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#小説

読書、美しい言葉をただ絵のように感じている

読書、美しい言葉をただ絵のように感じている

なんで自分はこんなに本が好きなのかな?って考えたときに、これまでは「知らない知識に出会える」とか「やったことない経験を本を通して味わえる」という一般的によく言われる理由なのかなーってぼんやり思ってたけど、よく考えるとそれが一番の理由じゃなかったです。やっとわかりました。

頭で理解するのではなく、美しい言葉をただ絵のように感じている
わたしが本を好きな理由は、芸術的といえるくらいの美しい言葉のかけ

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ブックレビュー ロバート・マッキー著『ストーリー』(7)前半 第3部 ストーリー設計の原則 ストーリーの本質 

ブックレビュー ロバート・マッキー著『ストーリー』(7)前半 第3部 ストーリー設計の原則 ストーリーの本質 

更新の間が空いてしまい、申し訳ありません。
『ストーリー ロバート・マッキーが教える物語の基本と原則』のレビュー第七回を投稿します。
(各回をまとめたマガジンはこちらです。)

※これまで1章分ごとにレビューをしてきましたが、第7章にあたる『第3部 ストーリー設計の原則 7 ストーリーの本質』はボリュームが大きいため、投稿を前、後半に分けます。
この投稿は「前半分」です。

※ こちらのレビューは

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正しい恋の終わり方 1

正しい恋の終わり方 1

0/オープニング
『ごめん、もう、無理だ。ごめん』

よく知っていたはずの、だけどほんとは全然知らなかったのかもしれない、きみの声。
私は何度も再生ボタンを押してしまう。心臓をえぐられるような痛みを感じながら、それでもその傷に消えるなと念じて、自分の胸にナイフを突き立てる。

1.
「ようするにさ、あたし一人が盛り上がってただけで向こうからしたらとっくに終わってたらしいんだよねえ」

芳川一馬と歩

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エモい文章の作り方

エモい文章の作り方

エモい。この不明瞭な形容詞が定着するなんて思わなかった。

エモさとは何なのか? Wikipediaには「感情が動かされた状態」、「感情が高まって強く訴えかける心の動きなどを意味する日本語の形容詞」と書いてあるけれど、いまいちよくわからない。

一方で、私の文章は、「エモい」と評価をもらうことが多い。謎めいた形容詞で言い表される文章とは一体どういうことなのか?

こんなことを書きながらも、自分自身

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文体って、一体なんのことなのか

文体って、一体なんのことなのか

2018年がもう直ぐ終わるけれど、この一年で最も素晴らしかった出来事は、文体とは何か、がわかったことだと思う。
ごめん、ちょっと興奮して、言いすぎた。
文体とは何か、の、片鱗がわかったことだと思う。

これから書くことは、ひょっとしたら、ライター1年目の人にとっても常識なのかもしれない。え、そんなことも知らずに20年近くライターやってたの?と言われるかもしれない。

なんだけど、わたしにとって、

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みんなが僕に「ケアが足りない」と言う意味が、ようやくわかった。

みんなが僕に「ケアが足りない」と言う意味が、ようやくわかった。

昔から僕は、「人に対してケアが足りない。佐渡島は人に厳しい」とよく言われる。

でも、僕は僕なりに相手のことを誠実に思い、一生懸命ケアしているつもりだった。

このギャップは、一体どうして生まれるのか?

その長年の謎が、臨床心理学者の東畑さんの新刊『居るのはつらいよ』を読むことで、ようやく理解することができた。

この本は、「ケアとセラピーについての覚書」という副題がついているが、僕が他人に対し

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