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#自伝
【自伝小説】最南端の空手フリムン伝説|著:田福雄市@石垣島|第10話 七転八倒編(3)
【肉体改造】ウエイトトレーニングに没頭するフリムンに、師範から昇段審査を受けるよう指令が出た。
弐段を許されてから5年後のことであった。
前回の審査の時と違い、現役を退いてからかなりの年月が経っていた事もあり、フリムンは審査に向けある事に着手した。
そう、筋肉の質を変える「肉体改造」である。
空手用の筋肉とパワー用の筋肉は全く違う。
パワー競技に筋持久力やスタミナは必要ないが、空手の試合
【自伝小説】第4話 高校編(2)|最南端の空手フリムン伝説|著:田福雄市@石垣島
ケンカ空手
部活を辞め、町道場に通う決意をした少年。
退部した後も、顧問の先生から執拗に戻るよう説得されるも、意固地な少年の心が揺らぐことはなかった。
これが少年の良いところでもあり、悪いところでもあった。
しかし、この一本気な性格のお陰で、俗に言うミラクルを何度も引き起こすのだから、それはそれで良かったのだろう。
ただ、それもまだまだ先の話しである。
それから暫くして、知人の紹介で極真
【自伝小説】最南端の空手フリムン伝説|著:田福雄市@石垣島|第5話 上京編(3)
東京ラブストーリーそれから数ヶ月後、そろそろ労災が切れるとの事でフリムンは東京に引き返す事にした。
もちろん、時間差で彼女も後を追い掛ける約束をしてくれた。
帰省時と違い、東京に戻る時のフリムンはまるで別人だった。
これから始まる「東京ラブストーリー」を想像しながら機上の人となったフリムン。
東京に着くまで、ずっとニタジー(ニヤケ顔)が止まらなくなっていた(笑)
それから更に数ヶ月後、彼
【自伝小説】最南端の空手フリムン伝説|著:田福雄市@石垣島|第6話 帰省編(1)
巧の技
はじまりnoはじまり今から32年前の1991年。2m100kgクラスの超大型外国人選手も出場する4年に一度の「極真世界大会」で、僅か165cm70kgの日本人選手が見事頂点に立った。
フリムン(当時25歳)が石垣島に帰省して直ぐの事である。東京に住む友人からその報せを受けたフリムンは、体を震わせながらこう呟いた。
「俺はいったい何やってんだ…」
主治医から「過度な運動は一生禁止」
【自伝小説】最南端の空手フリムン伝説|著:田福雄市@石垣島|第6話 帰省編(4)
ゴッドハンド来沖極真会館が沖縄に支部を設立して5年目の事である。
遂に県内で初めての公式大会、「全九州空手道選手権大会」が開催される運びとなった。
まだ沖縄県大会が始まる1年前の事である。
フリムンは、この大会を是が非でも観戦しなければならなかった。
何故なら、この世界で本格的に活動するために、県内に住む空手家たちのレベルを知っておく必要があったからだ。
石垣島ではまだ脅威となる相手に出
【自伝小説】最南端の空手フリムン伝説|著:田福雄市@石垣島|第7話 黎明期編(3)
【行ったり来たり漫才】遂に七戸師範との邂逅の瞬間がやってきた。
県大会では挨拶程度の会話しかできなかったが、これから行うのは挨拶なんて生易しいものではない。まかり間違えば、逆鱗に触れるかも知れない重大な話し合いなのだ。
意を決したフリムンは、一歩ずつ、一歩ずつ、高校時代からの夢を叶えるために道場までの階段を上り始めた。
しかし、途中まで来ると何故か突然心拍数が爆上がり。
呼吸を整えるために
【自伝小説】最南端の空手フリムン伝説|著:田福雄市@石垣島|第7話 黎明期編(4)
【初審査】入門から3ヶ月後、遂に審査の日がやってきた。
フリムンの白帯に、偽物ではなく本物の色が付く日がやってきたのである。
ちなみに極真の審査は、内容の厳しさもそうだが、黒帯を取るまでに最低でも10回は審査を受けなければならないという厳しさがある。
「白帯」→「橙帯」→「橙帯一本線」→「青帯」→「青帯一本線」→「黄色帯」→「黄色帯一本線」→「緑帯」→「緑帯一本線」→「茶帯」→「茶帯一本線」
【自伝小説】最南端の空手フリムン伝説|著:田福雄市@石垣島|第8話 暗雲編(2)
【大脱走】術後、そのまま入院する事となったフリムン。
病院のベッドで天井を見つめながら、あの東京での悪夢を思い出していた。
「俺はどうしてこんな星の下に生まれたのだろう」
生まれてこの方、上手くいった試しがなかった我が人生。
もうこのまま朽ち果ててしまうのだろうか。そんな事を考えながら、同好会の先行きや家族のことで頭を悩ませていた。
そんな入院中に、突如沖縄本島より先輩が二人お見舞いに来