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聖書の人物紹介〈カインとアベル〉

 アダムとエバの間に、最初に生まれたのがカインでした。母エバは「私は得た〈קניתי カニーティ〉男子を」と言い、その長子はカインと名付けられます。その後に生まれたのがアベル〈原語では הבל ヘベル「空虚」の意〉でした。

 聖書はエデンの追放に次ぐ悲劇を描いています。カインによるアベル殺害事件です。下の絵は、その発端となったシーン。奥がアベル、手前がカインの姿です。

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 「主はアベルと彼の献げ物に目を留め、カインと彼の献げ物には目を留めなかった」(創世記4:4~5)

 絵画では、アベルの煙は天に立ちのぼり、カインの煙は地を這っています。この描写で、献げ物が神様に受け入れられたか否かを表現したのでしょう。これによってカインは激昂し、アベルを殺してしまいます。

 では、なぜカインの献げ物は受け入れられなかったのでしょうか。アベルは肥えた羊の初子という最上の献げ物を持って来たが、カインは地の産物とだけ書いてあり最上の物ではなかったから、というユダヤの注解があります。

 上掲の箇所は、原文では「アベルに、そして彼の献げ物に目を留め」「カインに、そして彼の献げ物に目を留めなかった」となっています。つまり、献げ物の良し悪しの前に、本人自身の歩みが神様の目に適っているかどうか、なのかもしれません。

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