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【コラム】死が身近にあることの影響

どうも、QOLライフハッカーのそねです。

若年層の自殺率が世界トップの日本ですが、これほどまでに安全な国で自死を選んでしまう理由はなぜでしょうか。
心を病んでしまう人についても注目されており、近年では心の知能指数の重要性や心理的安全性について語られるようになりました。

ロシアのウクライナ侵攻がニュースとなって、中国アジアの民族問題、中東の難民問題、アフリカや東欧の貧しい国々、国内でも重い病気を患っている方々など様々なところで「明日死ぬかもしれない」という人たちがいます。

「死」の身近さが違うことで、生きることの捉え方が違うのではないかと思い、記事にしてみました。

今回のテーマは:「生きることの目的意識」です。

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メメント・モリ

ラテン語で「死を忘ることなかれ」という意味です。人も動物も、植物もいつか死にます。

古代ローマでは将軍に「今日絶頂にあっても、明日はどうかわからない」と忘れないようにさせる役目を持った使用人がおり、「メメント・モリ」と伝えていたそうです。

しかしこの言葉が普及したのは「明日死ぬかもしれないなら、いまを楽しもう」との意味で使われたことが理由だったようです。

キリスト教では「現世の苦しみ」を強調するために使われていたようです。「行いの徳によって死後の世界が決まる」というのは他の宗教でも似た考えが多いですね。

死ぬ前に後悔すること

多くの患者さんを看取った看護師さんは、患者さんの後悔の言葉をよく耳にするそうです。

死を目前にした人たちが考える後悔は、人生のあり方を考えるのにとても役に立つと思います。なぜなら僕たちの未来の言葉がそこにあるからです。

人は、やった後悔よりも、やらなかった後悔のほうが大きいと言われています。一生懸命なことはとても素晴らしいことですが、それを理由に自分のことを大切にしないのはダメです。

実際に、僕も仕事のしすぎで後悔ばかりです。仕事は手段であって、目的を忘れないように心がけたいですね。

なぜ生きたいのか、なぜ死にたいのか

多くの人は生きるために希望を求めます。生きるには理由が必要なんです。それは生命の根源的な欲求と、社会性のある動物特有の欲求に分けられます。

生命の根源的な欲求とは、睡眠欲・食欲といった生命の活動に関するものと、性欲といった子孫を増やすための欲求です。

社会性のある動物の欲求は、影響力などの支配欲、存在意義などの承認欲です。特に人間は、言葉や文字といった言語と態度や表情といった非言語のコミュニケーション能力が発達しています。

人間は、唯一、笑うことのできる動物です。そして、唯一、自死をする動物でもあります。人間は脳の機能が発達しすぎていて、生きる目的がないと欲求を満たせません。

だから自分で目的を決められない場合は、他者にその目的を求めてしまいます。これは精神的な依存です。

潜在的な自己否定を他人にぶつけたり、他人を否定することで自己愛を守ろうとします。

自己犠牲によって、誰かの役に立とうとする行動もあります。ほとんどは愛情からくる見返りを求めない行為ですが、存在価値を高めて相手に自分の存在を承認させる目的で自己犠牲の手段を使う人がいます。見返りを求める自己犠牲は愛情ではありません。

自己犠牲をするから愛情があるのではなく、愛情から自己犠牲の手段を選択するのです。有事にて「愛深き者から死んでいく」のはそれが理由です。

自分を大切にできない人は、他人からも大切されません

自分を物のように扱っていませんか?誰かにとって価値のある道具になろうとしていませんか?そんなことしなくても、僕たちには価値があります。

生きていることに価値があり、生き方を工夫することに意味があります。生きる意味が見つかったときに、命は輝きます。

自分の存在を自分で認められなくなった時、人は生きることをやめようとします。「自分には価値がある」と思える自己効力感や、存在価値を認めさせる承認欲求が、社会性と社交性の生き物である人間にプログラミングされた生きる目的だと言えます。

自己効力感を持ち自己承認ができる人ほど、生きる目的がはっきりしています。自信に繋がる実績の積み重ねは、成功よりも失敗を乗り越えた数です。まずは失敗することが大事です。そして乗り越えるために支え合う仲間が必要です。

おわり

「明日死ぬかもしれない」と身近に死を感じる人たちとくらべて、生きることについて普段あまり考えない人が多いと思います。

睡眠欲・食欲・性欲は心が健康であれば正常に働きます。これらは渇望欲求と呼ばれ、「のどが渇いたら水がほしくなる」のは当たり前のことです。

僕はそれが「生きる」という本質とは思いません。「生きる」とは能動的な言葉です。「生かされる」は受動的な言葉です。

自分が決めて行動することが、生きることの本質だと思います。だから僕たちは、何をすべきかわからないと不安になって、誰かに理由や目的を求めてしまいます。

他人の基準は人によって違うし、基準が変わってしまうこともあります。球技で例えれば、ゴールがたくさんあって、しかも動いているようなものです。無理ゲーです。

僕たちは精神的な自立を目指さなければいけません。自分だけの価値基準、生きる目的、達成目標、行動指針を持たなければいけません。

「生きる」の答えは、自分にしかわからないことです。「生かされる」のであれば、誰かに聞けばいいと思います。でも誰かに与えられた理由や目的が行動の軸になる「生かされる」状態は、あなたの人生と言えるでしょうか。

自分の人生の主導権を自分で持つ。自分の人生に責任を持つことこそ、「生きる」と呼ぶに相応しい行動だと思います。

自分の船の行き先、たどり着きたい場所は、自分で決めましょう。生きる目的に正しく行動できたなら、もし目標を達成できなくとも目的を守ることはできます。

目的に沿って行動ができれば、僕たちは「自分の人生を生きた」と思えるのだと信じています。

死は見えていないだけで、いつでもすぐ近くあります。怖がる必要はないですが、意識する必要はあると思います。

今日、生きたことへの感謝
明日、死ぬ可能性への覚悟

寝る前と起きた時に思い出せるように、寝室に「メメント・モリ」と書いておくといいかもしれません。

誰かの死に向き合うことで、生きることの大切さを感じたなら、それだけでも死んだ誰かの生きた意味はあるんだと思います。


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