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#フリムン
【自伝小説】最南端の空手フリムン伝説|著:田福雄市@石垣島|第5話 上京編(2)
救世主声が聞こえた方向に目をやると、作業服を着たおっちゃんがタバコを銜えながら立っていた。
いきなり店の入り口からホフク前進で男が出てきたのである。きっと驚いたに違いない。
その声を聞いた瞬間、フリムンは心の中で神に感謝した。
しかし、それで痛みが消えるわけではない。
声を振り絞り、事の次第を説明しながら救急車を呼んでくれるよう哀願した。
すると、そのおっちゃんが「兄ちゃん少し痛むぞ」と
【自伝小説】最南端の空手フリムン伝説|著:田福雄市@石垣島|第5話 上京編(3)
東京ラブストーリーそれから数ヶ月後、そろそろ労災が切れるとの事でフリムンは東京に引き返す事にした。
もちろん、時間差で彼女も後を追い掛ける約束をしてくれた。
帰省時と違い、東京に戻る時のフリムンはまるで別人だった。
これから始まる「東京ラブストーリー」を想像しながら機上の人となったフリムン。
東京に着くまで、ずっとニタジー(ニヤケ顔)が止まらなくなっていた(笑)
それから更に数ヶ月後、彼
【自伝小説】最南端の空手フリムン伝説|著:田福雄市@石垣島|第6話 帰省編(1)
巧の技
はじまりnoはじまり今から32年前の1991年。2m100kgクラスの超大型外国人選手も出場する4年に一度の「極真世界大会」で、僅か165cm70kgの日本人選手が見事頂点に立った。
フリムン(当時25歳)が石垣島に帰省して直ぐの事である。東京に住む友人からその報せを受けたフリムンは、体を震わせながらこう呟いた。
「俺はいったい何やってんだ…」
主治医から「過度な運動は一生禁止」
【自伝小説】最南端の空手フリムン伝説|著:田福雄市@石垣島|第6話 帰省編(4)
ゴッドハンド来沖極真会館が沖縄に支部を設立して5年目の事である。
遂に県内で初めての公式大会、「全九州空手道選手権大会」が開催される運びとなった。
まだ沖縄県大会が始まる1年前の事である。
フリムンは、この大会を是が非でも観戦しなければならなかった。
何故なら、この世界で本格的に活動するために、県内に住む空手家たちのレベルを知っておく必要があったからだ。
石垣島ではまだ脅威となる相手に出