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ケンヨウの階層

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自分自身に関わる文章を書きとめていきます。仕事のこと、生活のこと、いま夢中なことなど僕自身についてです。
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#仕事

[ちょっとしたエッセイ] 僕らは、ちいさな安心のために生きている

[ちょっとしたエッセイ] 僕らは、ちいさな安心のために生きている

 仕事柄、深夜にメールが届くことがしばしばある。内容にもよるが、すぐに返信してしまうことが多い。特に、フリーランスの仕事相手には、すぐ返信してあげた方がいい場合が多い。担当者として、一区切りの合図というものがあると、お互いに安心するからだ。
 先日、深夜2時に届いた、とあるデザイナーから少し様子の変なメールが届いた。ひと通り依頼している制作物のデザインのことが書かれていたのだが、最後に「今日は星が

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[ちょっとしたエッセイ] 世界はなんでもいいであふれてる

[ちょっとしたエッセイ] 世界はなんでもいいであふれてる

「今日なんにする?」と聞くと、「なんでもいい」と言う。
「映画なに見る?」と聞かれると、「なんでもいい」と答える。
 日頃から、自分の周りで飛び交う会話の一部というか、すべてというか、大体のどうでもいい会話に蔓延る「なんでもいい」。昨日入った喫茶店でも、隣にいた若い女性がスマホを見ながら、目の前に座る彼の問いに、目も見ずに「なんでもいい」と答えていた。
 この「なんでもいい」は結構な意思表示なんじ

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[ちょっとしたエッセイ]なんで昼食わないんですか?

[ちょっとしたエッセイ]なんで昼食わないんですか?

「なんで昼食わないんですか?」
 後輩に聞かれた。僕は普段、あまり昼食を摂らない。どうしてそうなったかは置いておいて、もうそうなって4〜5年になる。今じゃ、「お腹がすかない」とか「面倒くさい」とか、至極単純な理由になっている。
「お腹空かないんだよね」と答えることが多い。でも食べたくないわけではなく、外へ誘われれば行くこともある。なので、結局どっちでもいいが正解で、でもひとつだけ、昼休みにはやって

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[ちょっとしたエッセイとおしらせ]一寸先にある未来

[ちょっとしたエッセイとおしらせ]一寸先にある未来

 昨年末、1カ月ほど、ちょっとしたアルバイトをいた。年の瀬の週末だけの、なんだか特別な時間に働くのはなんだか悪くないといのが、働き終わっての感想だ。
 電車に乗って、各駅停車しか停まらない駅で降りる。仕事場は、住宅街の中にある古い木造の家で、ガラガラと扉を引くと、ミシンの音とシンナーの香りがした。仕事内容は至ってシンプルで、ハサミで革を切り、仮止めのためのテープを貼ったり、たぶん教えられれば誰でも

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[ちょっとしたエッセイ]六本木という街に騙される日々

[ちょっとしたエッセイ]六本木という街に騙される日々

 先日、久々に六本木を訪れた際、休憩にと駅前の喫茶店に入った。ここは駅前の割に、結構広くゆったりしているので、ちょっとした打ち合わせなどで長居するにはもってこいの場所だった。ただ、古い佇まいと、土地柄か、スーツの人とラフな私服の人のペアが多く、なんだか胡散臭いさは拭えない。でも、ひとりでゆったりするには良い場所だった。
 運ばれたコーヒーを飲みながら、あたりを見回していると、背筋をピンとしながら項

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[異論はあるでしょうが、私の仕事論]vol.02

[異論はあるでしょうが、私の仕事論]vol.02

 今の会社に中途で入社して、かれこれ10年とう月日が流れた。
 僕の仕事の大半は、Macの前で行われる。書体とにらめっこをしたり、あてのないこだわりに頭を抱えたり……。
 そうすると、嫌が応にも眠気が出てくる。それは、寝るのが遅い!のが原因なのは自明の理なのだが、そこは本を読んだり、ネットを見たりと、大事なフィールドワークなので、譲ることもできない。
 もう5年くらいになるか……。一時期所属した部

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[異論はあるでしょうが、私の仕事論]vol.01

[異論はあるでしょうが、私の仕事論]vol.01

 何回に渡るかわからないが、せっかくこうやって好き勝手に表現できる場所があるので、仕事のことを書いてみようと思う。
 私自身は、社会人歴16年目。ひとつの会社に居続けているわけではないが(詳しくは、「自己紹介いたします」に記します)、現在進行して勤めている会社には、まもなく10年になる。業態としては、出版、販売がメイン。
 勤め始めてからずっと編集部にいて、執筆や取材をメインとしてきたが、昨年人事

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[異論はあるでしょうが、私の仕事論]vol.03

[異論はあるでしょうが、私の仕事論]vol.03

 前回も書き記しましたが(と言うにはだいぶ前ですが……)、僕は小さな出版社に勤めています。
 この業界、出口の見えない不況の最中で、町中の本屋は日に日に減り、そして出版社は売上が伸びないので、ひたすらヒット作をめざして本を出し続ける(しかも超スピーディーに)自転車操業の権化。そしてひたすら本屋の場所取り合戦を繰り広げています。今はコロナの影響が少しプラスに作用しているようですが、依然として出版業界

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[異論はあるでしょうが、私の仕事論]vol.04 たぶん仕事は学ぶ場所である

[異論はあるでしょうが、私の仕事論]vol.04 たぶん仕事は学ぶ場所である

 このシリーズを読んでいただいている方には伝わっているかと思いますが、僕は東京のとある小さな出版社に勤務しております。30歳前に中途採用で入社して、雑誌の編集部、制作部と流れ、先月から新規事業に携わっております。
 で、その新規事業というのは、時代の流れでしょうか、これまではおおよそアウトソーシングでまかなったいたデジタル分野の新規事業でして、気がつけば、紙の仕事から離れて、早1カ月が過ぎました。

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