「どうして　この子は」ー詩ー

ボクが　いたずらばかりすると
母さんは　面と向かい合い
ボクの両手を　握って
目を見据えて　怒ります

どうして　お前は
ちゃんと　出来ないの
近所の　ふみちゃんも
隣の　たけし君も
いい子に　してるでしょ

公園の壁に
落書きしたのは　誰なの？

おとなりのおばあちゃんが
子供みたいに　大切してる
シャクヤクの花を　
勝手に　摘んできたのは何故？

折角　罠をしかけて
捕まえた　ドブネズミを
可哀そうだからって
逃がしちゃったのは　坊やよね！

小雀を　捕まえてきて
こっそり　部屋で飼いだして
母さんの　よそ行き　洋服に
鳥のウンチの　シミつけたのは　
坊やしかいない！

また　洗濯代　かかるのよ
うちは　貧乏で　無駄なお金ないの！！

まるで　ところてん突き棒から　
突き出されてくるように
母さんの　お小言は
終わりがなく　ゆるゆる続く

そのうちに　声が　鼻声になる
母さんの目からは　大粒の涙が　ぽろぽろ
あふれだす。

本当にもう　今日こそは　お父さんに　
叱って　もらいますからね

その　涙をみると　僕は大声で
泣いて　大泣きして　泣き続ける

「もういいの　泣き止みなさい
もう　いたずらしないよね」

そういって　母さんは　そっと
抱きしめて　くれる

僕が　大人になっても
いたずらが　止まないのは
また　天国の母さんに　叱られて
抱きしめて　もらいたいからかな

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