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すべての夜を思い出す〜団地へのあこがれと絶望
ものごころついた頃というのが正しくはいつ頃を指すのか知らないが、とにかくその頃、実家のすぐ北側で団地の造成工事が行われていて、祖母に手を引かれ日参してたのが最も古い記憶の一つだ
ここで問題なのは、私が覚えている映像が祖母と自分のうしろ姿ということで、実際には工事現場のことはいわゆるひとつのデジャビュなのかもしれない
その後、小学校、中学校ともに人口急増学区で、団地がいくつもあったし、学校が分離
野球どアホウ未亡人〜知らないからこそ生まれるカルト
『野球どアホウ甲子園』という漫画があったのであり、主人公は甲子園と阪神しか知らない坂田三吉でありながら、堂々カンニングで東大入試を突破してしまい、阪神のエースとなるあきれた水島ドリーム漫画だ
『ドカベン』に代表される手を替え品を替え輪廻転生的に主人公たちがスケールアップする大河ドラマは漫画のお手本だと思う
作者が文字通り『野球狂の詩』を地で行く人であってこその偉業だが、真逆に野球のルールすら知
瞳をとじて〜ミツバチのささやきとシネヴィヴァン六本木
スーパーのセルフレジで人が並んでいるのに気づかなかったり、牛丼屋で手元が狂ってボロボロこぼしてしまったり、アタマでは分かっていても脳がカラダに命令を伝えてくれないことが増えた
王さんと同じくらい憧れの選手だった高田繁さんは、イメージと捕球位置との間に20cmぐらいの誤差が出るようになったと現役を引退したのだったが、守備位置にボールが飛んできてもどうしていいかわからずオタオタしている感じだ
六本
ロブスター〜甲殻類アレルギー者の悦楽
海老が食べられない日本人、野沢菜漬けが食えない信州人は、キムチを受け付けない韓国人にたぶん等しい
もしも郷里で選挙に出たら、私は何票獲得できるだろうか、いま住んでる場所でも見知らぬ土地に落下傘で舞い降りるのでもいっしょだ、少なくとも当選できない自信がある、まあそういうことだ
さらに似たような屁理屈で、かつて結婚できない男な気がしていた、進んでしようとは思わなかった、できようができまいができれば
季節のはざまで〜子どもでいることはむずかしい
父親から相続した遺産はごくわずかなものであったが、保険にも一切入っておらず、葬式代ものこさなかったてな話を聞くとありがとうパパと言わざるを得ないし、相続税の割合というか払わされた額を思えば、都内某区が空き家だらけなのもよくわかる
だがしかし、過ごした年月以上に想い出が詰まった生家、実家を取り壊すのは忍びない、朽ち果てるまま残しておきたいという場合もあるにちがいない
諸事情省くがおととしから片付
女優は泣かない〜自己回復やら原点回帰
いつぶりだか思い出せないが、アドラー心理学の本を斜め読みした
食いもののうまいまずいを口にする人間は心が貧しい、さもしいてなことを祖母がしきりに言っていたのと、淀川長治がどんな映画も絶対にけなさなかったのと通じるものがあった
フロイト的にトラウマとかコンプレックスにこだわって生きてきた面が大いににあり、前を向くきっかけにはなるかもしれない
と感じたその日にこの作品を観た
冒頭の印象は正直よ
落下の解剖学〜妻に私を殺させない方法
かなり壮絶な夫婦喧嘩を何度もした
その愚かさを忘れてはならじと思い、リビングのサイドボードのガラスにはガムテープが貼ってある
諍い自体はいまだにやまず、あのとき別れておけばよかった、人生返せと妻がいくら叫べども、私の卑屈な性情は容易に変わらぬのであった
いくら北斗晶が強くとも、佐々木健介が本気を出したら殺されてしまうだろう
それと同じ理屈で自分も男の端くれであるから、いくら粘っても負けてや