小説を書くことのなにがむずかしいって、(16)

小説をかくことの
なにがむずかしいって

白に 言葉が 反応しないこと

電子に 文字を 打とうとすると
瞬間に とまる 空間

では 紙に書こうとすると
宇宙は いつも 間に合ってくれない

速記の検定でも とろうかしら?

して、とっても けっきょくは
まにあわないん だけど ね。

あたしと現実みたいなものだから

現実は はやくて
あたしは のろまに 間に合わなくて

現実が足一本 なくしたんだって、って
遅くなったらしいって、
優しい誰かが ささやいて

やだ そんなの ばくはつしちゃう

!!!

むかし しあわせでないと
音楽を つくれないって

人がいて、

あたし もう びっくりして

あたしの 詩になる 言葉は いつも

溶岩の嘔吐 か

赤々と燃えたまま
胸につかえた
備長炭を
えずいているだけ で

その 赤 だけが
ゆいいつの

ゆいいつの美しさなのに
(そしてあたしは青が、すき!)

あたしのやさしさが すべて
琴線にふれられるくらい

あたしをわすれて

美しければ いいのにって、
そう、思った。

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