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裸足たち(私の舞)

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エッセイ集。基本、思考たち。たまに本能と感覚が舞っている。
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記事一覧

「やりたいこと」 を 「夢」 っていう友人

「やりたいこと」 を 「夢」 っていう友人

私は割合と言葉を重々しく使ってしまうタイプだから(「好き」とか「嬉しい」とかは別だけど)「夢」なんていうと、凄くちゃんとしたものでないようないけない気がするというか、無意識のうちに、叶うか叶わんかわからんものでないと今まで「夢」って表現したらいけないような気がしてた。叶うとしても、そこまで時間がかかるもの。

小学生の頃、卒業式前に「夢」について作文しなきゃいけなかったけれど、何か「形になる夢」じ

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好きな人の好きなもの

好きな人の好きなもの

これはちょっと自分でもショックだった。私は、私の好きなものは私が決めていると思っていたし、だから好きなものは揺らがないとも思っていたわけで。

先日、ある人に、ある曲を紹介された。

私は音楽に本当に悲しいほどに疎いから、聞いてみたら、素敵だったから、よかったよ、その人にレスポンスをしたところ、違う曲もおすすめされた。

すると、その一連の話を共有していた違う年上の知り合いAが、言った。

「前曲

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【詩】17 (かんげん)

私はよく
私が間に合わないことが
多くて

でも今まで
なにが間に合わないかって考えた
ことなかったかも

空間とか瞬間とか
見えないものは きりがなくて

でも最近思うのは
女とか
スペックとか
わかんないけど
わかんないけど

そういうもっと
単純に
わかりやすく
逃れられない
ものかもしれない

そういうもっと
私が手放せないまま
私がどうすることも
できない 私

あなたの知ってる

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小説を書くことのなにがむずかしいって、(16)

小説をかくことの
なにがむずかしいって

白に 言葉が 反応しないこと

電子に 文字を 打とうとすると
瞬間に とまる 空間

では 紙に書こうとすると
宇宙は いつも 間に合ってくれない

速記の検定でも とろうかしら?

して、とっても けっきょくは
まにあわないん だけど ね。

あたしと現実みたいなものだから

現実は はやくて
あたしは のろまに 間に合わなくて

現実が足一本 なくし

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【詩】15

新幹線に 乗ると

窓に流されて
ツルツルと しっぽの方へ
すべっていった

ねぇ みて みてママ
きれい

ちいさな子
ひかり しずく
気付き

その瞳に 水を光らせて

となりの母のうなずき
雨とともに 流されたようだ

子は はたと だまりこみ
ほおづえ を つく、

人に対する
不安な気持ちすべて
つきつめるといつも
おかーさんにぶち当たる

ただ
なんでもないわたしを
おかーさんにみとめられたい
って思いが
異常に強い

わかってる
だからたまに猛烈に
打ち負かせたいときがある



そして不幸で幸福で
悲しいほどに
私はおかーさんがすき

私はいつも嘘をつかない
代わりに楽に流される
これでいいやの時がある
こだわってない時
こだわる努力をしてない時
それを見透かされる
私に
あなたに
その空洞が貫かれて
ひたすらに悔しい
そんな自分に
他の頑張っている誰かに
またそれを見て後悔する自分が
一番悔しい

頑張ろう

柔軟性の欠如は
創造性の衰退




(勝手に定めた完璧に収まり眠り、
発展的工夫に怠惰を覚える私へ)

(常に完璧などないのだと
頭だけで止まらせた真実へ
自戒を、込めて。)

「好き」の質感が広辞苑と違う

「好き」の質感が広辞苑と違う

わたしのす
きはおはようと
おなじなの
シツリョウおもく
うけとめないで

質感が違う、と表現してしまうと、「直訳的に触り心地の問題」みたいになって、辞書の紙みたくツルツルしてないのかね?などと思われちゃいそうだが、そうではなく、大幅な一般論と違う、と言う感じなのである。

私の「すき」は軽量だ。
軽量だけど、その中に基本、嘘は一つもない。

つまり、なんとも思ってないのにとりあえず「かわいい~」

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センスとか、ブランドとか、女らしいとか、系統とか、そういうんじゃなくて、その時の私に一番自然な服をするーんと着たい。生まれたての赤ちゃんをくるむ布とか、ジャムをいれる瓶とか、紅茶を注ぐマグカップみたいな感じで。

「量」をとるか「質」をとるか

「量」をとるか「質」をとるか

という問題。

私のnoteの話である。

noteを始めようとしたきっかけは、年の離れた妹が、私の中学時代に流行ったケータイ小説のような小説サイトのアプリを入れており、それに(半ば強引に)勧誘されたからである。勧められるままに入れてみたが、やはりああいうものには年相応、というものがあり、予想されるユーザーの平均年齢層からも、私には合わなかった。

かといって、今更ブログ開設は少し面倒であり、小説

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はるのジャケット(飽和地点)

確定的だったのは、母の若い日の写真。それと、先生の一言であった。
ことは確かだけれど、予兆はすでに、私の意識のうちに、投げかけられ続けていた。

大きなリボンがついてるような女の子らしい服を好む妹と、年中ほぼ、シャツとジーパンの無頓着な私。
顔は似ていると言われるが、性格も、好んで着る服も違う。それは妹が成長していくにつれ、如実な差として、あらわれてゆく。

最近妹ちゃんはとみに可愛くなったわねぇ

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