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案山子さえ半袖のまま秋暑し

鹿児島の稲刈りは、場所にもよりますが早い。お盆が過ぎたらもう収穫です。

鹿児島に帰ってきてすぐ、3年ほど米作りに挑戦したことがあります。お店で使う(私たちは夫婦で小さなレストランをやっているのです)お米を自分たちで作ってみよう、と。もともと夫の実家が農家で、夫以外の家族は農業に従事していたので、田んぼはあると。もう使ってないけど。

長年放置されていた田んぼの草を刈り、耕運機をかけ、沢から水を引き、代搔き、田植え、草取り、刈り入れ…
初めて入った田んぼの水の冷たさ、泥の感触。草取りをするための田車(たぐるま)探しに奔走したこと。小さかった娘や甥っ子、姪っ子とも作業したりして、大変ながらも得がたい体験でした。

田植えの時、田植え機に乗った夫に叔父さんだったか、かけた言葉が印象に残っています。
「下ばっかり見たらダメだ、遠くの一点を見ながら運転しないと」
慣れない運転で、ついつい足下の苗ばかり気にしていると、機械が蛇行して苗列が歪みます。姿勢を正して、遠くの目標を一心に見つめて進めば、安定して真っ直ぐに走行でき、苗をきれいに植えることができる。

なんとなく、人生にも通じるなぁ…などと思って感心したものです。

米作りは、ある年ひどい台風が来て、がけ崩れの土砂がなだれ込んでしまい、そこで終わりになってしまいましたが、2年ほど前からお義兄さんが、本業の野菜づくりの傍ら再開してくれて、無農薬の自家米をつかえるようになりました。写真はお義姉さんの撮ったものを拝借。

#俳句 #エッセイ #暮らし #写真 #秋 #稲刈り #米作り

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