の戦いであるということを考えると、その言葉に違和感を感じる。

『ケース・フォー・イスラエル――中東紛争の誤解と真実』(アラン・ダーショウィッツ著、滝川義人訳、2

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「パレスチナ問題」を考える際に押さえておきたいポイント

「パレスチナ問題」を考える際に押さえておきたいポイント

 2023年10月7日、仮庵の祭りの最終日、シムハット・トーラーという喜びの日の早朝6時半、ガザのハマスは突如としてイスラエルに奇襲攻撃を仕掛けてきた。数千発のロケット弾が打ち込まれ、それがスタートの合図となって、ハマスの戦闘員が国境の壁やフェンスを破壊して陸から、船を使って海から、パラグライダーで空から、イスラエル領内になだれ込んだ。

 今も続く戦闘の詳細は、マスコミ各社によって報じられている

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最終的にガザの運命は誰に託されるのか

最終的にガザの運命は誰に託されるのか

 ガザ地区での地上戦がカウントダウンの段階に入った10月17日、イスラエル政府の閣僚会議では、「戦争目的が達成された後に、ガザの運命がどうなるかという問題について、議論しないこと」が確認された、とイスラエル・ハヨム紙が報じた。抄訳をここに紹介する。

 ガザ市民への被害を最小限に抑えるという人道的な配慮に時間と労力が費やされるだろうが、地上戦が始まれば、イスラエル国防軍がハマスを掃討してガザを制圧

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聖書ヘブライ語リモート講座『創世記』

聖書ヘブライ語リモート講座『創世記』


創世記から始めよう!『創世記』を原文で味わう講座を始めます。天地創造から始まり、アダムとエバの物語、ノアの洪水、バベルの塔、アブラハム・イサク・ヤコブの族長物語など、創世記には興味深い物語が満載です。そんな創世記をヘブライ語原文で読むと、翻訳聖書では気づかなかった発見がいっぱい! 「ヘブライ語聖書対訳シリーズ」を使って読み進めますので、ヘブライ語が分からなくても大丈夫。今まで気になっていたけど学

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聖書ヘブライ語リモート講座 5月13日開校!【応募を締め切りました】

聖書ヘブライ語リモート講座 5月13日開校!【応募を締め切りました】

聖書を原文で味わってみませんか旧約聖書はヘブライ語で書かれています。「ヘブライ語」と聞くと、ハードルが高く感じてしまうかも知れませんが、そんなことはありません。まずは文字に慣れるところから始めます。今まで気になっていたけど学ぶチャンスのなかった方、教室が遠くて行けなかった方、途中で挫折してしまった方、現代ヘブライ語から聖書ヘブライ語に挑戦したい方等々……決して諦めないでください。どこからでも参加可

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東京オリンピック開会式を振り返る

東京オリンピック開会式を振り返る

 年の瀬も迫り、ニュース番組では改めて今年の総括が行なわれている。コロナ禍において様々な行事があった中、日本にとって今年一番のイベントはやはり東京オリンピックだったろう。

 東京ではぼったくり男爵と揶揄され、その後、中国の彭帥(ほうすい)テニス選手への対応が疑問視されたこともあり、IOC(特にバッハ会長)の評判はすこぶる悪い。そんな中でも、東京オリンピックの開会式では、正当に評価されるべきであろ

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聖書の人物紹介〈カインとアベル〉

聖書の人物紹介〈カインとアベル〉

 アダムとエバの間に、最初に生まれたのがカインでした。母エバは「私は得た〈קניתי カニーティ〉男子を」と言い、その長子はカインと名付けられます。その後に生まれたのがアベル〈原語では הבל ヘベル「空虚」の意〉でした。

 聖書はエデンの追放に次ぐ悲劇を描いています。カインによるアベル殺害事件です。下の絵は、その発端となったシーン。奥がアベル、手前がカインの姿です。

 「主はアベルと彼の献げ

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聖書の人物紹介〈アダム〉

聖書の人物紹介〈アダム〉

 聖書の中で最初に創造された人間は、アダムと呼ばれました。創世記には次のように記されています。

 主なる神は、人〈אדם アダム〉を土〈אדמה アダマー〉の塵から形づくり、その鼻に命の息を吹き入れられた。すると人は生きる者となった。(2:7)

 神が土の塵を原材料として造った被造物なので、土〈アダマー〉にちなんでアダムと呼びました。初めは「人」という一般名詞扱いでしたが、アダムという個人名に

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