考えたことを言葉にする大学生。話し言葉と書き言葉、タメ語と丁寧語が混ざります。

考えたことを言葉にする大学生。話し言葉と書き言葉、タメ語と丁寧語が混ざります。

記事一覧

終わらない夏

もう二ヶ月が経った。 あれから私は、時折過去の自分がしてきた決断を振り返るようになった。 やっぱり行けばよかったと思う気持ちがないとは言い切れない。友達はあちこ…

凛
4週間前
1

おやすみ

市ヶ谷の無印のカフェで歯医者の時間まで、透き通るアイスティーを飲みながら待ってる。 梅雨入りして蒸し暑い外を眺めながら、自分の今について考える。 夢だったはずの…

凛
3か月前
4

全部ではないけれど

これまでの無理してきたツケが回ってきたのか、ここ数ヶ月、いや、数年。 体調が悪くなり、手術もして、1週間ほど学校を休んだりした。 そして私は気づいた。私は今、儀…

凛
4か月前

餞別

もうすぐで娘に会えなくなってしまう。 だから、娘にとびきりのプレゼントをあげることにした。 娘は小さい頃から、洋服やアクセサリーが好きだった。誕生日やクリスマス…

凛
6か月前

私と

私のバイト終わり、焼肉店で私たちは一緒にご飯を食べた。 いつも通りお酒も飲んでいた。 金曜の夜だったのもあって、いつもよりも多くお酒を飲んだ。 酔いが回ってきて…

凛
6か月前

大学生になるみんなに

進学が決まったみなさん、おめでとうございます。 去年に引き続き、新3年生になる私がいくつかアドバイスを考えてみました。結構役立つんじゃないかなと思うのでぜひ読ん…

凛
7か月前
4

移ろう

人の気持ちなんて、いとも簡単に移りゆくものだよ。 きっと、誰かに期待して、それが叶わなかった誰かの言葉だろう。 だけど、どんなものも、人もきっといつかは自分の元…

凛
7か月前

新しい年

偶数の年は奇数の年よりも穏やかに過ぎていくのは、気のせいだろうか。 今年になって初めて、評価の対象にならない、自分のためだけの文章を書いている。 去年は目まぐる…

凛
9か月前
1

誰もが

たぶん、大人なら誰もが、大切な人との別れを一度は経験しているだろうし、今は近くにいる誰かと、いつか別れるその瞬間を、想像してしまうことがあると思う。 実際はその…

凛
9か月前
1

空気を読む

「疲れているかどうかは僕が決めることだから」 そう言われてハッとした これまでずっと、ずっと他人の顔色を窺う人生を送ってきた 疲れてないか、怒ってないか、嫌だと…

凛
11か月前
1

ほんとは

みんなそれぞれの事情を抱えていて、でもそれを外に出すことはなくて。 だからと言って私は周りの人を信用してないわけじゃない。ただ、みんなにとって期待外れな存在にな…

凛
11か月前
1

二十歳

二十歳になった。 全能感も解放感もさしてないけれど、ぬるっと大人にされた気がした。 これからまた十年、二十年と生きていったらどんな人間になっているのだろうか、少し…

凛
1年前
2

一ヶ月ぶり

一ヶ月ぶりにnoteを開いた。夏休みは駆け足で過ぎていって、もう秋学期が始まった。 祖母が亡くなってから4ヶ月ぶりに帰省し、仏壇に置かれている祖母の遺影や、がらりと…

凛
1年前
3

子供の時は

子供の時は、間違いをすることが普通で、それに気付いたら謝って、それで終わることができていた。 だけど、大人になると、だんだん間違いをしなくなる。だから、間違えた…

凛
1年前
1

夏休みの目標

授業期間が終わった。レポートはまだあるけれど、これで大学に行く必要はなくなった。 今学期は本当に辛くて大変だった。毎日ついていくのに必死で、ついていけない時もあ…

凛
1年前
2

真夏、土曜日の朝

室外機のファンが回る音と、静かな寝息。 少し効き過ぎた冷房を調整して、冷蔵庫から水を取り出す。 もう一度ベッドに戻り、季節外れの毛布にくるまった。 今日はこのま…

凛
1年前
終わらない夏

終わらない夏

もう二ヶ月が経った。

あれから私は、時折過去の自分がしてきた決断を振り返るようになった。
やっぱり行けばよかったと思う気持ちがないとは言い切れない。友達はあちこちへ飛んでいき、彼らの背景に映る景色はそれまでとは全く違い、ヨーロッパの空気が感じられる。

大学に入るまで、私はヨーロッパやフランス語にそれほど関心があったわけではなかった。いざ入学してみれば、フランス語を学ぶのは楽しかったし、ヨーロッ

もっとみる
おやすみ

おやすみ

市ヶ谷の無印のカフェで歯医者の時間まで、透き通るアイスティーを飲みながら待ってる。

梅雨入りして蒸し暑い外を眺めながら、自分の今について考える。

夢だったはずの交換留学をやめた。
早くに内定が決まった先輩に就活を教えてもらった。

自己分析グラフ。今は凪いでいるといったら先輩は一瞬わからないと言ったような顔をした。

でも間違いない。今は心が落ち着いている。

外国に一年住むプレッシャーに私は

もっとみる
全部ではないけれど

全部ではないけれど

これまでの無理してきたツケが回ってきたのか、ここ数ヶ月、いや、数年。

体調が悪くなり、手術もして、1週間ほど学校を休んだりした。

そして私は気づいた。私は今、儀式の途中にいるのだと。
不安で常に忙しく、自分を犠牲にして、他人や自分には優しくしてくれない誰かのために無理をしていた日常から移行する、そういう儀式。

無理していたせいでできあがった傷を、受け入れてちゃんと傷ついて弱る。

だから今が

もっとみる
餞別

餞別

もうすぐで娘に会えなくなってしまう。
だから、娘にとびきりのプレゼントをあげることにした。

娘は小さい頃から、洋服やアクセサリーが好きだった。誕生日やクリスマスにはふたりで買い物に行った。

大きな包みを両腕に抱えて満面の笑みで、「ママありがとう!」と伝えてくれる。それが私にとっての幸せだった。

神様がくれた、私の一番大切なプレゼントは娘だった。

娘は元気に育った。母の日にはお花をくれたり、

もっとみる
私と

私と

私のバイト終わり、焼肉店で私たちは一緒にご飯を食べた。
いつも通りお酒も飲んでいた。

金曜の夜だったのもあって、いつもよりも多くお酒を飲んだ。

酔いが回ってきて前後にどんな話をしていたのかは覚えていない。だけど少し悲しい話だったような気がする。
彼が「僕は、ひとりで生きているから」と言った。

その言葉を聞いて涙が本当に自然に出てきた。
どうしたらいいのかわからなくて泣いた。

彼も少し涙目だ

もっとみる
大学生になるみんなに

大学生になるみんなに

進学が決まったみなさん、おめでとうございます。

去年に引き続き、新3年生になる私がいくつかアドバイスを考えてみました。結構役立つんじゃないかなと思うのでぜひ読んでくれたら嬉しいです!

1.「経験をしなきゃ」と頑張らなくていい

大学に入ったらいろんな経験をしなくちゃ!と意気込んでいる人も多いと思います。でも、そもそも大学に入り新しい生活をスタートさせることが大きな経験になります。だからまずは日

もっとみる
移ろう

移ろう

人の気持ちなんて、いとも簡単に移りゆくものだよ。

きっと、誰かに期待して、それが叶わなかった誰かの言葉だろう。

だけど、どんなものも、人もきっといつかは自分の元を去る。

だから覚えておいた方がいいのは、愛おしい存在を想った時に自分の中に広がる感情。

どこかに移ろうとも、見えなくなったとしても

それだけは変わらずに残るから

新しい年

新しい年

偶数の年は奇数の年よりも穏やかに過ぎていくのは、気のせいだろうか。

今年になって初めて、評価の対象にならない、自分のためだけの文章を書いている。

去年は目まぐるしい一年だった。今年はどんな一年になるのかな。

私はこのnoteでも日常生活でも、祖母のことを書いたり考えたりするのだが、最近になって気づいたことがある。

それは、祖母と過ごした思い出が、本当に心の支えになっているということだ。

もっとみる
誰もが

誰もが

たぶん、大人なら誰もが、大切な人との別れを一度は経験しているだろうし、今は近くにいる誰かと、いつか別れるその瞬間を、想像してしまうことがあると思う。

実際はその想像通りにはならないのだけど、心の準備というか、突然やってくるその瞬間に耐えうるように、無意識に頭の中で描いてしまうのだと思う。

それは少し悲しいことだけど、いつかやってくることだから、私はできるだけ準備をしていたい。

そして、自分と

もっとみる
空気を読む

空気を読む

「疲れているかどうかは僕が決めることだから」

そう言われてハッとした
これまでずっと、ずっと他人の顔色を窺う人生を送ってきた

疲れてないか、怒ってないか、嫌だと思ってないか
不安で不安でたまらなかった

「今日、会うのやめとこうか」
「え、なんで?」
「疲れてないかなと思って」

私のせいで相手が疲れるようなことはしたくない、絶対に

相手ばかり気にしていたら、自分の気持ちがわからなくなってし

もっとみる
ほんとは

ほんとは

みんなそれぞれの事情を抱えていて、でもそれを外に出すことはなくて。
だからと言って私は周りの人を信用してないわけじゃない。ただ、みんなにとって期待外れな存在になりたくない。

大好きな人との関係を壊したくないから、我慢する。

だって私は知っている。
「あ、間違えた。」と後悔する瞬間を、何度も経験してきた。

ほんとは言いたくても、自分の期待通りの反応をもらえるかなんてわからない。
なら、言わない

もっとみる
二十歳

二十歳

二十歳になった。
全能感も解放感もさしてないけれど、ぬるっと大人にされた気がした。
これからまた十年、二十年と生きていったらどんな人間になっているのだろうか、少し怖い。

母は声をあげて泣いた。
晴れ渡った空の下で、大声を上げながら。
澄んだ空気を思い切り肺に吸い込み、
その腕の中に小さな子どもを抱えながら。

何度も言いかけて、その度に胸の奥にしまい込んでいた言葉を、ついに吐き出してしまった。

もっとみる

一ヶ月ぶり

一ヶ月ぶりにnoteを開いた。夏休みは駆け足で過ぎていって、もう秋学期が始まった。

祖母が亡くなってから4ヶ月ぶりに帰省し、仏壇に置かれている祖母の遺影や、がらりと変えられた家具の配置が、私に祖母がいなくなったことをわからせた。
仏壇の前に座り、微笑んでいる祖母の写真を見た時にはもう、とめどなく涙が溢れて、しばらく泣いた。

雑用をこなしていた母も、泣いている私に気づいて隣に座り、静かに待ってい

もっとみる
子供の時は

子供の時は

子供の時は、間違いをすることが普通で、それに気付いたら謝って、それで終わることができていた。

だけど、大人になると、だんだん間違いをしなくなる。だから、間違えた時、どうすればいいかわからなくなる。

どうやって直せばいいかわからなくなる。
細い金が絡まって取れなくなるネックレスのように。一度すれ違えば二度と交わらない線のように。

大人の間違いは子供の間違いほど単純ではなくて、もっと複雑で重い。

もっとみる
夏休みの目標

夏休みの目標

授業期間が終わった。レポートはまだあるけれど、これで大学に行く必要はなくなった。

今学期は本当に辛くて大変だった。毎日ついていくのに必死で、ついていけない時もあった。
思い出すと泣きたくなるくらい、スケジュールも埋まっていた。

今年の夏休みは何をしようかと思ったが、今はただ休みたい。
そして、いろんなことを考える時間を取りたい。

主に将来のことと、家族のこと。

将来、自分はどんな仕事をして

もっとみる
真夏、土曜日の朝

真夏、土曜日の朝

室外機のファンが回る音と、静かな寝息。

少し効き過ぎた冷房を調整して、冷蔵庫から水を取り出す。

もう一度ベッドに戻り、季節外れの毛布にくるまった。

今日はこのまま外に出ずにいようかな、なんて考えながら

でもやっぱり、せっかくの土曜日だから、柔軟剤も買わなきゃいけないし外に出よう。

もう少しだけ、涼しいこの空間で眠ろうとして

私は目を閉じた。