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私の身体も魂も全部、私だけのものなんてことは、もうわかりきっている【映画『哀れなるものたち』】
ヨルゴス・ランティモス監督最新作の『哀れなるものたち』。
本作を鑑賞してしばらく、ガラガラの国道をぼんやりと車で走りながら、シャボン玉のように浮かんできた感想が、本記事のタイトルのそれだった。
正直に言うとランティモス監督の作品を、私は一切見たことがなかった。
『女王陛下のお気に入り』も『聖なる鹿殺し』も作品の名前だけは知っていたが、鑑賞したことはなかった。
苦手意識を持っていたとかそうい
悲劇を超えて遺されたもの【映画『スペンサー ダイアナの決意』を観て】
「ここでは2人の自分が必要なんだ」
「本当の自分と、(王室の人間として)写真を撮られる自分」
『スペンサー ダイアナの決意』の中で一番印象的だったセリフを1つ挙げてと言われたら、私はこのセリフを挙げる。
本作の中で、皇太子であり夫であるチャールズから、妻であるダイアナに告げられる言葉。
誰だってそうだと思う。
仕事を始めてからは特にそうだ。
仕事用の、公用に見られる自分。
そして、自分に正直な
それでも生きようとした貴方【映画『ブロンド』を観て】
マリリンの笑顔について、どうしてあんなにも魅力的に人々の瞳に映るのかを考えるとき、
私は彼女の心を想わざるを得ない。
単純に外見が美しいからだけではない。
どんなに人生に絶望して、身も心もボロボロになって、生きるのが辛くてたまらなくても。
それでも愛されることを諦めることなく、真摯に生きようとしてくれたその姿。
彼女自身、傷つきやすい自分の心の繊細さや克服しきれない劣等感にどれだけ涙を流し、絶
月よりも辿り着きたかった場所【映画『ファースト・マン』を観て】
映画『ブレット・トレイン』が公開されたこともあり、先日からブラッド・ピットの映画を立て続けに見続けていたところ、ちょうどいいタイミングで楽しいニュースが入ってきてくれました。
『セッション』『ラ・ラ・ランド』のデイミアン・チャゼル監督、最新作。
映画『バビロン』の予告編が解禁されました。
ブラッド・ピット、マーゴット・ロビー、トビー・マグワイアと豪華なキャストが勢揃いしており、映像を見ている限
御伽話で終わらない【映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』を観て】
少し前の話になってしまいますが、先日ブラピこと、ブラッド・ピットが映画『ブレット・トレイン』のプロモーションで3年ぶりに日本に来日してくれました。
普段映画のプロモーションがどのように行われているか、詳しくは知らないんですが、今回は映画に因んでかなり工夫を凝らしたプロモーションを施してくれたのでは、と思っております。
不運が特性の主人公の映画だから厄除けに行ってもらおう!と企画した人、発想が天
誰かと共に生きていくということ【映画『ドライブ・マイ・カー』を観て】
映画館で1度観た後、アマプラでインターナショナル版が配信された後に、加えて3回ほど鑑賞した。
公開されて1年ほどしか経っていないことを考えると、かなりのスパンで見ている気がするが、私にとってはそれだけ繰り返し観るほど、好きであると同時に自分自身の生き方について考えさせられる、そんな作品である。
以下、映画の内容について踏み込んでの考察・感想になるため、ネタバレ注意でお願いします。
1.ドライ
トム・クルーズという俳優の生き方【映画『トップガン マーヴェリック』を観て】
人生で初めて映画館で同じ映画を4回見た。
こんな経験、初めてである。
正直鑑賞前はよくあるアクション映画の1つだと思ってたし、全くと言っていいほど期待はしていなかった。
大体、「続編」というのは悪く言えば「2番煎じ」のイメージしか私にはなく、『トップガン』で言えば1作目からかなり年月を経ているからこそ、今更感もあり、SNSで話題になっていなければ見にいこうだなんて思わなかっただろう。
それなの