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つがい〜CFF2024 カウリマスキもといカウリスマキ彷彿

話の前提として、いま悲惨にもあちこちが痛い、近年比較的快調だった古傷の右腰右脚が痛い、開幕絶望といった感じだ

かつて名画座、二番館三番館の椅子は当たり前のように座り心地が悪く、こちとら大いに若かったとはいえ、旧文芸坐のオールナイト上映などはかなり足腰にきた

あるとき小川紳介だか宮島義勇特集に異性を誘い、池袋から沼袋に連れ帰った日曜日の朝に異変が起こり、さらには駅前交番の巡査とまさかの衝突事件なども、下半身の重だるさとともに思い出される

ここ高円寺の映画スペースは早稲田のACTミニシアターを彷彿とさせ、ACTよりは座席が大駱駝艦の壺中天に近く、腰痛、脚痛を募らせる条件が十分に揃っていた

若干もとい弱冠二十四歳という映画監督が企画する自主映画フェスで、表題の『つがい』を観る

若い画家たちの二人展で、嫉妬、摩擦、軋轢、憎悪、順不同が静かに音を立て始める、闘争心は切磋琢磨につながり、互いに高め合うことにつながるかもしれないが、そんな健全な営みではなく、人間の本能が爆発、激しい私情に駆られて殺し合う続編を創ってほしい、モチーフは大友克洋の『ショートピース』だろうか

この監督はどこかカリ、カウリ、カウリマスキもといカウリスマキに似ている、淡々とした引きの画のまま、エグいシーンをたくさん撮ってほしい

映画は創り続けるには先立つものが必要なので、とにかくやめないで、映画のために働けと祈るばかりだ



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