ぼくは喉から手が出るほどあいつが欲しい
深夜から早朝に移り変わろうとしている。
三連休なんてすぐに終わる。それは先週でよくわかった。なら、僕は三連休を無駄にしたくない!
そう思い、もったいないので寝ない事にした。
そして、僕は今すぐにでも欲しいものがある。
それは任天堂switchである。
猛烈に欲しい。
けど、財布を開くと5000円札が優しくニッコリとこちらを見ている。そう、優しく。
お前一人じゃ買えねぇ!!!!!!
いや、ありがたいよ。高校生にとって5000は大金だということは分かっている。でもなswitchは25000円以上するんじゃ!
改めてお金の大切さが分かる。。つれぇ。
という前置き。
*
街を歩けど、ふと服の袖の中をゆらっと駆け抜ける風にいつぞやの思い出に思い馳せては立ち止まってしまう。
あぁこの風は僕がまだ友達と一緒に川やら山やら公園やらで時間の概念を消し飛ばして無我夢中で遊んでいた頃のやつだな、とかそんな淡いことを思い出しては、そのまま古ぼけた足取りで街の中を進んでいく。
今週はどうやら台風が来るらしい。正直怖い。
もう、自然災害はやめてくれよ。僕の大好きなたった一つの街を壊すのは、もうやめてくれ。
そんな祈りとは裏腹に台風の進路は徐々に僕の街に迫ってきている。気のせいか普段より風が強い気がする。草木が揺れる音、木々のざわめきも揺れている。少しばかり電柱も揺れているような気がした。
「明日台風こいよ!」
そんな事は願えない。
連日流れてくるニュースやTwitterでの被害風景を見てしまったらそんな残酷なこと口が裂けても言えない。
次第にポツポツと降りだした雨に打たれ、仕方なく帰りを余儀なくされた僕は急ぎ足で道幅狭し裏通りを進んだ。ここはとっておきの隠し通路で恐らくだけど僕しか知らない道だ。この道を通っていると忘れかけていた童心が甦る。
あの幼き頃の秘密基地とか少しばかり悪いことをしているんじゃないかと謎の不安と興奮に息がつまる感じが、今この狭い通路を手汗まじりの拳を振り抜きながら沸々と蘇っている。恐らくだけど、この瞬間が人生で一番心が踊る時だと思う。
雨と道の向こう側に光が見える。
雨を遮るように目を擦ると、目前には無数の車が行き交っていた。やっと、隠し通路を抜けれた。
体感15分。 腕時計では5分。
僕は意外だなと思いながらもすたすたと始めの道を進み家へと向かった。
もう一度幼き思いが味わえて良かった。
今日はそれだけで十分だ。
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毎日マックポテト食べたいです