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季節のはざまで〜子どもでいることはむずかしい

父親から相続した遺産はごくわずかなものであったが、保険にも一切入っておらず、葬式代ものこさなかったてな話を聞くとありがとうパパと言わざるを得ないし、相続税の割合というか払わされた額を思えば、都内某区が空き家だらけなのもよくわかる

だがしかし、過ごした年月以上に想い出が詰まった生家、実家を取り壊すのは忍びない、朽ち果てるまま残しておきたいという場合もあるにちがいない

諸事情省くがおととしから片付けをした、実家の、モノを絶対捨てない、昭和製造の寒天とか備蓄している老婆の目を盗んで、できるかぎりゴミにして廃棄したのだけれど、一年以上かけてもまだ終わらない、家ごと処分しなければおそらく永遠に未完だろう

それでもやはり捨てられないモノがある、祖父母の遺品やらアルバムやら自分らの玩具やら、時間や記憶を伴うモノどもだ

家の中を改めて経めぐることで、空気や匂いもまた保存されていることがわかる、時代や時間が建物に染みついている、いろんな情景、場面、表情が浮かんでくる、たのしいことのほうがむしろ少ない、ロクでもないことが多い

とはいえ、自分はここで育った、とりあえずここでいったん人格を形成されてしまった、そう思うとやはりせつない、もはや住まないかもしれないから壊してしまおう、あるいは終の住処にするため改築しようとか考えるつつも、このままにしておくのがいい気もしてきた

子どもでいることも大人になることも大変だ、終わりが近づくにつれどんどん自分が重なりあってしんどくなった、そういう映画だが観てよかった

雑もいいとこだがとりいそぎ感興をば




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