SDGsってよく聞くけどなに？アジア地域で初のモデル都市は地元、北九州市だった事実

「SDGs」という単語を聞く機会が増え、「どんな意味なんだろう？どうして有名なんだろう？」と考えたことがある人も多いと思います。
私もその1人です。地元が北九州市でモデル都市になっていると今年に入って知ったので汗
改めて勉強してみると、色々とわかってきたので書いていきます。

SDG(エスディージーズ)とはSustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の頭文字を取った略称で、2015年に国連で開かれたサミットで採択された「国際目標」です。SDGsに小さなsがついている理由は、その目標(Goals)が複数個(17個)定められているため「複数形」であるという意味です。
国際社会全体が一緒に取り組むために掲げられた目標ですが、具体的には何を目的としているのでしょうか？

▼ この記事でわかること
・ SDGsとは何か
・ 国際社会が目指している目標とは
・ アジア地域で初のモデル都市になったのは北九州市である事実

SDGsとは何か？その目的とは？

SDGsは国際社会全体が取り組むべき目標として掲げられています。
世界の人々が将来も幸せに暮らしていけるようにするために、世界の課題としてあげられる問題には「気候変動」「自然災害」「感染症」などのグローバルな環境問題から、「貧困」「経済成長」「格差」などの社会問題まで様々です。

✔誰一人残さない
そしてSDGsのコンセプトには、「Leave no one behind」つまり「誰一人残さない」が掲げられています。
これからは、「目標を達成するために地球規模で取り組んでいこう」とする意図が汲み取ることができます。
この目標は「持続可能な開発のための2030アジェンダ」として2030年に達成することを目指しています。

✔SDGsには都市・地域による取り組みが必要であるという考え
SDGsの指標は国単位での平均にとどまっています。しかし、実際には都市や地域レベルの取り組みが必要不可欠です。
そのため、国際比較が可能となる都市・地域レベルの指標を必要としています。
こうすることで、各都市や地域の分析や評価を行うことが可能になります。

SDGsの目標は17個！取り組む方法の違い

SDGsでは17個の目標と、さらに細分化された169のターゲットが決められています。
17個の目標は、全世界で取り組まなければいけません。
そして取り組む方法は先進国と発展途上国とで違いがあります。
それぞれの分野についてポイントとともにご紹介します。

✔発展途上国が先進国を目指し、先進国はサポートをする１〜６
１. 貧困をなくそう
２. 飢餓をゼロに
３. すべての人に健康と福祉を
４. 質の高い教育をみんなに
５. ジェンダー平等を実現しよう
６. 安全な水とトイレを世界中に

１〜６では、貧困や飢餓の問題を解決することや、衛生面の整っていて健康的に過ごせる状況を備えることなどの人が健やかに生活をする上での環境面、全ての人が平等であり、じゅうぶんな教育が受けられることなどの生活水準に関する環境面などの改善目標が掲げられています。
発展途上国は発展国レベルを目指すことが目標となりますが、日本でも格差や女性への社会的差別、貧困などが問題として存在していると言えるので、改善が求められます。

✔全ての人が経済的に豊かになるための目標７〜11
７. エネルギーをみんなに、そしてクリーンに
８. 働きがいも、経済成長も
９. 産業と技術革新の基盤を作ろう
１０. 人や国の不平等をなくそう
１１. 住み続けられるまちづくりを

先進国は、すでにある技術や制度をより進化させることが求められます。目標の７〜１１では、先進国が世界を引っ張る立場で動くことが必要です。
全ての国に住む人々が、経済的に豊かに生活できるようになることが目標とされています。

✔天然資源の持続可能な管理を目標にする１２〜１５
１２. 作る責任、つかう責任
１３. 気候変動に具体的な対策を
１４. 海の豊かさを守ろう
１５. 陸の豊かさを守ろう

消費と生産、天然資源の利用などを持続可能な状態にするための、地球環境保護のための取り組みが必要です。
先進国の発展途上国の利害が衝突する可能性がある目標なので、世界が協力をすることが求められます。

✔協力しあい、平和を続ける目標１６・１７
１６. 平和と公平を全ての人に
１７. パートナーシップで目標を達成しよう

持続可能な開発には、世界が平和であり続けることが必要不可欠です。
平和であり続け、協力し続けることが求められます。全ての国に生きる全ての人が参加することが求められます。

SDGsにおける日本の取り組みとは？優先事項８個

日本の内閣は、2016年５月20日に、総理を本部長とする「持続可能な開発(SDGs)推進本部」を設置しました。
この推進本部の目的は、「行政機関の連携を図る」ことや、効果的にSDGsへの取り組みを推進することです。
SDGsの実施指針には、「日本は課題解決先進国(先駆者)として持続可能な経済や社会づくりに向けて、今後ともにロールモデルとなること」を目指すこと、とされています。
そして、その目標達成のために特に８つの優先課題があると言われています。

１. あらゆる人々が活躍する社会・ジェンダー平等の実現
２. 健康・長寿の達成
３. 成長市場の創出、地域活性化、科学技術イノベーション
４. 持続可能で強靭な国土と質の高いインフラの整備
５. 省・再生可能エネルギー、防災・気候変動対策、循環型社会
６. 生物多様性、森林、海洋等の環境保全
７. 平和と安全・安心社会の実現
８. SDGs実施推進の体制と手段

上記８つの優先課題については、「SDGsアクションプラン2020」に具体的な施策が記載されています。

アジア地域で初のモデル都市になったのは北九州市である事実

北九州市はアジアで初めて、OECD(経済協力開発機構)によりSDGs推進に向けた世界のモデル都市として選ばれました。
はい、私の地元です。汗
世界で選定された都市としては、他にドイツのボン市、イタリアのフリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州やトスカーナ州、デンマークの南デンマーク地方、アルゼンチンのコルドバなどが選ばれています。

✔選ばれた都市の役割とは？
選ばれた都市は15〜18ヶ月かけて積極的にSDGsに取り組む都市として、調査・分析・評価を行います。

▼ 実施されるプロジェクト内容
・ 都市、地域レベルの国際比較が可能となる指標づくり
・ 調査、分析を通じた各都市、地域への評価、政策提言
・ 優良事例の抽出
・ ハイレベルの政策対話
・ モデル都市間の知識共有

このような取り組み結果は報告書としてまとめられます。この報告書は世界の地域や都市の取り組みを促進させるために、国際会議等を通じて世界中に発信されます。
北九州市としては、再生可能エネルギーや環境国際協力といった北九州市の強みを調査や分析を通じて適切に評価されることで、「世界のSDGsモデル都市」として国内外に発信していく意志を掲げています。

北九州市の教える「私たちにできること」

北九州市は2018年の６月に国から「SDGs未来都市」として選定されたことにより、２ヶ月後の2018年８月に「北九州市SDG未来都市計画」を発表しました。そこには、北九州市に住む市民ができることについて詳しく説明が書かれています。

✔SDGsのために市民ができることとは？
北九州市は、まずは取り組みを応援してほしいと言います。そして、「新しいことを行うのではなく、ちょっとした気づきや行動が大切である」として、３つの例を掲げています。
１. 自らの生活を見つめ直す
２. SDGsの取り組み応援団になる
３. SDGsに興味のある人が市民活動団体などでSDGsに関する活動に参加する

例えば、健康増進のためにウォーキングで通勤することや、SDGsに取り組む企業の商品を積極的に購入することが「私たちにできること」です。
興味がある人が、市民活動に積極的に参加することで、変化を期待しています。

✔市民活動団体として私たちができること
市民活動団体(NPOや自治会等)としての取り組みには、「団体の取り組みをアピールすること」があげられます。
例えば
１. 今行なっている活動がSDGsにつながるか考える
２. その活動が１７のゴールのうち、どのゴールに関連するか検討し、ホームページなどでゴールのアイコンを掲載し、PRすること
このような活動をすることで、他団体とのコラボレーションの可能性が生まれることや、新たに団体の活動に参加してくれる人を獲得できる可能性に期待がされています。

✔企業として私たちができること
企業や事業主には、自社の企業活動全般をSDGs視点で見直すこと、そしてSDGsに関する取り組みをPRすることが推奨されています。
その理由は、以下の通りです。
• 企業ブランドの向上により、売り上げの増加につながる
• 生産や調達方法を見直すことで、経営課題の抽出が期待できる
• 国内外の投資家の評価が高まる（ESG投資等）
SDGsの取り組みをしている企業を優先的に利用したいという個人が存在するため、販売先の拡大や顧客確保が見込めます。

✔SDGsには全ての人の協力が求められる
北九州市の掲げている目標はその市民だけでなく、日本全国そして世界各国に生きる人たち全員が共通して参考にすることができる目標であると言えるはずです。
世界を改善するには、１人一人の協力が必要なのです。