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#ポエム
故障じゃない、今日は壊れた。
心の壊れる音が聞こえたから、エアーマネキンを買った。
浮き袋みたいに空気を入れたら膨らむ、その人形に文字を書く。
とりあえずは、手の辺りに初めて繋いだ日付を書く。それから、一言、「あたたかい」と付け加える。
顔には、何を書こうか。
瞳の色、ちぐはぐな歯並び、好きになった笑顔、花粉症。思い付くことを手当たり次第に書く。そして、書き終えたら次の場所へと移る。
背中は広い……。足は毛深い……
なにがどうなるかなんて、分からない。
写真に撮られるのが大キライなのに、その写真だけ持って出た。
それは、保育園のときの写真。友達が九人と、その真ん中に園長先生が並んでいる。みんな笑顔だし、私が記憶する限りその笑顔は本物だった。笑顔にニセモノがあるなんてまだ知らなかったときの、わたしが写真をキライになる前の写真だ。
そんなものを一人暮らしを始めるという日に、御守りみたいに持って家を出る。困ったときに悩みを聞いてくれる、なによりご
保存状態のいい、雨の跡地。
久しぶりに帰ってきた公園のベンチは雨に濡れていた。
今朝降ったばかりなのだろう、。黒く湿ったそこには座れそうにない。
ポケットから煙草を取り出してから、もう自由に吸えないのかと戻した。
随分と神経質になった。
ここに通っていた頃には、道路に飛び出さないことぐらいしか気にしていなかったように思う。
公園の草花は膝下しか隠してはくれず、見上げていたはずの木々も歩くのを邪魔をするようだ。すこし露をつけた
明日が来るまで遊んで待つ
夜風が何とかしてくれると思って部屋の窓を開けた。
あれこれ考えるのが嫌になって、この窓から外に出るんだ。
逃げるんじゃないんだよ。
すこし遊びに出るだけだから、そんなに心配しないで。
たまにやってることだから大丈夫。また帰ってこれるはずだよ。
イヤフォンを耳に入れる。Bluetoothは便利だ。
お気に入りでも誰かのプレイリストでもいいから、今日の声を探す。
ベースがブンブン震えてピアノがはじけ