すべての夜を思い出す〜団地へのあこがれと絶望
ものごころついた頃というのが正しくはいつ頃を指すのか知らないが、とにかくその頃、実家のすぐ北側で団地の造成工事が行われていて、祖母に手を引かれ日参してたのが最も古い記憶の一つだ
ここで問題なのは、私が覚えている映像が祖母と自分のうしろ姿ということで、実際には工事現場のことはいわゆるひとつのデジャビュなのかもしれない
その後、小学校、中学校ともに人口急増学区で、団地がいくつもあったし、学校が分離して仲のよい友だちと別れることもあった、昭和の自分史としてそのあたりを詳しく書いておきたいと思うが、どうも整理がつかない
とにかく団地世代の団地周縁の子であった、集合住宅に憧れ、上京したら団地かマンションに住むのが夢だった、近くの団地たちは建物も住民も年老い、どうにか立っているものの、ベランダの様子から察する限り、空室のほうが多いようだ
完全にリタイアして、家を売り、妻と二人で、あるいはひとりきりで、ようやく団地に住める日が来るかもしれない
そのときはきっと自力では暮らせなくなっているだろうし、生きててシアワセなのかどうか、かなり怪しい
越し方行く末を考えさせられる映画だった
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