生きてるだけで、愛〜ヤク中の明けたり暮れたりする夜明け
「ひりつく」という言葉を知らずに生きていた、「ひりひりする」ということなのだが、人の痛みがわからないから気づかなかったのかもしれない
むろん映画みたいな人生を送ってきたわけではなく、ただ単にぼんやりしていた、大切な何かをたくさん置き去りにしてしまった気はする
なおさら「生きてるだけで、愛」といわれてもポカンとするばかりだ、「生きてるだけで丸儲け」と同じ感じだが、生きてるだけではどうにもならない、生きてるだけでなら死んだほうがマシだ
原作は読んでおらず、公開から５年後のいまAmazonで流し見していたら仕事どころではなくなった
躁と鬱を繰り返し絶えず地雷を抱える趣里が終始すごかったし、マンガをやりたくて出版社に入ったのに週刊誌に配属され心に澱が溜まってゆく菅田将暉のキレ方もヤバかった
鬱病だ母原病だ双極性障害だ発達障害だと診断され、周期的にクスリ漬けとなってきた自分には、ひりつくという感じがようやくわかった、人よりわかった気がするのだが、これだけ激しく爆発したりするうつくしさはない
いろんなことが堪えられなくなり、現実から逃げ出し、暗く落ち込み、一番身近な人間にネチネチと八つ当たりして、諍いを繰り返した挙句、このヤク中と罵倒されるパターンにうつくしさはない
もはやうつくしくないのは致し方ないが、若かった過去を振り返ってうつくしくないのはとても物哀しい
やはり映画みたいにうつくしくありたかった、いろんな場面、いろんな人を思い出してはアタマを抱えるばかりだ
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