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【小説】『ゆびさきに魔法』の続きが待ちきれない

【小説】『ゆびさきに魔法』の続きが待ちきれない

子どもの頃、父が定期購読していた文藝春秋。多分祖母の代から続いていた習慣だと思う。活字大好き少女だった私は応接間のテーブルに置かれているそれを手に取って気になる記事だけ読んでいた。

結婚したり父が亡くなったりして子育てに忙しくなってからは縁の遠い雑誌になっていった。

2度めのアメリカ駐在について行く時、子どもの手が離れて暇になったことと、会社の福利厚生で月に一冊日本語の本を送料無料で取り寄せて

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稲垣えみ子さんの『老後とピアノ』と『寂しい生活』

稲垣えみ子さんの『老後とピアノ』と『寂しい生活』

牛田智大さんのコンサートのことを記事にした時にいただいたコメントで稲垣えみ子さんを初めて知った。私と同年代で同じ頃ピアノを再開されたことを本に纏められているということで即取り寄せた。

そもそも新聞記者でバリバリキャリアを積んでおられた方なので、ピアノに向き合う姿勢もそこら辺の主婦の私とは段違いであるのは当然だけど、熱意など共感するところも多く、ところどころ大袈裟な表現もまた面白く読めた。

ドビ

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【読書】悲しみこそが人を優しくする

【読書】悲しみこそが人を優しくする

ひと月余りで『流転の海』シリーズを読み終わった。9巻4500ページ。それが速いのか遅いのかわからないけれども昭和22年からの20年ほどの時空の旅が終わり無事帰着。

熊吾という作者・宮本輝氏の父上をモデルにした主人公が50歳で四人目の奥さんに初めて子どもができてからの後半生を描いたこの小説は重厚長大にして深く、どちらかというと暗い。悲しみに満ちている。悲しみこそが人を優しくするということを私に教え

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『捨てちゃえ、捨てちゃえ』(ひろさちや著)を読んで

『捨てちゃえ、捨てちゃえ』(ひろさちや著)を読んで

自粛期間に断捨離を試みた方が多いそうですが、ごきげんママ♡の家は相変わらず物に溢れて窒息しそうです。ごきげんパパ♡の趣味がショッピングとは、結婚してから知ったのでした。救われるのはごきげんパパ♡が整理上手なことです。(それにしても断捨離というのは響きが仏教用語のようでよくできた造語ですね。)

それでもやっぱりすっきりした家に暮らしたい。個人の好みなので押し付けるわけにはいきませんが、(これまでさ

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セネカの『生の短さについて』を読んでドラム式洗濯機を買いました。

セネカの『生の短さについて』を読んでドラム式洗濯機を買いました。

ごきげんママ♡は大体1日8時間くらい寝ると快調に過ごせます。1日の3分の1ですね!人生90年としたら30年も寝ることになると思うともったいない気もしますが。

その起きている貴重な時間のうち、毎日39分を節約できると家電量販店で大きく宣伝されていたのが今や市民権を得てきたドラム式洗濯機。

少し前から気になっていたのですが縦型洗濯機が元気に動いているのでなかなか踏み切れませんでした。でも長い梅雨の

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100円で買える楽しみ

100円で買える楽しみ

毎週水曜日はピアノのレッスンの日。ハノンとツェルニーとショパンのワルツを今習っています。特に楽しいのが意外なことにツェルニーです。基礎練習でありながら曲としても成立している。子どもの頃は訳もわからず棒読みのように弾いていましたが、今の先生に教わると奥深い上によく練習?するので結構進むのです。ハノンは役に立つし大切ですが残念ながら単調、ショパンは難しすぎて気が遠くなります。この曲がうっとりするように

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