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なんとなく日記

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日々の生活のなか、ふと思い立ったことを、つらつらと書いていきます。
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#旅

長い散歩に出ることにした

長い散歩に出ることにした

午前7時42分。最寄り駅の羽後本荘駅から青森駅へと向かう長い長い散歩をはじめる。

通学時間帯と言うこともあり、制服姿の高校生たちがひっきりなしに行き交う。瑞々しい彼らの若さに触れた僕は、少しだけ浮き立つ。

弾む足取りで電車に乗り込む。席はまばらに空いていた。乗客と乗客との間に滑り込むように座り、ゆっくりと流れ行く景色を車窓越しに眺める。

あいにく今日は、鈍色の雲がどんよりと空を覆っている。ひ

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ここを発つ。

ここを発つ。

とうとう明日に僕はここを発つ。久しぶりの旅だ。とりあえず明日は鈍行電車を乗り継いで青森駅を目指す。そこで友人と落ち合って温泉に入るんだ。芯まで冷え切った体に染み渡るやろなあ。

青森を発った後は古巣の千葉へ向かう。そこでしばらく過ごした後、長崎を目指してひたすら南下する予定だ。もちろん、鈍行電車の乗り継ぎでね。いつ帰ってきてもいいし、途中下車でもしながらのんびりゆったり行こうか。

とりあえず、全

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物欲ないライフ。

物欲ないライフ。

ここ最近、物欲がめっきり減った。あれだけハードに使い倒していたAmazonアプリはもう久しく開いていない。もともと、かなりの物欲魔人だった僕。

多趣味だったこともあり、アコギ・水槽用品・釣り道具・キャンプ道具を腐るほど買い漁ってきた。今でもその名残たちが部屋を占拠している。まあ、れでも半分くらいは断捨離したんだけどさ。

つい先週うちに遊びに来た友人から「ものが多すぎ」と言われたばかりだ。そんな

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旅、言葉、グラデーション

旅、言葉、グラデーション

日本全国を旅していると、その土地土地の方言に出会える。

青春18きっぷを使い、鈍行電車に揺られながら目的地を目指す。長距離を移動するときは、複数の県をまたぐことは珍しくない。

暇つぶしがてらに、電車で話す人々の言葉に耳を傾ける。聞き慣れないイントネーションで、これまた聞き慣れない言葉を時折はさみながら談笑する女子高生たち。

何を喋っているのか理解できない部分が所々でてくる。そんな部分では何を

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夕波の遠鳴りが聞こえる。

夕波の遠鳴りが聞こえる。

16年来の付き合いがある友人と、今年のGWに岩手県へ旅行に行った。とはいっても、綿密な旅行計画は立てておらず、ほぼほぼ弾丸旅行に近いもの。

タイトな日程だったこともあり、足を運べた観光地らしい観光地は『龍泉洞』のみだった。

ただ、「海が見える場所でゆっくりしたい」というのが希望だった僕にとっては、十分に満足できる旅だった。なぜなら、窓から海を見渡せる旅館に泊まれたから。

ひとしきり観光を満喫

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君もどっかで見てるんかな。

君もどっかで見てるんかな。

長かった電車旅が終盤を迎えた。新庄駅から酒田駅へ移動するため、バスに乗りこむ。なんでも、トンネルの工事に伴い、しばらくはバスでの代行輸送なんだそうだ。

「乗客が少ないので、好きなように座席を使ってもいいですよ」

バスの運転手のアナウンスが車内に響き渡る。荷物が多かったから、めっちゃラッキーだ。隣の座席にザックを、通路にはスーツケースを置く。スーツケースは動かないように横に倒した。

背もたれを

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どこまでも、どこまでも。

どこまでも、どこまでも。

電車で旅をするときは、先頭車両に座ると決めている。だって、線路を眺められるから。

先頭車両の車窓からまっすぐとのびる線路を、何も考えずにただただ眺め続ける。

この線路の先には何があるのだろうか?どこまでも続いているのだろうか?などと考えることもない。

ぼんやり、ぼんやりとした時間が流れる。気づくと30分ほどたっているなんてこともざらにある。

遠くに明かりが見えてきた。駅のホームだ。電車が速

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調子はどうだい、友よ。

調子はどうだい、友よ。

生きていくうえで、力強く勇気づけたり、そっと寄り添って励ましたりしてくれる曲ってあるよね。聞き飽きるとかそういう次元じゃない、いわば人生のバイブル的な曲。

もちろん、僕にもあるよ。それは、Caravanの「TRIPPIN' LIFE」だ。この曲との出会いは、ちょうど今から19年前。高校3年生で、受験期まっただ中の頃だった。

当時の僕は音楽の素晴らしさに目覚めたてで、暇さえあればインターネットで

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夜明け前に発つのだ。

夜明け前に発つのだ。

旅に出る時は、“夜明け前に発つ”と決めている。

陽に染まる前の、深い闇に飲まれたままの街を通り抜け、最寄り駅へと向かう。

1人、2人、3人…。僕も含め、人は片手で足りるほどしかいない。
そりゃそうか、平日の始発電車に乗る人なんて、ほとんどいるわきゃないよな。

背負っていたザックをホームの地面に置き、大きく深呼吸をする。人々の呼気が混じっていない純な空気が、肺胞の隅々にまで染み渡る。

ああ、

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見たい景色が、きっとどこかに。

見たい景色が、きっとどこかに。

青春18きっぷでの、鈍行列車の旅が好きだ。

僕はいわゆる「乗り鉄」って生き物。大学生の頃から青春18きっぷを使っては、津々浦々を旅してきた。日本国内はほとんど網羅したんじゃなかろうか。

心がハッとするような景色に出会いたい…。それが、僕が旅をするたったひとつの理由だ。

「旅行の醍醐味はご当地グルメだ」などとよく言われるけれど、僕はそれほど興味がないんだ。一人旅ではよく、吉野家やガストなどで簡

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