[ちょっとしたエッセイ] エスカレーター・ラブレター
夕方に外で打ち合わせがあったので、今日はこのまま会社に戻らず、仕事を終えることにした。最寄駅についたのは午後5時過ぎ。このまま家に帰るのは少しもったいない気がして、駅中にあるファストフード店でコーヒーでも飲むことにした。夕方なのにも関わらず、外の気温は30度を越している。季節のスイッチが壊れているような、初夏の一日。夏はこれからなのに、すでの残暑のような厳しさが背中から押し寄せていた。冷房の効いたこの店は、そんな灼熱の世界から逃れてきた僕にとって、椅子の硬さややかましい店内