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体と表現と舞台と劇場、謎の忍者からの

「からだ」って、すごい。
「きもちとからだ」って、言葉では言い表せないくらい、おもしろくて、
劇場って、ほんま、すごいよなあ、ええよなあ。
と、改めて感じたというか考えた話を書きたい。 

ニンジャ・マックをご存じか。
マクドのメニューではない。サムライマックではない。
レスラーだ。空中技、空中殺法のレスラー。なんか変なんだ。変な奴だ。
 
シルクドソレイユ出身らしい。
スタントマンとかもやって、格闘技を経て、プロレスへ。
誰が考えたか知らないキャッチフレーズ「カミカゼ」ってのは、
ちょっとどうかと思うけれども。
 
プロレスリングNOAHで初めて観たとき「!」となった。
「なんかすごいもん見た」の「うわー」が会場中に満ち、
客席、めっちゃ湧いた。
どんなジャンルの何を見ても
技だけよりも技を含めた構成や内容とかテーマに目が行くわたしもだ。
「?!」となった。「なんやあれ」
 
今季の新日本プロレスのBOSJことベストオブスーパージュニア、
ジュニアの選手の祭典というかリーグ戦にも参戦している。
エントリーが発表されたとき「わー」と言ってしまった。
「おもしろいやーん」「おもしろいことになるやーん」 変だから。
初参加の新日のリングでぴょんぴょん跳んでいる。
ぴょんぴょんじゃない、くるんくるん、
くるくるでもなく、くるんくるんしていて、
BOSJ初戦では試合相手の「スナイパー・オブ・ザ・スカイ」な選手が
「?」「……」となっていたから配信を見ながら笑ってしまった。
笑いながらわたしも「?」となった。あれは人間なのか。人間だ。

昨日もくるんくるんとイケメン選手に勝った。マジか。また笑った。
 
ヘビー級じゃなくジュニアということでどの選手も身軽である。
どの選手の試合運びもスピーディーで華麗だ。
いや、いまやヘビーでも身軽でスピーディーが多い。
時代かニーズかは知らない。
 
でも、ニンジャ・マックはなんか、なんつうか、何回言うねんだが、変だ。
表情が見えないのもおもしろいし謎深い。
覆面だから。違う。ニンジャだから。あ、そういうの、いらん?
ご丁寧なくらいに真面目に律儀に「忍者」なポーズをする。
時代劇村の忍者ヒーローショー? 赤影的な? 古いな。
でもイケメンじゃないんだ。
顔はわからないけど体形が「ぽこっ」としてる。なんかお腹も出てる?
華美ではなすぎる忍者みたいなコスチュームのせいかもしれないが。
表情も見えない細マッチョでもない誰かもわからない謎の奴が
アウェイなリングをくるんくるん跳んでいるのである。
訳がわからない。でも人間だ。人間なんだ。
 
昨日の配信では実況・解説のひとりが
(この人、レスラー時代を観ているから、
今の会社や何やに忖度しすぎの解説を聴く度「?!」ではあるねんけど)
Jrの選手と技について、改めて言っていた。
 
「空中やスピーディーとリスクは隣り合わせですからね」
 
そうだよなあ。
そうなんだよなあ。
でも、皆、皆が、リングで、それをする。
謎の忍者も、くるんくるん、それをする。
 
なんやねん。

すげえなあ。

人間。

人間なのに。

人間だけど。
 
と、あたりまえであたりまえなのだけれど、ふと。

さまざますべての身体表現や肉体表現のすごさを、今更ながら改めて思う。
 
謎のニンジャをきっかけ(の、ひとつ)に。
 
わたしがプロレスを観だしたのは、
旅芝居・大衆演劇を経て、仕事絡みでだった。
勉強した。
旅芝居を観だしたのは、
演劇や小劇場、喜劇や演芸や寄席や大道芸、と、己の劇作を経てだ。
仕事になった。いろんなことがあったし、ある。
演劇を観だしたりやったりしたのは、
劇団☆新感線を経て、というのがおおきい。
わたしの核(かも)だ。
新感線の作品の根本にあるのは、
ロック(ヘビメタ)と時代劇と物語魂(だま)と
ずっこけと人間臭さと商業演劇(大衆演劇)とつかこうへいで、
つまり肉体だ。
そうして、今、
わたしは大好きな各地とHomeな地のストリップ劇場へ通っている。
推し(とは好きな言葉じゃないが)が居る、大事な劇場も出来た。
 
遺伝的にも家系的にも体が強いとは言えず
運動や体育とは仲良くないし肌や皮膚も弱い。
今は子供の頃に比べてマシになったし、
この体質故に、
根性と、体育会じゃないのに体育会系並みかそれ以上のspiritはある。
学生時代に極端な環境(劇団)にシゴカ……もとい鍛えられたせいもある。
からだを使うことが得意ではなかったりコンプレックスもあって
より「アタマ」ばかりになりがちだった人間が
「からだ」に興味やその大事さやすごさ素敵さを思うようになったのは、
舞台、劇場、その肉体と気持ち、途方もない生の力故だ。
時折、なにかにつけて、思う。
 
からだ、肉体が、語る・表現する、気持ちを。
時に気持ちやメッセージだけじゃなく、
からだがからだでからだを、みたいなものもあり、
それもある、それもいい。
でもそこにもなにかしらの気持ちがある。
 
気持ちを、伝えたいことを、イデオロギーを、物語を
体で表現してゆくこと、伝えてゆくこと、伝えること、
そのやり方、その手法、方法。
 
思いきりはっきりと色濃く表明や表現をするひともいれば、
作品に込めて多くを語らない人もいる。
 
笑顔をふりまく人もいれば、
敢えてそれをせず〝中〟に居たり込めたりする人も居る。
 
わたしは「表現者」という言葉を使うのがあまり好きではないのだけれど、
特に客席側(どれだけ見巧者だろうと研究者だろうとなんだろうと)が
それを使うのはなんかうさん臭さや違和感を感じもするのだけれど、
でも舞台にリングに立つ人たちのやり方や表現は
それぞれにそれぞれで、沈黙も含めて雄弁で、すべての体と心が、すごい。
 
そしてそのそれぞれにそれぞれの
ファンや支持者や愛好者や応援のお客さんが居て、
今日初めてその場所に来たお客さんも共に観ていて、
さまざますぎるそれぞれの体と気持ちが居る・ある・座っている。
 
「それぞれにそれぞれの」の中には
どちらも、互いに、
言葉では言い表せないような、
言葉よりも滲む気持ちと人生と、気持ちと気持ちがある。
伝えたいことも、みせたい思いも、
憧れも、時にシンパシーも、恋も、投影も。
時に混線するし、脱線も、ショートもするし、
誤解やすれ違いも起こる、縦にも横にも。

綺麗事だけじゃない、綺麗だけど綺麗ばかりじゃない。
 
でも幕が開く。ゴングが鳴らされる。
同じ舞台は一度としてなく、また、幕が開く。
 
からだがからだで、表現され、
魅、観、気持ちが通い合い、くっつき離れ、離れてはくっつき、
消えたり、立ち上ったり、また消えたり、そうして、続いていく。

舞台にもリングにも客席も、劇場(小屋)中に、体と気持ちがいっぱい。
 
それが、それは、ほんとうに、すごいことで、愛しいことで。

劇場って、ほんま、すごいよなあ、ええよなあ。
 
うん、結局この結論このオチなんだけど。

なんだか、改めて、置いておきたくなった。

特に好きとかじゃない、好きな訳ではない、謎の忍者きっかけで。

舞台は、劇場は、人生というか、生きること。からだ、きもち。

いろんなことを考えます。 


短いのばかり続いていたから、
(バタバタしてるときとか、考えてわざととか)
久々に長いつぶやきというかつらつらしたものも置いておきたくなった。

短くギュッとの方が含みも持たせられたり
賢そうにも見えたりするかもやけど(笑)
色々やります色々書きます。元々は長い人やし。
今まで以上に自由にやろかな?の気持ちです。
いつも読んでくださりありがとうございます。


プロレスに関してのわたしの好みは「受け」とか、
関節技とか、重いのとか地味なのとか、
オールドスクールなのとか、デスマッチとか。
と、いう、好みは依然として(よくもわるくも)ブレません。
反体制やヒールが好きな癖もね。

でも女子もアメプロも今のも昭和のも何でも観ます観てます。
だってからだと気持ち、生きること。

スターダムがああなったり、
復帰してワルくてエロくて最強だった〝ファイナルボス〟ロック様が
レッスルマニアが終わってハリウッドに帰ってしもたり、びえーん、
でも、でも大事なのは続いてゆくのは「今」と「これから」なんですよね。
もっとちゃんと観る。

エアリアルアサシンも新団体で元気そうで何より。
(以下、以前の記事。
この選手への気持ちじゃなくいろいろ込めたのでもう一度貼らせてくれ)
この人も別に推しでもないしなかったけど、強烈やなあ。
人間じゃないようで、めっちゃ人間臭い。
相変わらずその言動には「おぉっと」&ヒヤヒヤするけれど(笑)
って書いてアップしようとした朝、
アサシンクリードがトレンド入りしてて笑ってしもた。

◆◆
【略歴や自己紹介など】

構成作家/ライター/エッセイスト、
Momoこと中村桃子(桃花舞台)と申します。

旅芝居(大衆演劇)や、
今はストリップ🦋♥とストリップ劇場に魅了される物書きです。

普段はラジオ番組構成や資料やCM書き、
各種文章やキャッチコピーなど、やっています。

劇場が好き。人間に興味が尽きません。

舞台鑑賞(歌舞伎、ミュージカル、新感線、小劇場、演芸、プロレス)と、
学生時代の劇団活動(作・演出/制作/役者)、
本を読むことと書くことで生きてきました。

某劇団の音楽監督、
亡き関西の喜劇作家、
大阪を愛するエッセイストに師事し、
大阪の制作会社兼広告代理店勤務を経て、フリー。
lifeworkたる原稿企画(書籍化)2本を進め中。
その顔見世と筋トレを兼ねての1日1色々note「桃花舞台」を更新中。
【Twitter】【Instagram】 など、各種フォローも、とてもうれしいです。

詳しいプロフィールや経歴やご挨拶は以下のBlogのトップページから。
ご連絡やお仕事の御依頼はこちらからもしくはDMでもお気軽にどうぞ。
めっちゃ、どうぞ。

Webマガジン「Stay Salty」Vol.33巻頭に自己紹介エッセイを寄稿しました。


12月Vol.34からは不定期コラムコーナー「DAYS」も書かせていただいています。

東京・湯島の本屋「出発点」では2箱古本屋もやっています。
営業日と時間は「出発点」のXをご参照ください。
ぜひぜひ遊びに来て下さい!  自己紹介の手書きペーパーもあり!

読書にまつわるエッセイ集(ZINE)、
tabistorybooks『本と旅する』もお店と通販で取り扱い中。

旅と思索社様のWebマガジン「tabistory」では2種類の連載をしています。
酒場話「心はだか、ぴったんこ」(現在20話)と
大事な場所の話「Home」(現在、番外編を入れて4話)。

noteは「ほぼ1日1エッセイ」、6つのマガジンにわけてまとめています。

旅芝居・大衆演劇関係では各種ライティング業をずっとやってきました。
文、キャッチコピー、映像などの企画・構成、各種文、台本、
役者絡みの代筆から、DVDパッケージのキャッチコピーや文。
担当していたDVD付マガジン『演劇の友』は休刊ですが、
YouTubeちゃんねるで過去映像が公開中です。
こちらのバックナンバーも、さきほどの「出発点」さんに置いていますよ。

あなたとご縁がありますように。今後ともどうぞよろしくお願いします。

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