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心の問題

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自分のものでありながら、もっとも扱いにくく、思い通りにならない心について対策します。
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#家族

論破と嘲笑のあとに何が残されたのか──陰謀論者対応の実態

論破と嘲笑のあとに何が残されたのか──陰謀論者対応の実態

記事執筆中に能登半島地震が発生しました。人工地震などの陰謀論が、あの人たちによって盛大に語られました。このできごとと重ね合わせて読んでもらえたら幸いです。

はじめに 深みにはまった陰謀論者の家庭は、まるで荒れはてた花壇みたいだった。そこここに残る平穏だった日々の痕跡が、荒廃した家族関係との間に残酷なコントラストを描いている。

 陰謀論者と家族に聞き取りを行い、ネットメディアや論壇誌に記事を寄稿

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宗教二世を救うには家族への国家の介入が不可欠になる【短信】

宗教二世を救うには家族への国家の介入が不可欠になる【短信】

現在どうにもならないのなら、あらたに制度や法をつくらなくてはいけない。家族の問題を解決する制度や法をつくるのだから、家族はどうあるべきか考え、こうあるべきと定めることになる。

構成・タイトル写真
加藤文
(写真はタイトルおよび本文とは無関係なイメージ写真です)

宗教二世たちと対話してわかったこと 旧統一教会/世界平和統一家庭連合をめぐるさまざまな問題追及の発端に宗教二世が抱えるとされる苦しみへ

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ワクチン忌避者・陰謀論者 彼らが戻れなくなった理由とリセットへの道筋

ワクチン忌避者・陰謀論者 彼らが戻れなくなった理由とリセットへの道筋

ワクチン忌避者や陰謀論者との関係に平穏を取り戻したい。これから紹介するメソッドでコロナ禍以前の状態までリセットされた人や、ひとまず平穏さを取り戻した家庭があります。

調査・構成・図版/写真
加藤文
協力
ハラオカヒサ

序/2年間50人の動向 2020年の半ばから現在まで、コロナ禍に登場したマスク拒否者、ワクチン忌避者、陰謀論者のほか彼らの周辺を取材してきた。消息が途絶えた者も多いが、長い例では

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共助とはなにか幻想すら思い描けないまま 現代人はカルトの誘惑に飲み込まれて行く

共助とはなにか幻想すら思い描けないまま 現代人はカルトの誘惑に飲み込まれて行く

『男はつらいよ』の寅さんには、何はともあれ迎え入れてくれる葛飾柴又というファンタジー世界がある。だが私たちは世知辛さからの緩衝装置として働いていた幻想上の共同体すら捨てさってしまった。

加藤文 (Kヒロ)

素っ裸で世間に放り出されている我々 安倍晋三氏暗殺事件で逮捕された山上徹也容疑者が旧統一教会・世界平和統一家庭連合信者の二世だったことで、彼の生い立ちが同情を集めている。いっぽう容疑者の母親

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コロナ禍を騒がせた彼らはさっそく忘れられてなにも解決されないままひとつの時代が終わるのか

コロナ禍を騒がせた彼らはさっそく忘れられてなにも解決されないままひとつの時代が終わるのか

コロナ禍が“原因”で反ワクチンや陰謀論の騒動が“結果”なら、この結果が原因になって新たな問題が登場しても不思議ではない。あの奇妙な人々の騒動が賞味期限切れの話題になっても、彼らは消えていなくなったわけではないのだ。

彼らは消えていなくなったわけではない2020年1月に国内で新型コロナ肺炎の感染者が見つかってから、私たちは今まで経験したことのないできごとに翻弄され続けてきた。こうしたできごとには変

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親が反ワクチンなどカルト的な集団に取り込まれた方へ

親が反ワクチンなどカルト的な集団に取り込まれた方へ

著者:ケイヒロ、ハラオカヒサ

訂正:2021年1月19日14:00/「24時間子供SOSダイヤル」の電話番号の誤りを訂正しました。

はじめに今回は未成年者や若年層の親が反ワクチンなど陰謀論に取り込まれ、その子供たちが悩んでいる現状と対処についてまとめます。筆者からのアドバイスは対象を高校生以上と想定しましたが、幼児から小中学生の子の親がカルト的な集団や陰謀論に傾倒しているのをご存知の方にも役立

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高齢者とYouTubeの危うい関係

高齢者とYouTubeの危うい関係

著者:ケイヒロ、ハラオカヒサ

いま起きていること新型コロナ肺炎にまつわるさまざまなトラブルを紹介し、偏った考え方や行動を推奨する集団から離脱する方法についても記事を書いてきました。こうした記事を書くたび当人だけでなく困り果てたご家族から筆者あてにメールが届きます。

相談や問い合わせで最近とくに気になるのは、高齢者とYouTubeの関係です。60代半ばから70代が陰謀論や偏った医療情報に触れるき

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家族──もっとも厄介なものとあなた

家族──もっとも厄介なものとあなた

著者:ケイヒロ、ハラオカヒサ

このシリーズでは心のありかたについて考えています。今回は「家族」がテーマです。正直に言えば筆者2名にとっても容易ではないものが家族や親族なので、よいこともわるいことも経験してきました。当記事では家族問題の厄介さの構造をあきらかにして解決の基本形を示そうと思います。

ずっと抱えていたものが大きくなって先日、マスクをつけることやワクチン接種に反対の立場を取る姑と義理の

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現実感をなくして失うもの フェミニズム運動の例から

現実感をなくして失うもの フェミニズム運動の例から

著者:ケイヒロ、ハラオカヒサ

ドン・キホーテと風車

ドン・キホーテと従者サンチョは旅の途中で居並ぶ巨大な風車と出会います。ドン・キホーテは風車を巨人と思い込んで闘いを挑んで突撃し、衝突の衝撃で跳ね返されて原野を転がっていきました。現実を知っているサンチョはドン・キホーテに冷静な指摘をしますが、彼は魔法使いが巨人を風車に変えてしまったと言い張ります。

ドン・キホーテの狂気は物語だからこそ人間の

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