マガジンのカバー画像

私の本棚

64
図書館で借りる本が多めです。感じたことや考えたことなどを綴ります。
運営しているクリエイター

#とは

朝井リョウさん「武道館」を読んだ。アイドルを主題とした話。"怒りが態度や言葉として人間の外側に現れたそのとき、その人の器にはもう何も入らなくなっている。つまり、怒るということは、自分の中にある器の許容量や、形をさらけだすということだ"。私にとって、怒り、とは。

忘れ物を探す旅に出かけよう

忘れ物を探す旅に出かけよう

小説「わたしを離さないで」を読んでいる。

特に、米津玄師さんがアルバム、LOST CORNERを出してからのここ数日、狂ったように読み返している。なぜならアルバムのタイトルが、この作品の一節から取られたものだから。

そしてまた、私にとっても思い入れのある作品だから。

九年ほど前、中学か高校生の時、小説と同名でドラマをやっていた。生きることが辛かった当時の私にとって、それを見ることは生きる糧に

もっとみる

美術作品は誰かに何かを伝える機能を持つ。言葉と一緒なんだな。なぜ描かれた(つくられた)のかを読み解くのが大義、その上で、それを見た自分が何を感じたか、考えたのかを知るのが大事なのかなと思った。/池上英洋『大学4年間の西洋美術史が10時間でざっと学べる』

少年たちのひと夏の思い出を、読み返す

少年たちのひと夏の思い出を、読み返す

昨夜、数年ぶりに読み返した本がある。湯本香樹実さん「夏の庭」。『六月に入ってから雨ばかり降っている』と今の時期にピッタリな書き出しで始まるこの本の英訳は「ーThe friendsー」。主題を端的に表すと「死とは?」だと思うが、同時に「友達って?」についても紡がれている一冊であるような。そんな風に、私は読後、感じた。

クラスで『きゅうり』と揶揄される細身な一人称「ぼく(三人称は木山)」と、仲間内で

もっとみる

[好井裕明/他者を感じる社会学]一部読了。"差別を考える"とは、自分の中にある"普通"に息づく思い込みや決めつけを洗い出すこと。筆者が言いたいことを自分なりに一言で書いてみた。久しぶりに新書読んで思ったのは、やっぱり新書っていいね、ってことかなあ。

辻村深月さん「傲慢と善良」読了。他人の言動が自分には理解できなくてもそれは悪いことじゃないと思う。ただ「この人はそうなんだな」と思えるかどうか。そう思うだけで救われる人が、確実に居ると思う。それをするのが難しいんだけどね。

『華氏451度』

『華氏451度』

一見風変わりな印象を受けたこのタイトルに込められた意味を知った時、全身に鳥肌が立つ思いがした。その本とは、レイ・ブラッドベリの『華氏451度』。

小説!フィクション!!のはずなのに、70年以上前に書かれたにしては、作者は、現代社会がこうなることを予め知っていたんじゃないか?と思ってしまう。

それくらい、現代社会の在り様を如実に表しているように、私には感じられた。

情報過多な現代社会。そこで如

もっとみる