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わたしの句

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趣味の句作(俳句・短歌)をまとめました
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2019年9月の記事一覧

首伸ばし爪先立ちしの揚花火

首伸ばし爪先立ちしの揚花火

先週末は、温泉の恵みに感謝する温泉祭りでした。ステージイベントのゲストが、今人気のりんごちゃんだったため、4万人人口のこの街に2万人の人出があったとか。りんごちゃん、すげぇ。

一応うちは、洋食(フレンチ)のお店なんですが、お弁当類の伸びがここ2、3年著しい。新築祝いや法事など、集まりがあるとお弁当を取るという習慣は、鹿児島ならではなんでしょうか(私の出身地愛媛では、あんまりなかったなぁ)。数年前

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テリー派かアンソニー派で揉めたころ

テリー派かアンソニー派で揉めたころ

俳句でもなんでもない、ただの思い出です(苦笑) 昨日、クリス松村さんのミュージックモアを見ていたら、ゲストがアニソン歌手の堀江美都子さんでした。オープニングで歌われていたのが“キャンディ・キャンディ”主題歌。70年代に小学生時代を送ったアラフィフには、涙無くして聞けないどストライクソング。

確か近所のお友達のかずえちゃんから、「なかよし」という月刊漫画に面白い漫画があると紹介されて読み始めた記憶

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案山子さえ半袖のまま秋暑し

案山子さえ半袖のまま秋暑し

鹿児島の稲刈りは、場所にもよりますが早い。お盆が過ぎたらもう収穫です。

鹿児島に帰ってきてすぐ、3年ほど米作りに挑戦したことがあります。お店で使う(私たちは夫婦で小さなレストランをやっているのです)お米を自分たちで作ってみよう、と。もともと夫の実家が農家で、夫以外の家族は農業に従事していたので、田んぼはあると。もう使ってないけど。

長年放置されていた田んぼの草を刈り、耕運機をかけ、沢から水を引

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人生の夢まだ知らず青蜜柑

人生の夢まだ知らず青蜜柑

娘、高三。今日、クラスメートの一人が就職試験に落ちたとしょんぼりして帰ってきました。ひとクラス20人弱の小さな地方の高校ですが、クラス内の仲がとても良いらしく、みんな自分のことのように悲しんだとか。

うーむ、先はまだまだ長い!くじけず頑張って欲しいなぁ。
#俳句 #エッセイ #暮らし #写真 #秋 #青みかん #就活 #高校生

誰の訪れ告げるや野分が揺らすドアベル

誰の訪れ告げるや野分が揺らすドアベル

昨日の台風。雨はさほど降らない風台風でした。扉につけたドアベルが、強い風が吹くたびにチリンチリンと、かすかに鳴ります。その度に誰か来たかとはっとするのですが、「ああ、風だったか」と座りなおす。そんなことを繰り返した1日でした。
#俳句 #エッセイ #暮らし #写真 #秋 #台風 #ドアベル

紅葉にただ唖然とす東福寺

紅葉にただ唖然とす東福寺

残念ながら、鹿児島に住むようになってから、紅葉を楽しむ、という経験がほぼありません。1年中気温が高くて、木の葉が色づくのに必要な、気温の寒暖差に乏しいからかもしれません。

紅葉で思い出すのはやはり京都。中学か高校の頃、家族旅行で行った東福寺。当時の私は気難しい思春期の真っ只中。計画を立てたのは旅行好きの母だったか。ただただふてくされたようについてくる娘との旅は、楽しくなかったでしょうねぇ…
そん

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逃げ出したい一つ柿をもぐ

逃げ出したい一つ柿をもぐ

家族を持ったり、仕事でポストについたり、大人になるにつれてなにかの役割をになって生きていくようになる。責任を全うすることに、普段は納得し、満足感を覚えることもあるけれど、時々本来の自分の意志とかけ離れていると感じることもある。役割とは、自身とはまた別物。演じている役柄のようなもの。

親に甘えてただ自分の好きなことだけを追求していればよかった頃。そんな自由だった頃の自分を思い出して、眠れないほど苦

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青空に緑山映えて秋暑し

青空に緑山映えて秋暑し

この連休はイベント関係の出店で、三日連続の野外のお仕事。9月なかばとは言え鹿児島はまだまだ「秋暑し」。青空に紅葉の山だと俳句的に絵になると思うんですが、ここではこれも一つの現実。

でも吹く風の感じや、空の雲の様子を眺めていると、やはり真夏の景色とは少し違う気も。南国にも少しずつ秋の気配。
#俳句 #エッセイ #暮らし #写真 #秋 #残暑

カマキリよその振り上げた手をおろしなさい

カマキリよその振り上げた手をおろしなさい

玄関先の鉢植えをいくつか並べたところに、少し前から結構立派なカマキリが住みついています。秋の季語だということで、早速パシャリ。

小さな三角の頭、大きな瞳の中にぽつんと小さな黒目のあるちょっと怖そうな瞳、そして振り上げた二本の鎌のような手。怒れる孤高の人…のような雰囲気。だからこそ、一旦その鎌を下ろして話でもしましょうや、と声をかけたくなりますね。
#俳句 #エッセイ #暮らし #写真 #秋

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黄落期りりしきポニーテール矢を放つ

黄落期りりしきポニーテール矢を放つ

高校時代、弓道部に所属していました。矢場の片側にはずらっと銀杏の木が立ち並び、秋になると真っ黄色に色づいた葉がはらはらと舞い落ちる。その分秋の季節のお掃除が大変でしたが、そのうち銀杏の実が落ち始めると匂いの方もまた大変なことに。

別の高校に進学した中学時代のの親友が、「弓道部に入りたかったけど、新設校で部自体がなかった…」というのを聞いて、「そんなに面白いのかな」と気になり、入ってしまったという

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唐芋と薩摩の人は呼びにけり

唐芋と薩摩の人は呼びにけり

昨日に引き続き、鹿児島の方言のことです。実はこちらでは、サツマイモのことを「唐芋(からいも)」と呼ぶ人が結構います。これもちょっと考えれば合点の行く話で、たとえば私たちが「フランスパン」と呼ぶものを、フランス人はそうは呼びません。日本人から見て、“フランス”の“パン”だから、フランスパン。

では誰がサツマイモと呼ぶかというと、その地域外に住んでいる人が呼ぶわけです。昔、たとえば京都とか江戸とか

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山芋掘り北では牛蒡掘りとなり

山芋掘り北では牛蒡掘りとなり

鹿児島に住むようになって15年。独特の言い回しには驚かされます。「山芋を掘る」もその一つ。「昨日子供が、スーパーで山芋掘って困った」みたいに使います。スーパーで?山芋買ったんじゃなくて?初めて聞いた時には、まさに目が点。

ただをこねる、泥酔して人に絡むと言うような意味です。ただ怒りを爆発させられて困った…というよりは、慎重に慎重に掘らなきゃいけない山芋みたいに、ちょっとめんどくさいなぁみたいなニ

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図書室の窓辺ひっそり鳳仙花

図書室の窓辺ひっそり鳳仙花



今日のお題は鳳仙花です。秋の季語ですが、ぱっと頭に浮かぶのは、夏休み中の小学校。プール帰り、図書室による途中の花壇に植えられていたイメージです。すっとした20cmくらいの立ち姿、茂る葉の陰から柔らかそうな淡いピンクや赤の花弁がのぞいて、決して華やかに目立つわけではありませんが、夏の昼下がり、いつもとは違う静かな学校にはなんだかぴったりな感じがしました。

さて、わたしが鳳仙花とよく混合するのが

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ほんとに好きなのは桃と梨 妻の告白衝撃の夕げ

ほんとに好きなのは桃と梨 妻の告白衝撃の夕げ

スーパーの特売や、直売所で安く出ているといつも買ってきて、嬉々として切り分けて出してくれるので、夫はほんとにマンゴーが好きなんだなあ、と思っていました。ところがある日、ふとした話のはずみから、夫は、わたしが大のマンゴー好きだと思っていたことが判明しました。…そんなこといつ言ったっけ?むしろテンション上がるのは、桃と梨なのだが。この告白に、夫は予想以上に衝撃を受けていました…君が喜ぶと思って、買って

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