とうみや

俳優です。気ままに。超個人的感想を書いています。

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最近の記事

初、なんばグランド花月。

大変お久しぶりでございます。 いやー大変。 個人的にものすごくバタバタしていて、落ち着いて文章が書けずでこんなにも時間が。 ああマルチタスクできない。 ところでわたしは、生粋の関西人でありますが、なんと今まで吉本新喜劇を劇場で観たことがなかったんです。そもそも、土曜のお昼テレビで放送している新喜劇も、3歳から高校生まで続けていた習い事と時間が被り、ほとんど観たことがありませんでした。 そんなわたしが長めの帰省で時間を持て余し、突然思い立ってなんばグランド花月に当日券でお笑い

    • やっぱりディズニーはすごい『リトルマーメイド』レビュー

      私は子どもの頃からディズニーをたくさん見てきたわけでは無いので、アリエルに夢や憧れを抱いている訳ではありませんでした。 ただ、大学でミュージカルを専攻するほどのミュージカル大好き女なので、劇団四季版や、ブロードウェイの映像やCD,ディズニーランドのショーなどリトルマーメイドを、ミュージカル作品として楽しむことは多くありました。そんな私が今回の実写版を見て感じたことをできるだけそのまま書きたいと思います。 個人的な感想 本当に本当に映像が美しくて、人生で初めてIMAXという

      • 正体がわかった時の衝撃。圧巻の映画『怪物』レビュー

        こんにちは。ついについに見てきました『怪物』。 これだけの評価と話題性と最強タッグ。よくない訳が無い。 ただ、題名や予告編にミスリードされていい意味で裏切られた内容でした。 人の心を失った「怪物」の話ではありません。わたしたちの中でも往々にして起こりうるただの人間の話です。 そしてエンドロールで改めて実感する坂本龍一さんの美しい音楽、、、 見終わった直後カフェに飛び込みパンフレットを片手に見た熱量にままレビューしました。 あらすじ 感想「怪物」の正体 冒頭にも書いた通り

        • 「怪演」とはケイト・ブランシェットのためにある言葉か、、、『TAR』映画レビュー

          ついに見てきました『TAR』。ケイト・ブランシェットの怪演が話題でしたが、本当に圧巻でした。この役を演じるまで元々どれほどのポテンシャルを持っていて、どれほどの努力を重ねたのだろう、、まさに「怪演」と言う言葉が似合う芝居でした。。 今回も超個人的レビューをしていきます。 『TAR』本編予告 あらすじ リディア・ターは、ベルリン・フィルで女性初の首席指揮者に就任する。天才的な能力と努力で、ターは自分のブランドを確立し、作曲家としても地位を得る。しかし、マーラーの交響曲5番

        初、なんばグランド花月。

          魂の形について。イキウメ「人魂を届けに」観劇レビュー(考察)

          こんにちは。今日は映画ではなく、イキウメ『人魂を届けに』の観劇レポートといか考察です。 あらすじ かなり抽象的な会話劇が中心で、その場では頭の中では追いつけなくて明確に理解するのが難しくありました。なので最後の暗転の時間、頼むから終わらないでくれ、、、もう少しヒントをくれ、、と祈りましたが届かず。笑 休憩なしの2時間弱ほどで幕が閉じました。体感は1時間。といっても、疑問が残ってモヤモヤするとか、不快な感じはなくて、とにかく帰りの電車では登場人物たちのセリフや行動を必死に思

          魂の形について。イキウメ「人魂を届けに」観劇レビュー(考察)

          パリの美しさに酔いしれる、哲学的な映画『5時から7時までのクレオ』レビュー

          今日はまたもやアニエス・ヴァルダ監督『5時から7時までのクレオ』(1962/フランス、イタリア)をレビューします。もおおおおおとにかくフランスの街並みとコリンヌ・マルシャンが美しいいい!!!! 実はこの作品、2019年にイギリスのテレビ局「BBC」が「女性監督による優れた映画100選」を発表してまして、第2位に選ばれているんです。ちなみに一位はジェーン・カンピオンの『ピアノ・レッスン』で、3位は先日紹介したシャンタル・アケルマンの『ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番

          パリの美しさに酔いしれる、哲学的な映画『5時から7時までのクレオ』レビュー

          ロバから見た人間の愚かさが描かれる『EO』映画レビュー

          こんにちは。今日は人から勧めてもらい「EO」を見てきましたのでレビューします。主人公はEOと名付けられたロバです。ロバってお芝居できるの、、、引き出してるとしたらどうやって、、EOのつぶらな瞳に胸が痛くなります。 真っ赤な背景に独特のタッチで描かれたロバの絵。ホラーなのかドキュメンタリーなのかコメディなのか、、このフライヤーだけだと中身が想像しにくいですね。 結論から言うとおそらくロードムービーに区分される劇映画ではあるんですが、もちろんただロバを映すほっこりとした映画では

          ロバから見た人間の愚かさが描かれる『EO』映画レビュー

          ただの美しいロードムービーだと思ったら大間違い。『冬の旅』映画レビュー

          ”彼女は、路上を選んだ” こんにちは。今日はアニエス・ヴァルダ監督の代表作「冬の旅」をレビューします。最近はジャンヌディエルマンに衝撃を受けてからというものずっとフランス映画縛りです。笑 全く前情報なしに見たのですが、おしゃれなポスターに綺麗な画で、なんとなく『ノマドランド』のような映画かな〜と思っていたんですが全然違いました。はい、全然違いました。すいませんでした。旅の結末を冒頭のシーンでいきなり明かされ、そこからそれはそれは美しいとは程遠い彼女の旅を回想として追っていき

          ただの美しいロードムービーだと思ったら大間違い。『冬の旅』映画レビュー

          『秘密の森の、その向こう』映画レビュー   『燃ゆる女の肖像』とは一味違う美しい、3世代にわたる女たちの話。

          『燃ゆる女の肖像』で知られるセリーヌ・シアマ監督の中編作品『秘密の森の、その向こう』をレビューします。静かで暖かく、どこか懐かしくて寂しい、とても美しい映画でした。 あらすじ そうなんです。娘と幼少期の母が出会うといういわばタイムリープものなんですよね。と言ってもそのファンタジー要素は芝居や演出からは極限まで排除されており、不思議とネリーも動じることなくその状況を受け入れる。その二人の不思議な出会いは劇的なものとしてではなく自然に観る側も受け入れることができるのではないで

          『秘密の森の、その向こう』映画レビュー   『燃ゆる女の肖像』とは一味違う美しい、3世代にわたる女たちの話。

          「ジャンヌ・ディエルマン」映画レビューというかもはや体験記

          こんにちは。ついに見ました。シャンタル・アケルマン「ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル1080、コルメス河畔通り23番地」。 220分、さあどんなもんかと意気込んでみましたが、ほんとに、見終わった後、こここれが世界で評価されるということかあああ!と衝撃で放心状態になりました。 英国映画協会の史上最高の映画100の一位に選ばれたとの事で気にはなっていましたが、長さで尻込みしてしまい、今になってやっと。東京日仏学院での上映会に行って参りました。今回も引き続き超超個人的レビューを

          「ジャンヌ・ディエルマン」映画レビューというかもはや体験記

          東日本大震災復興の裏側で起こっていたこと。「生きる"大川小学校津波裁判を闘った人たち"」レビュー

          「学校が子どもたちの命の最後の場所ではあってはならない。」 これは「大川小学校津波裁判」で裁判官が放った言葉です。 これは震災だけでなく、いじめ、事故、全てに言えることであり、この裁判はメディアに多く取り上げられました。 「砂にまみれた娘の目を自分の舌で清めるしかなかった」 「何度も何度も殺された気持ちになった」 「ゴミの中から我が子の遺体を掘り起こす気持ちがわかるか」 胸を突き抜けるような言葉が遺族の言葉として劇中で語られてゆく。走れば1分足らずで登れる裏山があった

          東日本大震災復興の裏側で起こっていたこと。「生きる"大川小学校津波裁判を闘った人たち"」レビュー

          作りと仕掛けが素晴らしい実話「ペルシャン・レッスン 戦場の教室」レビュー

          こんにちは。今日は「ペルシャン・レッスン 戦場の教室」のレビューをします。名前の通り、全編を通してペルシャ語のレッスンが戦場で行われる訳ですが、なんとそのペルシャ語は青年が生き残るために考えた出鱈目で、、、とにかく設定が面白いんです。そしてその設定がラストシーンで全てを語るかのように私達を困惑させ、理解させ、切なさや悲しみ、憎悪や安堵、色んな感情を引き連れてきて物語は幕を閉じます。しかも、実話。必見映画です。 あらすじ 第2次世界大戦中、ナチス親衛隊に捕まったユダヤ人青年

          作りと仕掛けが素晴らしい実話「ペルシャン・レッスン 戦場の教室」レビュー

          「茶飲友達」超個人的映画レビュー

          こんにちは。今日は外山文治監督の「茶飲友達」のレビューをします。と、いうか今回はただ個人の感想を述べるだけです。出演者の中に尊敬する知り合いの俳優さんが居るのもあって、初日に拝見しました。 主人公の佐々木マナを筆頭に居場所のない若者たちが「茶飲友達、募集」という名目で新聞に広告を出して、シニア男性をターゲットにした高齢者売春クラブを運営しているという設定での物語です。おにぎりを万引きしようとしていた高齢女性をマナが売春クラブに誘った所から物語は大きく展開していきます。 な

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          衝撃すぎて2週間別の映画が見れなかった、、「対峙」の映画レビュー

          「いい母親だったと思うことは罪ですか?」 私の人生で観た映画のトップ5に入る個人的衝撃作、フランツ・クランク監督の新作「対峙」のレビューをします。 設定としては、今問題視されている学校での銃乱射事件を扱ったもので、その実行犯の両親と不幸にも銃弾を受け帰らぬ人となった青年の両親が4人でまさしく「対峙」して話し合いをするというものです。 ちなみに実行犯もその学校の生徒で事件を起こした後その場で自殺しており、立場は違えどどちらとも「息子を失った親」の対峙になります。 なんと

          衝撃すぎて2週間別の映画が見れなかった、、「対峙」の映画レビュー