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「怪演」とはケイト・ブランシェットのためにある言葉か、、、『TAR』映画レビュー
ついに見てきました『TAR』。ケイト・ブランシェットの怪演が話題でしたが、本当に圧巻でした。この役を演じるまで元々どれほどのポテンシャルを持っていて、どれほどの努力を重ねたのだろう、、まさに「怪演」と言う言葉が似合う芝居でした。。
今回も超個人的レビューをしていきます。
『TAR』本編予告
あらすじ
リディア・ターは、ベルリン・フィルで女性初の首席指揮者に就任する。天才的な能力と努力で、ター
パリの美しさに酔いしれる、哲学的な映画『5時から7時までのクレオ』レビュー
今日はまたもやアニエス・ヴァルダ監督『5時から7時までのクレオ』(1962/フランス、イタリア)をレビューします。もおおおおおとにかくフランスの街並みとコリンヌ・マルシャンが美しいいい!!!!
実はこの作品、2019年にイギリスのテレビ局「BBC」が「女性監督による優れた映画100選」を発表してまして、第2位に選ばれているんです。ちなみに一位はジェーン・カンピオンの『ピアノ・レッスン』で、3位は先
ロバから見た人間の愚かさが描かれる『EO』映画レビュー
こんにちは。今日は人から勧めてもらい「EO」を見てきましたのでレビューします。主人公はEOと名付けられたロバです。ロバってお芝居できるの、、、引き出してるとしたらどうやって、、EOのつぶらな瞳に胸が痛くなります。
真っ赤な背景に独特のタッチで描かれたロバの絵。ホラーなのかドキュメンタリーなのかコメディなのか、、このフライヤーだけだと中身が想像しにくいですね。
結論から言うとおそらくロードムービー
ただの美しいロードムービーだと思ったら大間違い。『冬の旅』映画レビュー
”彼女は、路上を選んだ”
こんにちは。今日はアニエス・ヴァルダ監督の代表作「冬の旅」をレビューします。最近はジャンヌディエルマンに衝撃を受けてからというものずっとフランス映画縛りです。笑
全く前情報なしに見たのですが、おしゃれなポスターに綺麗な画で、なんとなく『ノマドランド』のような映画かな〜と思っていたんですが全然違いました。はい、全然違いました。すいませんでした。旅の結末を冒頭のシーンでいき
『秘密の森の、その向こう』映画レビュー 『燃ゆる女の肖像』とは一味違う美しい、3世代にわたる女たちの話。
『燃ゆる女の肖像』で知られるセリーヌ・シアマ監督の中編作品『秘密の森の、その向こう』をレビューします。静かで暖かく、どこか懐かしくて寂しい、とても美しい映画でした。
あらすじ
そうなんです。娘と幼少期の母が出会うといういわばタイムリープものなんですよね。と言ってもそのファンタジー要素は芝居や演出からは極限まで排除されており、不思議とネリーも動じることなくその状況を受け入れる。その二人の不思議な
「ジャンヌ・ディエルマン」映画レビューというかもはや体験記
こんにちは。ついに見ました。シャンタル・アケルマン「ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル1080、コルメス河畔通り23番地」。 220分、さあどんなもんかと意気込んでみましたが、ほんとに、見終わった後、こここれが世界で評価されるということかあああ!と衝撃で放心状態になりました。
英国映画協会の史上最高の映画100の一位に選ばれたとの事で気にはなっていましたが、長さで尻込みしてしまい、今になってやっ
東日本大震災復興の裏側で起こっていたこと。「生きる"大川小学校津波裁判を闘った人たち"」レビュー
「学校が子どもたちの命の最後の場所ではあってはならない。」
これは「大川小学校津波裁判」で裁判官が放った言葉です。
これは震災だけでなく、いじめ、事故、全てに言えることであり、この裁判はメディアに多く取り上げられました。
「砂にまみれた娘の目を自分の舌で清めるしかなかった」
「何度も何度も殺された気持ちになった」
「ゴミの中から我が子の遺体を掘り起こす気持ちがわかるか」
胸を突き抜けるよう
作りと仕掛けが素晴らしい実話「ペルシャン・レッスン 戦場の教室」レビュー
こんにちは。今日は「ペルシャン・レッスン 戦場の教室」のレビューをします。名前の通り、全編を通してペルシャ語のレッスンが戦場で行われる訳ですが、なんとそのペルシャ語は青年が生き残るために考えた出鱈目で、、、とにかく設定が面白いんです。そしてその設定がラストシーンで全てを語るかのように私達を困惑させ、理解させ、切なさや悲しみ、憎悪や安堵、色んな感情を引き連れてきて物語は幕を閉じます。しかも、実話。必
もっとみる衝撃すぎて2週間別の映画が見れなかった、、「対峙」の映画レビュー
「いい母親だったと思うことは罪ですか?」
私の人生で観た映画のトップ5に入る個人的衝撃作、フランツ・クランク監督の新作「対峙」のレビューをします。
設定としては、今問題視されている学校での銃乱射事件を扱ったもので、その実行犯の両親と不幸にも銃弾を受け帰らぬ人となった青年の両親が4人でまさしく「対峙」して話し合いをするというものです。
ちなみに実行犯もその学校の生徒で事件を起こした後その場で自