真山

映画とは全く関係のない仕事に就いてしまいましたが、やっぱり映画が好き。 主に映画に関す…

真山

映画とは全く関係のない仕事に就いてしまいましたが、やっぱり映画が好き。 主に映画に関する記事を書きます。

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noteを始めた理由について

1週間前あたりからnoteを始め、記事をポツポツと書いてきたが、そもそもなぜnoteを始めようと思ったのか。 なぜ、自分の考えを誰かに共有しようだなんて思い立ったのか。 それについても、記事としてまとめて書いておこうと思う。 きっかけは宇多田ヒカルさんのインタビュー記事。ここ数年、宇多田ヒカルさんの曲をずっと聴き続けている。 特に、2016年に活動再開されてからの曲達が好きで、新作は必ずチェックするようにしているし、ネトフリで配信されているライブ映像は少なくとも10回以上

    • 私の身体も魂も全部、私だけのものなんてことは、もうわかりきっている【映画『哀れなるものたち』】

      ヨルゴス・ランティモス監督最新作の『哀れなるものたち』。 本作を鑑賞してしばらく、ガラガラの国道をぼんやりと車で走りながら、シャボン玉のように浮かんできた感想が、本記事のタイトルのそれだった。 正直に言うとランティモス監督の作品を、私は一切見たことがなかった。 『女王陛下のお気に入り』も『聖なる鹿殺し』も作品の名前だけは知っていたが、鑑賞したことはなかった。 苦手意識を持っていたとかそういうわけでは全くなく、単純に映画館にて鑑賞する機会を逃してしまっていただけで。 「

      • 悲劇を超えて遺されたもの【映画『スペンサー ダイアナの決意』を観て】

        「ここでは2人の自分が必要なんだ」 「本当の自分と、(王室の人間として)写真を撮られる自分」 『スペンサー ダイアナの決意』の中で一番印象的だったセリフを1つ挙げてと言われたら、私はこのセリフを挙げる。 本作の中で、皇太子であり夫であるチャールズから、妻であるダイアナに告げられる言葉。 誰だってそうだと思う。 仕事を始めてからは特にそうだ。 仕事用の、公用に見られる自分。 そして、自分に正直な自分。 余程の善人か、鈍感な人間か、自分に自信のある人間か。 そうでなければき

        • 東京と私の人生と、幸せの在処

          東京で生活したことが、人生で一度もない。 私にとってそれはコンプレックスの1つだった。 もちろんそんな人たくさんいることはわかっているし、別段地元が嫌いとかそういうわけではない。 ただ、東京という日本で一番人が多い場所。 つまり、おそらく日本で一番競争が激しいであろう場所で、自分を試したことが一度もないということについて、私は時々考えてしまう。 「これでよかったのだろうか?」と。 ボーイ・ミーツ・ガール・イン東京最近の邦画についておすすめ一覧をぼんやり眺めていた際に

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        noteを始めた理由について

        • 私の身体も魂も全部、私だけのものなんてことは、もうわかりきっている【映画『哀れなるものたち』】

        • 悲劇を超えて遺されたもの【映画『スペンサー ダイアナの決意』を観て】

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          それでも生きようとした貴方【映画『ブロンド』を観て】

          マリリンの笑顔について、どうしてあんなにも魅力的に人々の瞳に映るのかを考えるとき、 私は彼女の心を想わざるを得ない。 単純に外見が美しいからだけではない。 どんなに人生に絶望して、身も心もボロボロになって、生きるのが辛くてたまらなくても。 それでも愛されることを諦めることなく、真摯に生きようとしてくれたその姿。 彼女自身、傷つきやすい自分の心の繊細さや克服しきれない劣等感にどれだけ涙を流し、絶望しただろう。 どれだけ助けを求めただろう。 消えてしまいたいと願っただろう。

          それでも生きようとした貴方【映画『ブロンド』を観て】

          だから、私はあなたを想っている【映画『燃ゆる女の肖像』を観て】

          高校時代、好きだった女の子の横顔を思い出した。 スマホを眺める顔。 単語帳を読む顔。 図書館で借りた本を開く顔。 学校であったことを話す顔。 他の友達の話を聞いて笑う顔。 電車を待ちながらぼんやりと外の景色を眺める顔。 正面じゃなくて横顔なのは、私が彼女の隣に並ぶのが好きだったから。 私じゃないどこかを見つめる彼女を、眺めるのが好きだったから。 私の視線に気づいて振り向く彼女に慌てて視線を逸らしたりした。 それを指摘され、笑って誤魔化したりした。 話をする際なかなか目を

          だから、私はあなたを想っている【映画『燃ゆる女の肖像』を観て】

          月よりも辿り着きたかった場所【映画『ファースト・マン』を観て】

          映画『ブレット・トレイン』が公開されたこともあり、先日からブラッド・ピットの映画を立て続けに見続けていたところ、ちょうどいいタイミングで楽しいニュースが入ってきてくれました。 『セッション』『ラ・ラ・ランド』のデイミアン・チャゼル監督、最新作。 映画『バビロン』の予告編が解禁されました。 ブラッド・ピット、マーゴット・ロビー、トビー・マグワイアと豪華なキャストが勢揃いしており、映像を見ている限りめちゃくちゃ煌びやか、豪華絢爛、トランペットが大音量で鳴り響く。 こりゃ金かけ

          月よりも辿り着きたかった場所【映画『ファースト・マン』を観て】

          美しさだけでは救われない【映画『ツリー・オブ・ライフ』を観て】

          先日、「ブラット・ピット出演映画の中でどの役が一番好きだったか」という思いつきで映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』を見直し、考察や感想について記事を書きました。 この記事の後、「逆にブラット・ピット出演映画の中でどれが一番”しんどかったか”」を考えた時に思いついたのが、映画『ツリー・オブ・ライフ』です。 初めて鑑賞したのが確か数年前でその時もかなり靄っとしたまま数日間引きずった覚えがあり、「数年ぶりに鑑賞してみれば印象が違うかもしれない」と思い、最近見直

          美しさだけでは救われない【映画『ツリー・オブ・ライフ』を観て】

          御伽話で終わらない【映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』を観て】

          少し前の話になってしまいますが、先日ブラピこと、ブラッド・ピットが映画『ブレット・トレイン』のプロモーションで3年ぶりに日本に来日してくれました。 普段映画のプロモーションがどのように行われているか、詳しくは知らないんですが、今回は映画に因んでかなり工夫を凝らしたプロモーションを施してくれたのでは、と思っております。 不運が特性の主人公の映画だから厄除けに行ってもらおう!と企画した人、発想が天才なのでは。 新幹線が舞台の映画だから新幹線内でレカペやろう!と企画した人、発

          御伽話で終わらない【映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』を観て】

          見せ物として見ること、見られること【映画『NOPE』を観て】

          初っ端から度肝を抜かれる映画を久しぶりに見た。 ホラー映画は正直あまり見る方ではなかったし、ジョーダン・ピール監督の作品も今回の『NOPE』が初めてで。 『トップガン マーヴェリック』を鑑賞した際に、予告を幾度か見て「面白そうやないの」と思い、軽い気持ちで見に行ったんですが、めちゃくちゃ怖かったし、生々しかったし、面白かった。 そして、映画館で見て大正解な映画でした。 以下、ネタバレを含む感想や考察を述べていきます。 冒頭のインパクト冒頭、コメディ番組の楽しそうな音声

          見せ物として見ること、見られること【映画『NOPE』を観て】

          世界で自分が一番最悪な人間に思えても【映画『わたしは最悪。』を観て】

          タイトルを見た瞬間、自分自身を「最悪」だと思えた数々の出来事が、頭の中でフラッシュバックした。 そうだ、自分自身を「最悪」だと思えるような出来事を何度経験してもなお、私はまだ、みっともなく生きている。 この映画の主人公は、どうだろう。 一体どんな「最悪」を経験してきたのだろう。 そんな思いで映画館の席に着いた。 以下、ネタバレを含む感想や考察を述べていきます。  ユリヤという主人公についてオスロの美しい空の下、主人公のユリヤが1人佇んでいる姿から物語は始まる。 そ

          世界で自分が一番最悪な人間に思えても【映画『わたしは最悪。』を観て】

          誰かと共に生きていくということ【映画『ドライブ・マイ・カー』を観て】

          映画館で1度観た後、アマプラでインターナショナル版が配信された後に、加えて3回ほど鑑賞した。 公開されて1年ほどしか経っていないことを考えると、かなりのスパンで見ている気がするが、私にとってはそれだけ繰り返し観るほど、好きであると同時に自分自身の生き方について考えさせられる、そんな作品である。 以下、映画の内容について踏み込んでの考察・感想になるため、ネタバレ注意でお願いします。 1.ドライブが表現するものについて映画内で明確に語られているわけではないが、西島秀俊さん演

          誰かと共に生きていくということ【映画『ドライブ・マイ・カー』を観て】

          トム・クルーズという俳優の生き方【映画『トップガン マーヴェリック』を観て】

          人生で初めて映画館で同じ映画を4回見た。 こんな経験、初めてである。 正直鑑賞前はよくあるアクション映画の1つだと思ってたし、全くと言っていいほど期待はしていなかった。 大体、「続編」というのは悪く言えば「2番煎じ」のイメージしか私にはなく、『トップガン』で言えば1作目からかなり年月を経ているからこそ、今更感もあり、SNSで話題になっていなければ見にいこうだなんて思わなかっただろう。 それなのに、だ。 「これだから映画は最高だ」と鑑賞後に感慨に耽ることになるだなんて。

          トム・クルーズという俳優の生き方【映画『トップガン マーヴェリック』を観て】