manabufujisawa

松本出身 猫部屋 下北沢近辺在住 アマ野球、MLB、独立系映画、黒人系音楽など愛好者 …

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松本出身 猫部屋 下北沢近辺在住 アマ野球、MLB、独立系映画、黒人系音楽など愛好者 モーニング→ヤングマガジン→FA→東京都写真美術館広報誌別冊ニァイズ編集補 日本マンガ塾講師 無所属新

最近の記事

まる〜アートという魔法の言葉被害者友の会

趣味と実益を兼ね、仕事の一環として、アートに憧れたりすり寄ったり応援したりリスペクトしたりナメられたりバカにされたり裏切られたり、あくまで主観的にはパクられたりもした ただの門外漢が見聞きしたことは事実であっても決して真実ではないかもしれないし、ちょっとどうよと思うことは相手も同じく思っていたにちがいないのだが、未遂で終わったはずの企画が堂々実施されていたり、ありえない出来事は一度や二度ではない アートの人、アートな人たちはこの作品をどう捉えるのか 有名現代美術家、女性

    • 僕はイエス様が嫌い〜みずみずしい凶器

      母親のパート先の木工所一家がクリスチャンで、クリスマスパーティーに呼ばれて行ったら、自分が思い描いていたケーキや七面鳥やサンドウィッチの姿はどこにもなく、漬け物やのり巻きばかりが並んでいた気がする 約束の地との乖離に絶望して早々に退散したのだが、折しも当地には珍しい大雪の夜、膝下まで埋もれ、容易に進めず、思わずイエス様を呪ったのは口から出まかせの後づけだ 実家の近くにあるモルモンの教会へ通っていたときは、彼らの教祖様が巻き起こしたという奇蹟に違和感を覚え、中学生心にそんな

      • シビル・ウォー〜永田町が消えてなくなる日

        人生に必要なことのかなりの部分を間接的にアメリカに依存してきたのであり、親には若く兄姉には遠い世代の人たちのような反米意識などかけらもない、むしろアメリカ人になりたいと思っていたほどだ 日米安保条約には日本を守る義務はないと知っても、ベースボールと野球がある限り、きっと大丈夫だと信じている 宗主国と言わざるを得ないアメリカがこんなことになったらどうする、悪い夢であってほしいと願うも、トランプが浮き彫りにした分断は想像以上にリアルなのかもしれない 日本の分断は奈辺から起こ

        • スオミの話をしよう〜天下御免のマンネリズム

          もはやネットなしでは生きられないにせよ、メディアが街の声とかSNSの反応を取り上げるのは、世間の顔色を窺っているだけで、大衆迎合の極みと言わざるを得ず、取材する時間も予算も能力もないので二次情報をまとめるしかないのだと断ずる しばしば憶測や風評を鵜呑みにしてしまい、スマイリーキクチ事件の加害者のようになりかねない危機に瀕したりもするのだから、世の中みんなバカなのだとはうかつに言えない 三谷幸喜の作品もしくは三谷幸喜には反射的に観たいと思わせるだけの力があり、今回も公開早々

        まる〜アートという魔法の言葉被害者友の会

          ぼくのお日さま〜とてもアナログな絶望と希望

          何かをひたむきにがんばったり、たまたま見出されたりしたことはないが、なんだかんだと応援したりバックしたり育てたりしたことはあったと自負する反面、つぶされたと言わば言えと居直る場合もそれなりにあった 親ヅラとか指導者ヅラをしたりよかれと思ってこころを鬼にしたり、相手のために親身になるスタンスは必ずしも正しくなかったし、明らかに間違いや錯覚だったのかもしれない 他人とどう関わってよいものかわからなくなりかけていたころ、いい塩梅にコロナが流行り、関わらなくてよい人と関わらずに済

          ぼくのお日さま〜とてもアナログな絶望と希望

          本日公休〜老いと年輪と滋味

          小津安二郎のように六十歳の誕生日に逝き、還暦を純粋に達成した人もいるにはいるし、あれもこれも潔く打ち捨て、定年ならぬ諦念の境地に至るのが人の道というものなのだろうが、いまやあきらめたらゲームセットなのだった あくせく働かなくともなんとかなる、逃げきれそうな気はする、だがしかしあれこれ備えておかねばならぬと、定年前に複数の副業に手を染めた結果、自分の身体も家族との関係も職場での立ち位置も微妙になった やがてXデーが来て、想定外の再雇用となり、あまりの冷遇にますます微妙な気持

          本日公休〜老いと年輪と滋味

          とりつくしま〜愛妻家と恐妻家のはざまで

          なんだかんだでやはり妻しかいない、妻に先立たれたらどうしようといつも思う、つまるところ自分のことしか考えていないのだろうが、だからどうしたという話である 大島弓子『四月怪談』など、死後の世界、ポスト自分を見つめるドラマは数多い、特に目新しさはない、モノローグが耳障りなど、個人的にはマイナスの要素もあった だがしかし、ジワジワくる、人ひとりいなくなることがどれだけ軽くて重いかを実感させる、とりつくしまがない、よるべないことがどれだけ切ないか、しばらくじっと考えてしまう 結

          とりつくしま〜愛妻家と恐妻家のはざまで

          ボストン1947〜あまりにも直情にして爽快

          ついこないだの『ソウルの春』に続き、韓国映画、韓国人のエネルギーを体感する 日本人とは食べてきたものがちがう、骨の太さがちがう、野球のレベルは日本のほうが高いと信じて疑わないが、日本よりもやはりメジャーに近い 気の毒にメダルの重圧に押しつぶされた円谷幸吉と、あくなきリベンジに燃える孫基禎のちがいというか、夢に賭けるひたむきな情熱、駆け抜けるパワーの描写が力強かった(あまりにも直情ではあるが) おのずと『炎のランナー』(1981)がヴァンゲリスの音楽とともによみがえってき

          ボストン1947〜あまりにも直情にして爽快

          石がある〜観ると河原で水切りしたくなる石映画の決定版

          石映画の名作『無能の人』で忘れられないのは、女房を寝取られ落魄している神戸浩の演技だが、そもそも石に魅せられるというより石に耽る日常とはあまりにも虚無で、趣味などというものは陳腐に見えてならないのであった この作品の川向こうから渡ってくる男はある面閑雅とも言えるけれど、河原で平たい石を探し、ひたすら水切りをする毎日もまたかなり虚ろだ どうやら親が亡くなり、一人暮らしをしているらしい 老親の介護は免れたが、パラサイト的な地位を失い、精神的に瞑想しているのかもしれない き

          石がある〜観ると河原で水切りしたくなる石映画の決定版

          ナミビアの砂漠〜すべてが痛い生まれてすみません

          河合優実の声は天の声、天の声は妻の声、セリフのほとんどがどこかで聞いたフレーズであり、妻から投げられた言の葉をいま改めて大音量で浴びることになってしまった 釣った魚にはエサをやらぬか、この大ウソつき、こんなはずじゃなかった、人生返せバカヤローとなり、水掛け論が肉弾戦へと発展、よくそ殺されたり殺したりしなかったものだと我と我が身を振り返るしかない(秀作だ) ミッドタウン日比谷から上から目線で皇居方面を見下ろし、雅子さまにもぜひご覧いただきたいと思った

          ナミビアの砂漠〜すべてが痛い生まれてすみません

          地面師たち〜農耕文化という揺籠と墓場

          農耕こそ人類最高の発明であり、いつかどこかの誰かが百姓など始めなければ、カネや土地に苦しめられることはなく、闘争も戦争も人口爆発もなかったかもしれないといった意味も含めて、五反田のあの元旅館を目撃しておいてよかったとつくづく思う セキスイハウスの人には悪いが、旭化成との明暗も興味深い いま現実に、遺産相続、事業継承、土地活用といった問題に悩まされており、もっとカネがあれはとりあえずカタがつく、カネがあればあったで失うものも増える、先祖代々の土地は売りたくでもたやすく売れな

          地面師たち〜農耕文化という揺籠と墓場

          ソウルの春〜現代政治史をエンタメにできる国情できない国情

          姉の高校の同級生に韓国からの留学生がいて、義務が権利に優先するのが民主主義、それがわからぬ日本人はボケているてなことを力説したことを力説された記憶がある 自分は小学生だったが、当時BCLに夢中で、KBSラジオ韓国と朝鮮中央放送の熾烈なディスり合いを聴いていたので、その人が言わんとすることはなんとなくわかったような気がした それから数年後、朴大統領が暗殺された 田舎の小僧たちに、ボク大統領、ワタシ大統領と言わしめた巨星が堕ちたのだった ソウルの春一転、権力を渇望する者た

          ソウルの春〜現代政治史をエンタメにできる国情できない国情

          大いなる不在〜将に来らんとする将来へ

          認知症の父を介護したのは束の間だった 誤嚥性肺炎を起こして入院、胃瘻手術を受けて施設へ移り、植物状態で逝った まもなく二年になる 祖父母のときとちがって、およそ気持ちが揺れることはない そういう関係性だったのだと思う 今度は自分が父として死ぬ番だ 劇中の父子のような長い不在ではないが、息子とは久しく顔を合わせていない そういう関係性であり、よくある話に過ぎないが、このまま生き別れということもあり得る 父に聞いておけばよかったことがなくはない さして悔やまれることではない

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          Mommy〜1998年と和歌山毒物カレー事件とミキハウス

          1998年の記憶はこの件一色であり、夫妻の顔、押し寄せる報道陣に放水するミキハウスを着た奥さんのほかは、公私ともに何も思い出せない 高校生の彼女が箕島対星稜延長18回のアルプススタンドにいたと知るや、とても複雑な気持ちになったものだが、連日の大量の報道〜とは言えない代物〜を鵜呑みにし、彼らがやらずに誰がやるのだと(警察や検察同様)信じて疑わぬ一般大衆の一人であった 仮に冤罪だとすれば、前例にもまして世紀のと形容せねばならないし、メディアの暴走、司直の作文のままに色眼鏡で事

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          #夏の1コマ 2024 京都 天橋立

          京都、天橋立でインバウンドのいまを体感、どこへ行ってもゆくてを阻まれ、汗まみれで帰京するや松本へ、そして数日間伏せり、途方に暮れた夏 ある漫画の冒頭と重なるケーブルカーよ永遠なれ

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          日日是好日〜ハレとケの境を紛らしたい

          殿様の末裔で首相を務めたある文人は、白粉臭い場所でお茶など喫めないと言った そこだけ切り取られたら炎上必至かもしれないが、女性用コスメアレルギーの自分には痛いほどわかる至言だ 着物、和装も子どもの頃から苦手で、理由として考えられるのは、祖父がしばしば芸者に両脇を抱えられ午前様だった、そのあと必ず大人が四人でちびくろサンボのようになることだ おかげで日本髪イコール芸者さんという刷り込みになり、歳の離れた従姉の婚礼に出て、お嫁さんを指さして、あっ、芸者さんだと叫んだらしい

          日日是好日〜ハレとケの境を紛らしたい