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初、なんばグランド花月。

大変お久しぶりでございます。
いやー大変。
個人的にものすごくバタバタしていて、落ち着いて文章が書けずでこんなにも時間が。
ああマルチタスクできない。

ところでわたしは、生粋の関西人でありますが、なんと今まで吉本新喜劇を劇場で観たことがなかったんです。そもそも、土曜のお昼テレビで放送している新喜劇も、3歳から高校生まで続けていた習い事と時間が被り、ほとんど観たことがありませんでした。
そんなわたしが長めの帰省で時間を持て余し、突然思い立ってなんばグランド花月に当日券でお笑いライブを観に行きました。
のでレビューというか感想文です!!!


演劇は100回以上観ていますが、お笑いライブを劇場に観に来たのは初めて。
やはりお客さんは笑いに来ているからか、ものすごく明るくて騒がしくて年齢層もほんとに幅広い。
いつも演劇を観に行く時は、関係者っぽい人とかめちゃくちゃお芝居できそうな人とか凄く演劇に詳しそうな賢そうな人達で溢れていて、わたしも一応演劇ツウっぽい顔をしてチケットをもぎってもらう。
が、劇場の入り口に進むとびっくり、入り口の横でこの後出演するプラスマイナスさんが、ジーニーがランプから出てくる時みたいに、狭い台から身を乗り出してメガホンをもってお客さんを劇場に促す役割をしているではありませんか。
その時点でわたしのお笑いツウっぽい顔は崩壊して、1人で観に来ているにも関わらずニヤニヤして劇場に入りました。

平日の昼にも関わらず1階席は完売、2階席も半分ほど埋まっておりました。一階席には修学旅行生もいてとても賑やかな客席でした。

そして幕は上がり、ついに芸人さん登場。
今回の出演者はこのメンバーでした。
私は本公演2回目を観ました。




トップバッターはアインシュタインの2人。
テレビでも活躍する芸人さんだったからか、お客さんのテンションもぶち上がりで、みんなでお笑いライブを盛り上げようとする一体感が演劇にはない空間でなんか感動して涙が出ました。(なんで)

失礼ながら、いつもテレビでお笑い番組をみるとき、ボケる度に必ず笑いが起こるもんだから、スタジオにいるお客さんツボ浅すぎない?っていっつも思ってたんです。
でも、なんか、今日分かった気がする。
おもろい。生で笑わせてもらうと、ほんとにおもろい。し、なんていうか、今そこで私たちを笑わせてくれてる芸人さんに対して、応えるというか、なんかそういう、場所の空気みたいなのもあって、凄く笑えるんですね。
本当に素敵な空間だなと思いました。

が、、、
お客さんの中にものすっっごい癖のある笑い方というか終始大きな奇声を発してしまう方がいて、(もしかしたら障がいのある方だったかもしれない)芸人さんの作る「間」でそのお客さんが発声してしまい、間が成立しないみたいな事が起こってしまっていました。
あまり気にしないように漫才を続けるも、どうしてもその声に引っ張られてしまってなんとなくやりにくそうな雰囲気が。すんごくもどかしい。面白いんだけど。ああーー面白いんだけど爆笑したいんだけど。微妙にそこには至れない。仕方ない。こういうことが起こるのがお笑いライブ。これも楽しまないと。
と、思いつつ、その後の何組かの芸人さんも引っ張られてしまってお客さんももうひと段階笑えないみたいな状況が続いていました。
難しい。
正解がないと言い切れる演劇に対して、「ウケる」という確実なゴールがあるお笑いはいくら練られて天才的なボケをしても、環境によってはそれが憚られてしまう。
はあああ難しい。生のお笑いってすごいな。

その中で。
大きく流れを変えたのが、村上ショージさん。
1人でスーツに蝶ネクタイ、ギターを持って広い舞台に登場して、そこから怒涛のトークが始まり、一通り話した後「あ、ギターは弾けないんですけど」で大爆笑を掻っ払い。すると突然、その癖のある声が全く気にならなくなったんです。
きっとそれは村上さんの芸風として、絶え間なく喋り続けてたのもあると思うんですけど、会場の空気を逆に利用したのか、影響されないような話し方をしたのか、もう気にならなくなるくらいお客さんを強く惹きつける力があったのか。。。そもそも本人が恐らくいつもと違うであろう状況にまっったく動じていない。
もう68歳になったと話しながら、目が見えにくくなった話、白髪を染めたら赤くなり千鳥の大吾にいじられたが売れてるから言い返せなかった話、小便が飛ばなくなった話(スイマセン)、一つ一つの話が鮮明に思い出せるほど聞きやすくて面白くてカッコよくて。
その長年の実力を肌で劇場で感じることができて本当に素晴らしい時間でした。
そこからは流れが変わり、会場は爆笑の渦に巻き込まれていました。

ありますよねぇ、そういう生独特の流れ。演劇はもちろんオリンピックのパフォーマンスとかもそうだと思う。私も舞台上で少しでも噛んだり他の人がミスしたりすると終わるまでその変な緊張感を持ったまま結局立て直せない事がほとんど。自意識ってほんとに怖いですね。そういうところで持ち直せる人の精神力はどんな風に鍛えれば持てるようになるのか。。


そして。まだまだ続きますよ。
後半は、念願の吉本新喜劇。
池乃めだかさんの傘寿記念公演。80歳でもなお舞台に立ちお客さんを笑わせている。その事実だけで感動的です。
そして思ってた以上に、思ってたよりも三倍くらい、小さい。とてもとても小さい。言い方難しいけど、やっぱりカワイイ。調べると149センチだそう。
歩き方もどこか不安定で、隣にいる大きすぎる諸見里さんのパンチで再起不能になってしまいそうだなと不謹慎な事を考えながら見ていました。
が、パワーだけで挑まない、経験が培ったユーモアがたまらなく面白くて、カッコよくて、なぜか私は静かシーンの「真っ赤なピンクの薔薇やあ」っていうボケで30秒くらい笑っていた。
ほろっと温かい気持ちになれるような物語の構成に包まれつつ、最後にはやはり大爆笑をさせてくれる安心感でここ最近で1番何もかも忘れて楽しめました。

今まで見てこなかったことに大きな後悔を抱えつつ、これからも私はお笑いツウな顔をして東京に戻ってもお笑いを観に行きます。


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