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やっぱりディズニーはすごい『リトルマーメイド』レビュー

私は子どもの頃からディズニーをたくさん見てきたわけでは無いので、アリエルに夢や憧れを抱いている訳ではありませんでした。
ただ、大学でミュージカルを専攻するほどのミュージカル大好き女なので、劇団四季版や、ブロードウェイの映像やCD,ディズニーランドのショーなどリトルマーメイドを、ミュージカル作品として楽しむことは多くありました。そんな私が今回の実写版を見て感じたことをできるだけそのまま書きたいと思います。



個人的な感想


本当に本当に映像が美しくて、人生で初めてIMAXというもので見たんですが、序盤の海の深くまで潜っていく演出で引き込まれすぎて、ほんと、アトラクションに乗っているような、というかもはや自分が魚になったような、まさに「体験」でした。ハリー・ベイリー演じるアリエルも可愛らしくて、歌が素晴らしいのは言わずもがな、アニメとリアルのちょうどいい狭間で演じていたなという印象でした。
なんたって、新曲!!!あのアラン・メンケンとリン・マニュエルミランダがタッグを組み製作されたそうです。モアナを手がけた二人ですね。
エリックの新曲。個人的には最高でした、、エリックの印象自体今までとは少し違ってて、ほんと個人の感覚なんですけど、これまでのエリックの世間知らずのおぼっちゃま感が苦手だったんです。でも新しい設定として、本当は王家の血を継いでいないという設定が加わり、エリック自身の強い意思が感じられて、新曲もそれに伴い印象が大きく変わったように感じました。
怒涛のラップ曲も印象的でした。スカットルとセバスチャンの高速ラップなんて。解釈一致〜!!!って感じで一緒に観に来ていた友達と目を合わせてニヤニヤしてしまいました。ただ元々のリトルマーメイドの楽曲が大好きだった私にとっては、全然元々の曲がなくて少し寂しく感じてしまいましたが、、またリトルマーメイドの新しい一面が見れた感じがしてすっごく楽しかったです。

エリックの新曲の吹き替えバージョンです。海宝ボイス、、最高です、、

キャスティングに関して思う事。

まずこの件に関して、今回のこのキャスティングは賛同派です。
個人の考えとして、「TAR」の時にも書いたけど、人種差別という世界的に蔓延る問題に対し、ディズニーという世界中の人が注目する作品で本来のイメージを覆すキャスティングをすることはもちろん大きな賛同も批判も受けるであろうが、とにかくその問題に多くの人が関心を寄せ議論することが重要だと考えるので、私は素晴らしいと思いました。

ただ、ある友達と話している時に、「普段から差別問題とか悲しいニュースとかが無意識に入ってきてうんざりして、ディズニーの明るくてキラキラしたエンターテイメントを求めていたのに、こんなところにまで社会問題が介入してこられたら嫌だ」という意見を言われたことがあり。生活とエンタメや芸術の距離があまりに遠いことも少し悲しかったし、その意見に賛成することはその時はできませんでした。
しかし、実際この映画を見て、少し共感してしまったんです。と、いうのも、黒人の方がアリエルを演じるという新しい試みをしたことによって、劇中のアリエルのセリフ一つ一つに何か制作者のメッセージが込められているのではないか、とか、この状況は今の社会の構造を遠回しに表現しているのではないか、とか、考えなくてもいいことを考えてしまってすごく煩わしく感じる瞬間がありました。ただ純粋に物語を楽しむことができなかったです。

今回のリトルマーメイドは今の子どもたちの目にどう映っているのか。
「子どもだった頃の夢や憧れが壊されて悲しい」という意見が多く目立ちますが、それは自分が子どもだった時にあまりに焦点を当ててしまっている気がします。あまりに真っ直ぐ当事者として問題提起されているのに、」気付けなかったり受け入れることに拒否感を感じるのも無理はないと思いますが、ただのエンターテイメントとして消化してしまうのはやはり違うような気がします。この試みで今の生きる子どもたちが何人救われただろう。きっとこれはこれからの社会を真っ直ぐに観て作られた作品なんだなと思いました。

過去の美しかったものや価値のあったものは必ず変わっていきます。それもものすごいスピードで。その過程は間違いなく誰かの心を傷つけるし、大きな疑問や反発も起こるでしょう。けれど、それを受け入れる必要があるのはそれで救われる人がものすごい数いることと、未来を生きる子どもたちの為だと信じて考えることをやめずに今日も映画を見ます。

↓私の価値観が大きく変わった記事を。

https://front-row.jp/_ct/17570735


ご拝読ありがとうございました。

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