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現代散文自由詩人の独り言【休刊】

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自分の詩作、note上の詩ほか創作物、詩雑誌、古典的現代詩、詩教室などで学んだことを書いてきました。note投稿3年目に入るにあたり、タイトルを『「文学」と「作家」への道』と改め… もっと読む
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記事一覧

■note3年目突入 考えを変える宣言

■note3年目突入 考えを変える宣言

「文学」と「作家」への道(1)
   ※「現代散文自由詩人の独り言」改

◇「林真理子」研究(1)先日、「面白い物語だが、詩には影響はないか」と
林真理子の小説「アッコちゃんの時代」について書いたばかりだ。

今、林の最新エッセー「成熟スイッチ」(講談社現代新書)が売れているらしい。その最新作と対比で紹介されていた、彼女が昔書いたエッセーを読んだ。

「 野心のすすめ」(2013年4月刊、講談社現

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■「詩の実作講座」が3年目に――

■「詩の実作講座」が3年目に――

現代散文自由詩人の独り言(89)2021年1月から通う、現代詩実作講座(都内のカルチャーセンター)。
丸2年通い、3年目に入った。
何年も何年も通っている人がいる一方、2年間に消えた人もいる。
参加者同士で交流している人もいるようだが、ぼくは今は誰とも交流することもなく、作品を提出し、自分を含めた提出作についての先生の講評を謹んで聞いているだけである。

今月の提出作は、きのうアップした「バットと

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■面白い物語だが、詩には影響はないか

■面白い物語だが、詩には影響はないか

現代散文自由詩人の独り言(88)◇林真理子「アッコちゃんの時代」
2005年8月 新潮社刊林真理子の「本」はデビュー作の「ルンルンを買っておうちに帰ろう」(1982年刊)を読んだ記憶(ひょっとしたら読んでないかも。少なくとも手元にはない)は、あるがそれ以外は週刊誌掲載のエッセー以外に読んだことはなかった。ドラマ化されたものは何作か見たけれど。

この小説は、先月「■深みのない本と印象深い本」で触れ

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■ぼくの2022年「詩作」振り返り

現代散文自由詩人の独り言(87)◇結果が出ないまま…今年も暮れゆく2021年2月から、この今年最後の記事を入れてnoteに1249本の投稿をしてきた。
詩に限ると、今年アップしたのは460編。この中には「写真詩」と称し、主にスマホで撮った画像に短い詩風の記事を添えたものも、1編の詩としてカウントしているが、数だけでいえば相当の詩を書いてきた…と思っている。
投稿本数は3月59本中に詩=51本が最多

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■2022年ぼくが一番感銘した本

■2022年ぼくが一番感銘した本

現代散文自由詩人の独り言(86)スヴェトラーナ・アレクシエーヴィッチ「戦争は女の顔をしていない」(岩波現代文庫、2016年2月刊)ぼくは、昨年(2021年)12月25日に借りた吉増剛造の詩集「螺旋歌」から今月26日に借りた、同じ吉増の「花火の家の入口で」までに、地元区立図書館で172冊の本を借りた。
その中で、詩集や詩論などの本は2割もないだろう。ノンフィクション、雑誌、ビジネスもの、小説などなど

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■「詩の勉強」をしていない事実

■「詩の勉強」をしていない事実

現代散文自由詩人の独り言(85)この1週間、詩に関連した映画を2本見た。
それぞれについて、感想を詩の形で書いてみた。

「天上の花」
「眩暈 VERTIGO」

詩を読み、書き出したのが2年前。当初は日本の近現代詩のアンソロジーを何冊か買い、それを読んでいた。その後は、アンソロジーで気になった詩人に始まり、現代の現代詩作家の詩集を図書館で借りて読んでいた。
それら詩集の感想もポツポツ書いてきたつ

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■ユーミンは優れた〇〇

■ユーミンは優れた〇〇

現代散文自由詩人の独り言(84)酒井順子「ユーミンの罪」(講談社現代新書、2013年11月刊)

デビュー50周年の松任谷由実については、先日、「ユーミンはサイボーグ」と、「詩」に書いたばかりだが、本書は荒井由実時代、ユーミンにとっては初期を中心とした時代の各アルバムを評論したもの。デビュー40年の直後に出た本で、その時点の視座からの評論である。
「負け犬の遠吠え」で知られるこのエッセイストの本は

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■珍しく褒められたのだけれど

■珍しく褒められたのだけれど

現代散文自由詩人の独り言(83)◇言葉で語らず、風景が語った詩月に1度通う、現代詩の実作講座があった。
参加者が自作を持ち寄り、先生が講評するものだが、今回はきのうアップした「キラキラと」を提出した。

当初は違うタイトルだったものを、さらに少しだけ直してきのうアップしたが、ここのところの僕の詩に対する反応とほとんど変わらない状態である。

しかし、先生には
「いいわ、今までの中で最高!」と褒めら

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■詩を語り合う場はどこに?

■詩を語り合う場はどこに?

現代散文自由詩人の独り言(77)
◇今回のデキもよくない月に1度の詩実作講座にきのう提出した詩は、12日深夜にアップした「ある夫婦」。当初提出したタイトルをアップ時に変更した。

提出作品として、過去作の書き直しでなく何か書かなきゃ…と思いながら書けず、やっつけた詩である。
先生の批評は、面白い、とは言いながら「町谷さんらしい」という注釈付きである。「数字に絡めた話だけでなく、もうちょっと展開した

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■この「結果」どう受け止めれば?

■この「結果」どう受け止めれば?

現代散文自由詩人の独り言(82)「現代詩」を書く以上は、月刊詩誌の代表である現代詩手帖に載りたいものである。
だが、何度か書いたように、あの雑誌に載るのは到底無理。ああいう傾向の作品は書けないと思う。
なので、15回投稿して今年6月を最後に送っていない。
それとは別に、どんどん投稿したい、とは思うのだけれど細々とやっているだけだ。
最近は先月末締め切りの、半年に一度募集のあるメトロ文学館に送ったく

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■深みのない本と印象深い本

■深みのない本と印象深い本

現代散文自由詩人の独り言(81)11月の読書記録図書館から借りて月内にすべて読み切った本は5冊。
久保りこ「爆弾犯と殺人犯の物語」と宇野碧「レペゼン母」、そしてノンフィクションの鮫島浩「朝日新聞政治部」―の3冊は既に感想はそれぞれ書いた。

書ききれなかった2冊について、簡単に触れる。

◇川添象郎「象の記憶」

ディスクユニオン刊 2022年8月初版

副題「日本のポップ音楽で世界に衝撃を与えた

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■みなさんうまい「小説」を書かれる

■みなさんうまい「小説」を書かれる

現代散文自由詩人の独り言(80)◇久保りこ「爆弾犯と殺人犯の物語」を読んで双葉社刊、2022年9月初版。

新聞の書評を読んで気になり、図書館で借りたものを読む。心にひっかかる小説だった。
文芸本の出版社としては、新潮、文春、講談社あたりからずっと落ちる双葉社から出ている小説だが、なかなかセンスのいい小説だと思う。
「小説推理」なんていう文芸誌があったのか? と思いたくなるほどマイナーな雑誌でデビ

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■こんな「いい詩」を読み忘れ?

■こんな「いい詩」を読み忘れ?

現代散文自由詩人の独り言(79)
◇ビュー数が伸びない僕のnoteの低空飛行は続く。
昨年7-8月、今年2-3月ころには、月間ビュー数が1万を超えることもあったが、7月後半からは月あたり5千台に低迷している。11月はやや投稿本数を増やしているからか、少し上向き傾向にあるが、新しい読者が少し現れても、過去の読者が少しずつ剥がれ落ちている…ような気がする。

自分の詩は、面白くない、読み手の感情を少し

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■「韻」の踏み方がヘタなのかな?

■「韻」の踏み方がヘタなのかな?

現代散文自由詩人の独り言(78)◇宇野碧「レペゼン母」を読んで講談社刊、2022年8月初版。

和歌山の梅農家のおばさんが、ひょんなことからラップに出合い、長年家出し、勘当状態にあった実の息子が同じくラップをやっていたことから、バトルを仕掛ける――。

かなり荒唐無稽とも思えるお話。

著者は本作で、小説現代長編新人賞を受賞しデビュー。丁寧な筆致であり、読みやすくいて軽くない。

60を過ぎたおば

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